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はとが元満鉄という設定自体が実はアカンのでは?鉄ミュ4

 とりあえず初見を現場で観劇。
 メモとかもとらなかったので、記憶の間違いや台詞のうろ覚えとかもあります。内容は手のひらクルー!と愚痴と罵倒が玉石混交。




鉄ミュを見終わっての簡単な感想。


 どー9的には5億点(OPで隣あっている北海道新幹線と九州新幹線を見た瞬間『嘘だろ!?』と叫んで以降ずっと舞台右しか見ていなかった。席ドセンなのに)、ちよばんの青春さに90点、都営さん達の麻雀手慣れっぷり90点、銀座様と丸の内は100点だが今回の副都心線は柄悪くて30点、山陰山陽のローな若手漫才師さ100点!、山陽さん60点、舞台ならではのギャグ演出80点(落とし穴とか2つの画面を使った説明とツッコミ)、はとつば65点、信越線とジュニアックホームズ0点って感じですね。


 どー9大勝利なんだが!?!?(大勝利なのはどーはこだろう)(そっちはそっちで大好きだし、こっちは普段『見本の人生』だけで自分の手足を食って萌えを満たしてたんだから隣あってるだけで大勝利なんですよ!!)
 これだけで手のひらクルー!の絶賛記事を書こうともしたが、それではフェアではないので。
 思い出した限り、レポしておこうかと。


OP


 ひたすらどーと九州を目で追っていたので他の路線に集中できなかった…。 
 他の路線はもう円盤か配信で!と割り切って二人に集中したが、もう衝撃で正直記憶がない。
 自分の見ていたのが現実なのか幻なのか判断がつかなかった…。いまもよく思い出せない。
 ただ、北海道が立つとき手を前で揃えるスタイルが上品で好きだなと思ったし、真面目な新人らしくて凄くいい。
 逆に九州は手を後ろにまわした軍人のような立ち姿で威厳があり、常に気高さがって大好きでしかなかった。
 立ち姿一つとってもキャラクター性が出るのを見られるのは舞台化のいいですね。せぶミュでも、多摩川線がコートのポケットに手を入れていた立ち姿が大好きでした。
 あと楽器のエア演奏で、九州は中国銅鑼(太鼓かもしれない)、北海道はチェロ?を弾いていたのが印象に残っています。
 北海道、チェロ弾けるんだ!?と思ったし、その姿が美しすぎたので宮沢賢治の『セロ弾きのゴーシュ』を思い出したよね…。役者さんのアドリブか演出家の指示かは知りませんが、本当に感謝しかない。本当にありがとう…。北海道が弦楽器を弾けるというだけで諭吉を払った価値があった。
 九州新幹線の銅鑼もコミカルと気真面目さがあって九州にメチャメチャ合っていた。(たぶん太鼓なんだろうけど、銅鑼の印象を受けたので銅鑼で。元々長崎でやる予定だったし、長崎の龍踊の銅鑼っぽい印象を受けた)
 本当に細かい部分が衝撃と萌えで忘れているんですが(正座している北海道がいたような気がするし、副都心と隣り合っている北海道もいた気がする。九州が階段で横になっている姿の側に北海道がいた気がするし、北海道のお辞儀の仕方の深々さに、新人の真面目さと、陽キャラに見えて実はそこまで余裕がない精神性が垣間見えて好きだったんだが、これもう自分の幻覚かどうかもわからない)
 
 ただ、九州新幹線が上手の階段から歌いながら降りてくるとき、下手の北海道新幹線が九州に向かって掲げていた手の美しさは一生脳に焼きつけておこうと思います。
 
 たまたま上に手を掲げている仕草がそう見えただけかもしれませんが、北海道が九州に敬意を払う仕草をしたという点だけを都合よく変換しておきます。
 あと北海道、腕を九州にむかって腕をズボっとやりましたね!?!?あの楽しそうなどーの顔、一生忘れない。
 リアルに悲鳴を上げた。いま私は『見本の人生』の五年分を摂取している!!!!



