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Feel the Wind.

沖に出た一隻の船を想像してみてください。

船長が見るものは、幾日も幾日も同じ景色─水平線に浮かぶ広大な空と海。

どちらに進んでいるのか、正しい方向へ向かっているのか。

そもそもちゃんと進んでいるのか、後退しているのか。

それさえも、毎日の同じ景色の中で分からなくなってしまう。

あなたの人生は今、そんな船のようなものかもしれません。

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港を出て行く船がその出発を決めた時、開かれる宴は賑やかなものです。

数々の仲間たちに肩を叩かれ祝福されて、

「今から自分は広い海に出て行くのだ!」と待ち受ける冒険に胸を高鳴らせる。

それはとても華々しく、ワクワクとした胸の高鳴りと

変化していく自分に対する確かな自信に満ちているのです。

しかしいざ大海に出てしばらくすると、そこに広がるのは青い空と海だけ。

しかもそれが、新たな大陸にたどり着くまでずっと何か月も続くのです。

インドを目指したコロンブスが、アメリカ大陸に到達するまでの旅路を想像してごらんなさい。

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これが陸路であれば、あなたが乗っているのが船ではなく自転車であれば、状況は違ったでしょう。

自分の足でペダルをこいで風を切って進み、毎瞬毎瞬、移り変わる景色にあなたはこう感じたでしょう。

「すごい、私は確かに前に進んでいるじゃないか」と。

しかし、思い出してください。あなたがいるのは、あなたの街から隣町へ自転車で移動すると言った、小さいスケールの旅ではないのです。

世界最大の大陸、ユーラシアの果てをはなれ、新たな大陸を、新たな世界を見つけにいくという、そんなスケールの大きな旅なのです。

それをどんな時も忘れずにいなさい。

あなたは、あなたにとっての新大陸を発見する旅路の中にいるのです。

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ここで視点を変えてみましょう。

船の前方に立ち、遠く遠くまで続く水平線を見つめるあなたを、上空から観察する鳥になったと想像してください。

あるいはさらに視点を上げて、あなたは巨大な地球儀上に浮かぶ船を眺める神だと思ってくれてもいいでしょう。

彼らの視点で見たら、あなたはどのように映るでしょうか?

そう、あなたは風を切って、巨大な海を横切りぐんぐん進んでいるのです。

小さな船長であるあなたが「果たして私は正しい方向に進んでいるのか」と思い悩む間も、たしかに風はあなたを押しているのです。

だから、いつも風を感じていなさい。

「風など吹いていない」と感じる時こそ、心と五感の全てを総動員してその息吹を感じるのです。

「この風はどこに私を連れていくのだろう」と考えなくてもよろしい。

それはあなたの仕事ではなく、宇宙の仕事だからです。

インドを目指したコロンブスが、やがて図らずもアメリカ大陸にたどり着き、世界の歴史を大きく変えたように。

宇宙はあなたを最高最善に導く風をいつも吹かせているのです。

彼らはこの世で最も優れ、信頼のおける舵取りなのですから。

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だからどんなときも、

あなたは風を感じていなさい。

風は吹いていると信じなさい。

どんな時も、風はあなたを押し、導いているのだと確信しなさい。

あなたが出会うべき人へ、仕事へ、場所へ。

この一瞬も、あなたは動き続けている。

あなたが目指す新大陸へ向かって。

Feel the Wind.

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Kana


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