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抗がん剤による脱毛に、シャンプー選びのポイント

抗がん剤による脱毛は、多くの方が経験される副作用の1つです。
頭皮の状態も人によりさまざまですが、髪の毛がない分、頭皮が刺激に敏感になりやすい状態です。ここでは、脱毛の始まりから、シャンプー選びのポイント、洗い方まで考えたいと思います。


抗がん剤と脱毛

抗がん剤を使用すると、必ず髪が抜けてしまうと思われているかもしれませんが、実際は抗がん剤の種類により、髪が抜けない・抜けにくいもの、抜けやすいものに分かれます。また、投与量などによっても髪への影響は異なります。

■抗がん剤名(一般名※)
●高度(ほぼ全て抜ける)
アムルビシン、イホスファミド、イリノテカン、エトポシド、エピルビシン、エリブリン、シクロホス、ファミド、ドキソルビシン、ドセタキセル、パクリタキセル、パクリタキセル(アルブミン懸濁型)
●中等度(髪の毛の量が減り、頭皮が見える)アクチノマイシンD、カバジタキセル、カルボプラチン、スニチニブ、チオテパ、トラスツズマブ、ビノレルビン、ビンクリスチン、ブレオマイシン、ベバシズマブ、メトトレキサート、レゴラフェニブ
● 軽度(ヘアースタイルにはあまり影響がない)アパルタミド、アファチニブ、ジオトリフ、アベマシクリブ、アベルマブ、イピリムマブ、イマチニ、エキセメスタン、エンコラフェニブ、エンザルタミド、オシメルチニブ、オビヌツズマブ、カルフィルゾミブ、ゲムシタビン、シスプラチン、セツキシマブ、ダコミチニブ、ダブラフェニブ、テガフール・ウラシル、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(*他に多数の後発品があります)、テポチニブ、トラスツズマブ、トラスツズマブ エムタンシン、トラベクテジン、トラメチニブ、ニボルマブ、パニツムマブ、パルボシクリブ、ビニメチニブ メクトビ、フルオロウラシル、ブレンツキシマブ ベドチン、ペムブロリズマブ、ベムラフェニブ、ボルテゾミブ、ミトタン、メルファラン、ラパチニブ、ロルラチニブ
※薬の有効成分を示す名前です。
引用:静岡県立静岡がんセンター「なぜ脱毛するのでしょうか」

髪の毛が抜け始める時期は個人差がありますが、抗がん剤投与後から1週間~3週間ごろが多く、髪をシャンプーで洗っているときや、とかしているときに抜けることが多く見られます。 いきなり抜けることで精神的にショックを受けることもあります。


回復してくる発毛期

個人差がありますが、抗がん剤治療が終了してから1カ月~2カ月で生え始める人が多いようです。もとの長さに戻る目安は1年~1年半です。ウィッグなどを使用する場合、髪が生えてくるに従い数回ウィッグを調整できると安心です。
生えてくる髪は、カールをしている・細い・白髪が多くなるなど、以前と違うこともあるようです。また場所によって生えてくるスピードが違うこともあります。
治療の中から、正しいケアができるように、医師に前もって相談してください。
また、全国どなたでも無料で相談ができるがん相談支援センターがあります。厚生労働大臣指定の施設なので安心してご利用いただけます。ご家族や医師との相談が難しい時など、ぜひご利用ください。

>詳しくはこちら


抗がん剤とシャンプーについて

抗がん剤によって脱毛をしている時期は、頭皮ケアも不要に思えますが、また生えてくる地毛をキレイに回復させるためにも、正しいケアを始めましょう。


頭皮をすこやかに保つためのシャンプー選び

アミノ酸系のシャンプー
頭皮が敏感に感じやすい時は、アミノ酸系洗浄剤を使用したシャンプーがおすすめです。アミノ酸系のシャンプーは、人間の皮膚や髪のタンパク質を構成するアミノ酸と同じ成分でできています。 また、頭皮と同じ弱酸性なので髪や頭皮にやさしいのが特徴です。 汚れだけを落とし、頭皮のうるおい成分は残してくれます。

アミノ酸系シャンプーの見分け方】
アミノ酸系洗浄成分が含まれているかは成分表を見るとわかります。 ココイル系、ラウロイル系の成分が書かれています。

ノンシリコン
髪の指通りをなめらかにするシリコンですが、頭皮に残るとフケやかゆみの原因となることもあるので、頭皮や髪をすこやかに保つことを目的にしたノンシリコンがおすすめです。 また、シリコンが入っていない分、髪が根本からふわっと立ち上がるような仕上がりになるのもポイントです。

無添加
肌が敏感に感じるときは、無添加シャンプーがおすすめです。 髪や頭皮に負担のかかる添加物が配合されていないので、頭皮や髪をすこやかに保つことができます。



洗い方のポイント

アミノ酸系シャンプーは肌にやさしい分、洗浄力の強いものに比べると弱い面があります。
汚れが落ちやすいよう、しっかりと泡立ててから、ゆっくり頭皮をマッサージするように洗いましょう。

  1. 髪や頭皮をぬるま湯でしっかりと濡らしましょう。

  2. シャンプーを手に取り、しっかりと泡立てる。この時、泡立てネットなどを使用するとより細かい泡がたつのでおすすめです。

  3. 指の腹を使いながら頭を洗います。頭皮をもむようにゆっくり洗いましょう。爪を立てたりごしごしと強く洗わないようにしましょう。

  4. 最後にぬるま湯でしっかりと落としましょう。

治療中は頭皮が敏感になりやすいので、異常を感じたら医師に相談をしてください。また、頭部へ放射線治療を行っている場合は、ぬるま湯で洗い流す程度にとどめるなど、医師に相談をしましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。
抗がん剤による脱毛期から正しく頭皮ケアをしてあげることが、次の髪がすこやかに生えてくるために重要だと改めて実感しました。 頑張ったあなたの頭皮、これからもよりよいケアをしてくださいね。


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