うつたか


 このネタ(上官に振り替え輸送を頼む)、って前にもやりませんでした…?
 もうかなり初期のネタだし、無印と2の記憶も曖昧になっているので確信は持てませんが、かなり『また?』感が否めなかった。今回の鉄ミュ、そういうのが特に多かった気がします。
 ちよばんのin the boxみたいに、前の公演でやったことだけど(3は見ていないのであったとして)今回も繰り返しやる意味がちゃんとあるならともかく、正直このネタ見飽きたな部分があると思います。
 これだけ大人気キャラで、一度出たきりでロクに出番がない路線キャラも多い青鉄の中でほぼレギュラー出演しているのに、未だに舞台で生かせるようなネタがないってどういうこと…?
 うつたかは好きでも嫌いでもないが、他のエピソードが見たいと思った。とにかく新鮮味がない。



東上と秩父鉄道


 こちらも飽きません?いやフライング東上とか面白かったけど…
 私は鉄ミュ無印での、『デパートも鉄道も赤字で、どこで売り上げを出しゃいいんだ!』とか五社直通で副都心線にバチバチとした視線を送る東上が好きだったので、こうやって秩鉄ネタ一辺倒の奇人になった東上は好きではないし、もう飽きました。
 頭ポンのBL萌えや、秩父鉄道のテーマソングで盆踊りを踊る各路線とかは楽しめましたが、東上と秩鉄がどうしても今回の公演で必要だったかどうかといわれたら、要らないと答えます。
 正直別のキャラだしてくれと思った。
 青鉄で誰もが一番最初に好きになる、武蔵野線とかさ。



メトロ


 kimeruさんの銀座役が最高にハマり役すぎる!声も佇まいも気品も苛烈さも。
 癖のあるkimeruさんの演技の中で、一番好きだった。(西池もあれはまた別格で好きだが、いかんせんどの舞台でもカイチョーカイチョー繰り返しすぎて煩かった。武蔵野鉄道での、これから合併する村山線に対しての不快感を隠さない抑えた演技も好きだったが) 
 一つになりましょーと持ち掛けてきた都営を、嫌味と実力(麻雀)で打ち負かし、追い返す女王様っぷりが素敵。
 駄犬が!が生で聞けて本当によかった。高慢で強気な人が大好きなんですよ…。
 丸の内との、上下関係がはっきりした演技のかけあいもコミカルで面白かったですね。
 ただ……副都心線の柄がメチャメチャに悪い。
 引くほど悪い。半グレ寄りの陽キャラにしか見えなかった。
 前の副都心線は態度がどれだけ生意気でも育ちのよさというか、愛されて育った子特有の無邪気な愛嬌があった。
 でも今回の副都心線は、距離の詰め方といい、有楽町線や東上にする態度といい、バーとかで飲んでたら急に肩を組んでくるような人の怖さがあった。突然マウントしてくる怖さ。
 全然きゃるんとしていないんですよ。(きゃるんとは)
 オフィスラブ先輩も、あんな生々しく有楽町線のケツ触る必要あります???急に描写が青年誌かティーンズラブの性描写になって驚いた。
 というか副都心があんな風に有楽町線にセクハラするの、解釈違いですね。
 あと丸の内の女装は笑えたが、失禁ネタは小劇団ノリだなーと思った。好きではない。有楽町線の足は綺麗でした。
 有楽町線は……こちらも、正直前キャストが絶対によかった。
 キャラクター性や演技が悪いわけではないが、やっぱり無印のあのDVD越しでも伝わってくる劇団四季の圧倒的な歌唱力が忘れられないわけですよ。
 先輩としての風格をパワハラやマウントではなく、ミュージカルでは圧倒的な“正解”である歌唱力で見せつけるあの見事な演出。
 無印で初めて有楽町線の歌声を聞いた時、絶対絶対!生で聞きたい!!と思ったほどです。
 けど今回の有楽町線のあの声には正直それが感じられず、好演だったと思うが、やっぱりどうしても前のキャストさんが良かった気持ちが否めない。
 メトロパートは全体的に面白かったし好きなんだけど、副都心がすげー柄悪かったって印象が何より強い。怖い。



