知らない人の窓辺を覗きに、
町の小さな映画館に行ってきました。
映画は
「フェルメール THE GREATEST EXHIBITION
アート・オン・スクリーン特別編 」。
黄色と青のターバンを巻いて耳もとに大きな
真珠の耳飾りをつけた女性が代表作の画家さんです。
作中では世界中に散逸していた作品たちを
ひとつの美術館に集め展示している様子を
見られるのですが、「何かしている人をこっ
そり隠し撮り(隠れ描き?)した」ような構図の絵の多いこと、多いこと。
ある人は、黙々とレースを編んでいる。視線は編み機に向いているから、「そのレース、
できたら誰にあげるんですか?」って聞いても
答えてくれないような気がする。
またある人は、ポットに入っている牛乳を
茶色い器に注いでいる。
牛乳のすぐ近くに置いてあったパンがどんな味か気になるけど、それ以上に、この人は何の
料理を作ろうとしているかが知りたかった。
シチューとかかな?
黒い服の男性と、おしゃれなドレスで着飾った女性が話しているシーンにも出くわしてしまった。会話を邪魔してしまったようで少し気まずい。
フェルメールの描く窓辺にいる人たちは、だいたい作者であるフェルメールや鑑賞者である私たちの存在に気づいていない。
視線も向けられることはないため、私たちはちょっと恥ずかしいかなと思いつつもカンヴァス越しに、見つからないようこっそりと観察することになる。
そんなドキドキを味わえる映画でした。
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