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【アクタバ】導入自治体インタビューvol.3 静岡県沼津市など5市

本シリーズでは、当社が開発した耕作放棄地診断システム「ACTABA(アクタバ)」の導入自治体へのインタビューを通して、負担が大きい荒廃農地調査にどのような変化が生まれたのかという声をお届けしていきます。

「ACTABA(アクタバ)」とは?
衛星データをもとに耕作放棄地率を判定できるシステム。耕作放棄地に絞って現地調査ができ、調査結果や撮影した写真を簡単に登録可能。アナログだった農地調査・管理をデジタル化で正確・簡単にできる。全国の自治体で実証実験を含む導入実績あり(令和3年度時点)。
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アクタバの画面(赤が耕作放棄地などを表します)

荒廃農地調査とは?
農地が適正に利用されているかあるいは遊休化・山林化してしまっているかを確認する調査のこと。農地の荒廃化を防ぎ、有効活用する目的で行われる。多くの自治体では農地を目視によって確認し、紙の地図や文章で管理しており、荒廃農地調査の負担の大きさが課題になっている。

今回は、2023年7月より先行して沼津、三島、島田、牧之原、菊川の県内5市で「アクタバ」を導入いただいた静岡県での事例について、静岡県経済産業部農業局農業ビジネス課経営基盤強化推進班 技師・日野様と一般社団法人 静岡県農業会議・角皆様にお話を伺いしました。

(以下、敬称略)

ーサグリの「アクタバ」を導入するに至った背景について教えてください。

角皆:

農業会議は、各市町村の農業委員会の業務支援を行っています。その中で、農業委員の方から、毎年実施される市町内全ての農地(多い市町では数十万筆)を目視で確認する荒廃農地調査(利用状況調査)が非常に手間になっているという話が挙がっていました。そこで荒廃農地調査の効率化を目指し、過去に県内の裾野市で実証実験をされていた「アクタバ」の導入に向けて、県へ要望を出したことがきっかけです。

日野:

本県では、現在「地域計画」と呼ばれる、農地の有効活用に向けた地域での話合いにより、各市町における目指すべき将来の農地利用の姿を明確化した計画の策定を進めています。その中で農業委員の方から「荒廃農地調査に多くの時間を取られ、「地域計画」まで“手が回らない”」というご要望もありました。今後、農地の有効活用を促進する上で、農業委員会の重要性はより高まっており、省力化を実現するためにも、県として「アクタバ」の導入実証事業を予算化し、5市で現地実証を開始しました。

ー「アクタバ」導入後は、作業フローはどのように変化しましたか?

日野:

「アクタバ」の衛星を使ったAI解析により、荒廃農地の可能性がある候補地をタブレットの電子地図上で確認できるようになりました。候補地だけをピンポイントで確認すればよいので、従来の紙地図の印刷・配布や荒廃農地のリストアップの必要がなくなり、大きな労力削減が期待できます。また調査の取りまとめにおいても、電子データ(csv.ファイル)として一括管理ができるので、集計における手間も大幅に解消できると考えています。

ー実際に荒廃農地調査における、農業委員の方からの反応はいかがですか?

日野:

「アクタバ」を活用した現地実証調査に同行した際、農業委員の方は「これなら手間が半分以下には減るよな」と、おっしゃっていました。またAIの解析結果についても、農業委員会の事務局の方は、「7~8割はAIで想定されていた通りの荒廃農地の様子であり、これならば十分に現地で使える」とおっしゃっていました。

ー逆に、「アクタバ」にこんな機能があったらいいなというご要望はありますか?

角皆:

農業委員会から一番よく言われるのは位置情報についてです。利用者の移動と合わせてリアルタイムで現在位置を確認できるようになれば、荒廃農地調査全体にかかる時間もより早まるのではないかなと思います。

また静岡県はお茶や果樹の樹園地が多いのですが、樹園地のデータ精度についても今後より高めていければと考えています。我々も荒廃農地調査を実施するなかで、現地の写真などをサグリにフィードバックさせていただき、より機能のブラッシュアップに協力できればと考えています。

ー「アクタバ」の導入によって生まれた時間や人員を、どのように活用したいですか?

日野:

現在、静岡県における荒廃農地は近年、6000ha前後で推移していますが、今後農業の担い手が減少していく中で、どのように新しい担い手を確保し、農地を有効活用するかは一つの課題であると認識しています。その中で、農地利用の最適化を担われている農業委員の方々が、現地で荒廃農地を確認するだけではなく、地権者の方に「まずは草刈りをしていただけませんか?」といった声かけや、新しい農地の担い手を引っ張ってくるなど、改善に向けたより実務的な業務で活躍していただきたいと考えています。そのためのソリューションとして、今回の実証結果を精査したうえで、「アクタバ」の活用を最終的には静岡県内全域に広げていければと考えています。

角皆:

市町によりますが農業委員会事務局は本当に人手が足りなく苦労されているところが多いです。市町によっては担当が一人しかおらず、場合によってはその一人で水産、観光までも担当されている地域があります。「アクタバ」を県内でも幅広く積極的に活用し、業務の効率化を実現していければと考えています。

サグリでは「ACTABA(アクタバ)」を全国の自治体に導入していきたいと考えています。「自治体の農地調査の負担を軽減したい」「農業分野のDX化に取り組みたい」「アクタバに興味がある」という自治体の方は公式サイトからぜひお気軽にお問い合わせください。
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静岡県のアクタバ事例についての記事

▼DX技術活用し荒廃農地を調査を調査 静岡・三島市で
2023年9月22日 全国農業新聞の2面に掲載)

▼衛星データをAIで解析→候補を抽出 荒廃農地調査を省力化 静岡県内5市で実施(2023年9月17日 静岡新聞に掲載)

▼農地の状態可視化 浜松拠点のサグリ、衛星データをAIで解析(2022年8月30日に静岡新聞に掲載)

サグリ株式会社(代表 坪井俊輔)

サグリ株式会社は、「人類と地球の共存を実現する」をビジョンに掲げ、2018年6月に兵庫県で創業したスタートアップ企業です。2019年にはインド・ベンガルールに子会社を設立しました。衛星データ×AIで世界の農業と環境課題の解決を目指しています。2021年6月にはリアルテックファンドなどから総額1.55億円の資金調達を発表しました。また、ひょうご神戸スタートアップファンドの第一号案件の出資となりました。令和3年度農林水産省 農林水産技術等大学発ベンチャーに認定され、近畿経済産業局より、J-Startup-KANSAIに選出。環境省スタートアップ大賞事業構想賞受賞や東洋経済2021すごいベンチャーに選出されました。

サグリ株式会社 公式サイト
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