都営


 ほぼほぼパーフェクトに良かったんじゃないんですか!?
 公務員だからモテるしローンにも強いとか、大江戸線の地下深いネタとか、借金の額もデカいがその分順調に稼いでいるとか、メトロに統合を持ちかけるが返り討ちにされるとか。懐かしくて、でもずっと観たかったネタが見れた感動がありました。
 四人の少数精鋭の路線だからこそ全員にバランスよく出番があり、どの場面でも演者が各路線の魅力を最大限に引き出してくれた。
 なによりあの麻雀場面!
 本来ならば四人向かい合って卓を囲む麻雀シーンを、舞台映えする前向きショットに変換し、上からは各路線のラインカラーでライトアップする。
 これこそ舞台化ならではの素晴らしい変化というか、役者の顔もよく見えるしキャラ映えする。  
 都営の麻雀シーンがより愛しくなりましたね。上からのライトアップはなんかプリキュアっぽかった。
 麻雀シーンは役者さんが明らかに手慣れていて、その素に近いイキイキとした雰囲気にも笑ってしまった。
 牌を切っているときの楽しそうな手つきとか、牌を混ぜているときの音とか、無理やりな理屈で大江戸線から点数を巻き上げ、それに大盛り上がりする姿とか、おじさんキャラの愛嬌と仲良しさがあってメチャメチャ好感度高かったです!
 公務員のモテや安定も、全自動雀卓には揺らぐ素直さがめちゃめちゃ可愛い。
 あと北海道新幹線を招いててのお昼の番組パロも最高でした!
 都営さんと北海道が出ると聞いたときからこのインタビュー番組ネタを本当に楽しみにしていて、その期待をパーフェクトに叶えてくれたのには大感謝しかないわけですよ。
 浅草さんの名MCっぷりや、NN(ナイスネガティブ)やNP(ナイスポジティブ)など北海道新幹線の掘り下げを邪魔しない形で、テンポよくアシストしてくれたのが本当に嬉しい。
 紙袋が風と共に脱げていく北海道新幹線のカッコよさには痺れましたね……。大好きだとしかいいようがない……。
 あとギャグだけではなく、三田線の辛い過去にも触れていたも好感を持ちました。
 存在を期待されていたのに人間の都合で色々と駄目になり、今は当初考えていた自分自身とは大きく異なってしまった。
 それは鉄道路線特有の運命とも言えるし、私達だって想定通りの人生は送っていない。今の自分は、あのころ想像していた自分自身の姿ではない。
 だからこそ三田線の辛さがわかるし、真面目だからこそ荒んだという心境も理解できる。だから皆みーたんが好きなんですよ
 ただ文句を言うならば、まだ純粋無垢だった三田線をやるときはグラサン外してほしかったなーと思います。
 なんですでにあんなグラサンで武装するほど荒んでいるんだ。ポケットの中で一時的でも納められなかったのか。
 そこだけが残念。
 あと都営新宿線のハゲネタは嫌いですね。原作からしてこのネタが嫌い。
 いまどき人の変えられない身体的特徴で笑いを取るセンスってどうなの? ルッキズムですよそれ。
 世界中で『人の容姿を指さして笑うようなネタはやめよう。自分の体を愛そう』(現に日本でも体型イジリやブスいじりネタが減ってきている)という流れで、照明を使ってまで取り上げるネタだとは思えない。古い。
 だから単純にハゲネタは『やっぱりやったよなー』という印象が強いし、なんで男性は薄毛や童貞であることに強い恐怖心を持っているのに、それを笑い者にする醜悪な構造に積極的に手を貸すんです?
 お笑いも演劇も圧倒的な男性社会で、笑いを提供する側であり、作品の方向性を決める意思決定権を持つ立場の人も多い。
 いくら原作にもあるネタとはいえ、あれが面白いの? デコが広くてハゲ扱いされる女性も多いのに? わからん。さっぱりわからん。
 しかし浅草線の『オリンピックだねー!おじさん、生きているうちにもう一度東京でオリンピックが見られるとは思っていなかったよ!』の台詞ありませんでしたよね?
 本来ならばオリンピック全盛期でやる予定だったのに、あの台詞や派手なオリンピックネタがなかったのは意外。
 むしろ積極的に出して、ミーハーに盛り上がる都営さん達や、前の東京オリンピックを余裕で体験しているほど長く普遍的に生きている浅草さんのシリアスな過去話が見れると期待していたのに。
 舞台の浅草さんも、もっとノリが軽くて社会的特権である『おじさん』を自覚的に利用して楽しんでいるような感じがよかったなと思う。
 でも全体的にはメチャメチャ良かったです都営。大江戸線の美しさは天下一。
 個別のテーマソングは、とにかく後ろで踊る北海道新幹線と九州新幹線の姿を追うのに忙しくて、ロクに見れていなかったのが後悔。
 円盤か配信でここも詳しくチェックしたいなと思う。



