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ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー/ハマータウンの野郎ども

中学生の長女が授業課題の読書感想文で黄色い本(ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー)を選び、付箋を貼って読み込んでいた。私は私なりに黄色い本をもう少ししっかり理解しようと、少し難しそうだけれど1970年代のイギリスの若者社会を伝える名著を手に取ってみた。

黄色い本にも登場する、イギリスの階級社会の中でも底辺にいる少年たち(ハマータウンの野郎ども)に関する詳細なエスノグラフィー。
※こういう面倒くさい本を一般向けの文庫で出し、1996年初版の本を今でも重版し、帯をブレイディみかこさんに依頼している筑摩書房がすき。

’’野郎ども"の、支配的な文化に相対する反抗の文化。順応を拒否し、本質論議を避ける経験主義的な論理。
このエスノグラフィーを追随する形で書かれた論文も読んで、その後40年強が経過し、彼らのコミュニティが肉体労働産業からサービス産業に置き換わろうと、彼らのイデオロギーは変わらなく、簡単にコミュニティが崩壊するでもなく、多様な形態で存続しているという点に逞しさを感じた。

どんな職種でも臨床で仕事をするとき、こうしてコミュニティの深層から理解する視点は欠かせないのだと思う。


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