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快眠

年を取ると朝までぐっすりというのがない。夜中に一、二度は目が覚める。そんなことない?そんな時どうする?
私はモノを考えないようにしている。そのためにはからだに音をいれる。自然の音を。波の音、風の音、山での静寂の音、自然には音が満ちている。自然から離れた暮らしになればなるほど自然の音が恋しくなる。

鹿児島で過ごした日々は眠れない日も多かった。
眠れないとき、決まってある音楽を聴いていた。そのうち条件反射なのか、そのCDが終わるまでには眠りについているようになった。
( DEVA PREMAL MOOLA MANTRA デヴァプリマール 根源へ)
文字でも考えでもなく、音をからだに入れるようになったのは、この時身についた習慣からか。

このところ毎晩聴いているのは武満徹氏の「波の盆」三分余りで短い。
波で想像されるもの、盆で想像されるもの、それがこの特異な現代音楽家の中でどう結びついたのか、そんなこんなを思い浮かべ、この静かな味わい深い音をからだに入れている。体に入れるのは食べ物とか、空気だけではない。知らないところで生きる活力となっているのはこんな音たちかもしれない。自然の音、誰かの感性を通った自然の音、インドのマントラもそんなもの。そんなものをからだに入れたい。そんなものを自分の感性を通して作ってみたい。毎晩、そんな思いに駆られながら眠りについている。

これを快眠と言えるかどうかわからないけれど……

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