ちよばん


 ありがとう『in the box』。そしておめでとう!『open the box』!!
 書店での立ち読みにも使われていると聞いた原作での屈指の名作である『in the box』をこうやって公演してくれたことが嬉しいし、そのアンサーである『open the box』を復興10年目の年にやれたことは本当に意義深いことだと思う。
 しかもつい先日、偶然にもその東日本大震災の余震が起こり、東北新幹線の一部が運休を余儀なくされました。
 そして今は受験シーズン。数多くの受験生たちが東北に取り残されてしまった。
 そこで立ち上がったのが9年の歳月をかけて再び仙台と東京を繋ぎ始めた常磐線で、仙台始発の「ひたち22号」で夜通し走り続けて受験生たちを東京に送り届けることができた。
 この時期にこのタイミングで、千代田線と常磐線の箱が開く瞬間を目の前でみることができたのは本当に幸福な観劇体験だったと思います。(地震のせいで私が東京駅でH5を見れなかったことは除く)
 長い長い時間と苦いわだかまりを経て、再び箱は開いた。『新幹線でな』と軽口を再び口にすることができた。
 その幸福感とかけがえのなさ。
 二人が楽しそうに飲みに消えていく後ろ姿を見て、この舞台を観に来れて本当によかったなと思いました。
 もう青春さに胸がいっぱい。ちよばんは社会人だけど、二人には放課後マックで延々と友達と喋ってたあの頃のような青春さがある。
 そこが魅力だし、そんな二人のやりとりを直接見れて幸せだなーとつくづく思いましたね……。
 しっかしkimeruさんのセーラー服にはなんか生い魅力があるな!(生い魅力とは)
 有楽町線の女装には足綺麗だなーとしか思わなかったんですが、kimeruさんのセーラー服はなんか足から目が離せなかったんだよね…。
 靴下かな。薄かった覚えがあるんだが、そこが妙に生々しかった。
 歌詞の『黒歴史~』と二人で歌い上げるの、歌詞は強い言葉を使っているのに、歌声はすごく優しい。泣きそうになりましたね。二人の時計の針か歯車を回すような振付もすごく良かったです。
 ただ一つ文句があるとすれば常磐線の『新幹線で』の尺、足りなくないですか?!
 台詞違うかもしれんが、どこかの台詞が間髪いれずに台詞が入れられて、『もっと丁寧に言って!!』と思った。
 そういう演出なのかもしれんが、もっと尺をとってゆっくりと大切に言ってほしかった。あの瞬間、間がすげー早かった。
 そこだけが猛烈に惜しかった。



ジュニアックホームズ


 ゴミですね。
 ゴミです。死。死。死。死ぬべきネタ。なんでまたこのネタが鉄ミュに採用されてるのかわけわからん。
 和製ジムキャリーである鯨井さんにはメチャクチャ合うコメディ演出ですが、実在する鉄道路線の擬人化作品としては要らないパートです。
 鉄ミュ2よりはサスペンスしてたが、それがどうした。
 そッッッッッッッッッッッッッッッッんなにも、このジュニアックホームズって面白いんですか?
 公式同人誌ネタだが、原作でもそんなにも重要で面白い作品なの? 篠山線が0系に神様を見出した話や、つばめが妹に最初の高速鉄道となるチャンスを譲った話をやらずに、このジュニアックホームズを優先させる理由うあります??
 わからねえ。さっぱり理解できん。
 あと一番腹立ったのは信越線の扱いです。
 私にとってはこいつは公式に子供の裸を触ったレイピスト(無知な長野を騙し信越線が風呂場で強制わいせつ。青春先生が公式アカで同人誌の裏話として呟いていた公式設定です)以外にありえないんですが、それでもジュニアックホームズでの信越線の扱いは酷すぎる。
 架線が盗まれたから下半身露出って。しかもまだ長野に路線を奪われたネタ。

 なんで信越線が公式によってここまで酷い扱いを受けなきゃいけないんですか?

 私は信越線に正当な裁きが下れとは常々思いますが、ここまで馬鹿にされ変態扱いされるのは間違っていると思います。
 彼の人格やキャラクター性が公式によって著しく貶められている。
 信越線ってペドネタと変態ネタを抜かしたら何も残らないんですか? 違うだろ。
 なのに毎回毎回鉄ミュでやることといえばペドフィリアネタで、今回は下半身まで晒された。
 笑えない。
 しかもここでも新鮮みのないネタばかり。
 架線を盗まれたことも、長野を逆恨みする(そもそも廃線になったり線路を分断する決断をしたのは全て鉄道会社であり、その責任や恨み言は所属している鉄道会社に向けられるべきだ。後続の新路線が負い目を負う必要は一切ないし、それで先輩路線からイジメられる理由は全くない。ましてや小さな子供だった長野が、分断を理由に信越線から責められる筋合いなど何もない。本気でない。信越線も北陸本線も函館本線も宇都宮線も、彼らが後続路線にやっていることは単にイジメであり、本来権力者へ向けられるべきの恨みを弱い立場の路線にぶつけてるにすぎない)ネタも、信越線の性的対象が少年ではなく少女だったら許されていない、男性サバイバー軽視のペドネタも、本当にもういいです。飽きた。
 このレイピストは本当に嫌いだが、公式によってここまで貶められるのは不当だと思うし、舞台に立てないキャラも多いなかで、新しいエピソードも掘り下げもないまま同じペドネタを繰り返すのはもったいなさと不毛さを感じます。
 前のジュニアックホームズは『このネタ削って安比奈と西新の結婚ネタをいれろ同性愛差別者が』と思ってましたが、今回のジュニアックホームズは『このネタ削って長崎新幹線ネタをいれろ。九州遠征異常ありというタイトルで、北海道新幹線よりも古参キャラの長崎新幹線をアンサンブルですらいれねーってどういう判断だ。本来なら長崎でも公演予定だったんだろ?信越線はともかく、長崎が故郷へ錦を飾れるのはこれで最初で最後かもしれないのに意味わからねえ』と思いながら見てました。
 けーちゃんも情緒不安定キャラで可哀想に。
 彼もまとな扱いを受けていない。



山陽本線と山陰本線。


 パーーーーーーーーフェクトに素晴らしかった!マジに完璧です。最高!元々山陰線のファンだったこともあるんですが、この舞台でもっともっと大好きになりました!
 お嬢サバからのあのローな漫才にもってこられるとは思ってもみませんでしたね。
 おおげさではない、低温な漫才だからこそクスクスと楽しく笑える。お嬢鯖のネタ二回目も楽しくみれました。ビチビチ。
 山陰線の山陰弁(ですよね?)が聞けたのが本当に幸せ。いや本当にファンなんですよ、山陰線。けど方言がクソ難しくて…。
 詳しく二人の素晴らしさも語りたいんですが、楽しすぎて詳細を覚えていない…。
 この二人と山陽新幹線が出るんだから、原作同人誌のバンドネタも絶対やると思ってたんですけどね。
 お嬢鯖と山陽新幹線の世話をする二人に大満足したので文句はありませんが、やっぱりバンドネタも見たかったよ…。
 エアギター、エアドラムでもいいからさ。



山陽新幹線


 ステージ上の頭髪の色が黒すぎて遠目だと見分けがつかん!(グリーン席なのになんだったんだあのクソ席)
 なんかカツラの色が暗いなという印象が強いんですが、違うかな?見間違えかも。
 今回の山陽なんですがー…、やっぱり、前のキャストである滝川英治さんが最高だったなと。
 滝川さんはマジに山陽新幹線の体現者でしたからね。逞しい体格と整った顔立ち。どことなく昭和な男の香りがする男くささ。なのに言動や扱いはコミカルで、三枚目もやれる優男姿が山陽新幹線のイメージ像にピッタリでした。
 もちろん今回の新しい山陽新幹線にも期待はしていたんですが、うーん、山、陽…?っていう感じでした。
 これはもう役者さんは何も悪くなく、私の個人的な解釈の問題ですね。合う合わないの問題。
 あと個人的にこの山陽は弟キャラの山陽だなと思いました。
 原作でも山陽は関西の在来線が出るまではイケメンだけど、どこか男くささもある感じだったんですよ。まあわかりやすく言うと攻め。
 けど関西の在来線が出てきてから急に弟属性さが増したというか、これまで九州や東海道の世話に翻弄される優男というイメージだったのに、関西の在来線が出てからは在来線に囲まれて甘やかされる弟みたいになった。
 だからそっちの山陽だと考えれば、今回の山陽は本当に山陽新幹線だったと思います。
 しかし、いかんせんネタが古い。
 九州とのかけあいであるレールスターネタはともかく、カンセンジャーとか500系を折るとか、確か前にも見たような気がするし、新しいネタはないのかと思うくらい古い。
 というか今回こそ原作でも屈指の名作である篠山線(山陽新幹線の前職)の話をやると思っていたのに。
 戦争ネタは不謹慎で、公式小児性愛者が舞台で当時中学生だった子役の服を剥ごうとする性暴力(鉄ミュ2)は誰も傷つかない健全ネタとでも?
 ふざけてんなあ。
 というか、軍事線として戦争に加担していた側の山陽、戦後復興の象徴として利用されたつばめ、元満鉄であり侵略の歴史そのものであるはと、軍事線として計画されながらも結局は戦争に組み込まれることすら叶わなかった元未成線の戸井線(現北海道新幹線)。
 これだけ揃っていながら、戦争を題材にしない理由がわからない…。
 平和の祭典オリンピックイヤーの舞台だからこそ、鉄道と戦争の関係性にも触れ、その上で平和な世界を望む的な話が見れると思っていたのに。
 ここらへんで悟りましたね。そんなのはくっらいシリアスは鉄ミュに望んじゃ駄目だと。
 でも山陽の過去は見たかったよね…



九州新幹線


 パーーーーフェクトすぎて、逆に何を語ったらいいかわからない……。立ち姿が常に美しく、秩父鉄道のテーマソングで盆踊りがカッコよかったことしか……
 怒涛のどー9供給に脳が追いついていない。
 テーマソングすら、感動と全肯定のスイッチが入ってしまい、ロクに覚えていない…。どうしても、目の前のどーと九州の姿を焼き付けておきたくて耳に使うエネルギーを全部目に集中させた。(円盤は買うからあとで見直せるという傲慢さと痛恨のミス)
 歌なら北海道新幹線のデスメタルと、哀愁と恨み節が炸裂した演歌の方が強烈に印象に残っていて、マジに九州の歌が思い出せない…。毎日配信はして…。
 山陽の『あいつマジで全国制覇を狙っているからさ…』からの、高笑いするネタやりましたっけ?思い出せない…。
 私が大好きなだったつばめちゃんにアイスクリームを買ってあげるネタがなかったのは残念すぎたけど、若手アンサンブルが女装してつばめちゃん達を演じるより遥かにマシ。
 女装を採用していたらブチ切れていましたね…(初代ペダステでも今泉ガールズという女装集団が出ましたが、大嫌いなんですよ。舞台キンキーブーツのように男性が女装する必要があるならわかるが、女性キャラを女性の雇用を奪ってまで男性が演じる意味がわからない。舞台働く細胞のように、可愛い子役が『きゅーしゅー!』と慕う姿が見たかった。想像するだけで可愛い。その子達の為にスタンド花を出したかった…)
 800系を自慢する九州が見れたのは嬉しかった…。
 九州旅行を行く予定の人には必ず『九州には800系という豪華で面白い車両があってね。あれも一つの観光だし、九州ネット早特7を使えば安くなるよ!』とオススメするくらい推しの車両なんですよ。
 そんな車両を九州が褒め称え、誇りに思ってくれているのが嬉しい。
 あと念願だった『九州には航空でどうぞ』という意味だ!が聞けて最高でしたね。何度も聞いても変な説得力があって、パワーワードのプレッシャーもあって笑ってしまう、
 そして対比するように『航空は北海道新幹線の敵!』発言もあり、個人的な萌えがたまらない。どーと九州が共演してくれてマジに良かった…。
 はととの過去(顎を掴み)を野球に変換したのは良い舞台アレンジだったと思います。
 暴力的な要素が薄まり、より多くの観客が笑える方向性にもっていけた。
 ただ本気でクソがと思ったのが、多目的トイレネタ。

 下ネタが部下との距離を縮めるのに有効的な手段だと未だに思っている時代錯誤のセクハラ上司みたいな下劣な発言を九州新幹線に言わせないでもらえます?

 しかも今更のアンジャッシュ・渡部建の不倫ネタ。
 単に下劣だと言っているじゃなくて、九州新幹線は鉄道路線であり、駅や電車内のトイレを管理する側の人間なんですよ。
 アンジャッシュの渡部建の事件以降、多目的トイレはしばらく使用不可になったり、多くの身体障碍者や多目的トイレを必要とする人、その清掃や管理をする人間が迷惑をこうむった。
 多くの乗客や駅利用者に、安心と安全を提供しなければならない側の責任者である九州新幹線が、含み笑いをしながらあんなことを言うとは思えない。あの事件の余波をこうむった側ですからね。
 鉄道という多くの人が行き来する施設と公共交通機関の擬人化だからこそ、強く違和感を覚えました。あと単に古い。
 今回の鉄ミュ、絶対に鬼滅パロは入れると思っていたし、テニスパロや何かの芸人?のパロディを入れてきたけど、どれも面白くなかった。
 つばはと時代をやってくれたのは嬉しいんですが、原作でよかった点が色々と台無しになった部分があった。
 水車小屋の歯車を回すシーンは原作にもあるんですが、原作では一瞬で終わったネタ。だから後にも引かず、つばめの一時のお遊びという印象だった。
 けれど舞台ではそれがいつまでもあるし、ジュニアの『勉強ってこういうことじゃないの?』(ノートに書き移す場面)をことによって、つばめが妹の教育を放棄し、単にイジメているように見える。
 あれには東北新幹線の教育係であった宇都宮線が候補生に対し薄い教科書を投げてよこして、ロクに指導をしなかった場面を思い出した。(青鉄って基本的に指導放棄が多い。ジュニアは信越線の世話を北陸本線に投げる、はとの世話もジュニアがつばめに投げた)
 宇都宮も無責任だと思ったんですが、九州新幹線みたいなサディスティックで高慢なキャラクターが、日本語も喋れない新人(というか引揚者かつ移民)に対し必要な教育も受けさせず、騙して意味不明なことを延々とさせるのは単にガチモンのクズですよ。
 可愛い妹に対するイジリではなく、イジメです。
 高慢でサディスティックなキャラクターだからこそ、おふざけはするが、ちゃんと仕事(教育)はする描写は入れてほしかった。



はと


 根本的な問題として、元南満州鉄道であるはとの戦争責任ってどうなってんの?
 満鉄は関東軍と深い関わりがあり、半官半民の国策会社。日本の中国侵略の拠点。
 もちろん満鉄を取り囲んでいた多くの人は日本人。そして日本はアジア各地に皇民化教育を強いてきた歴史がある。
 数多くの日本人が働いていた巨大組織である満鉄自身が日本語を忘れ、日本では侵略した土地の言葉しか使えない無知無垢キャラなのどうなの?
 ヘタリア再開や総理倶楽部で『ひまさんは歴史認識が浅く、WW2時代を美化している』という議論が沸き起こった時、じゃあ元満鉄であるはとは?と思ったんですよ。
 なのでつばめが「満州が平和なものか」といったあたりはかなりおっとなりましたが、鉄ミュ側が日本のアジア侵略を把握しているなら、尚更はとがあの関東軍と共に満州に君臨していた元満鉄で、しかも戦後は責任も取らず、言葉は何故か中国人のように中国語しかわからない日本人設定なのは、まず顔をしかめるものがある。
 作り手(読み手)側の日本の中国侵略や皇民化政策の歴史が抜け落ち、萌えや無垢無知の為に中国語が使われた印象が強い。
 だから中国語を喋るはとは素直には……。でも『ここからは中国語』表記には正直笑った。服が新鮮でかわいい。
 けどここまでつばはと過去編やるなら、つばめが初めての高速鉄道の座を譲った話もやってほしかった。あれこそが運命の分岐点であり、今の東海道新幹線と九州新幹線に繋がる重要なエピソードだった。
 つばはと姉妹の根幹を台無しにする入れ替わりネタやるよりはさ。


長くなったので続きはまた。

↑続いた。