来年、もしも、ファイターズから加藤貴之と上沢直之がいなくなっても

本題の前に、下手したら本題より長いかもしれない前置きを。


翔平が抜け『日ハムは投手層が薄くダメだ』と多くの評論家が予想しましたが、下馬評を覆してやるという気持ちで投げています。

復活大活躍! 日ハム・上沢直之から大谷翔平へのエール | FRIDAYデジタル



何故かソースがあのFRIDAYなのだが気にしないで頂きたい。そしてスキャンダル系の記事ではないので安心して欲しい。
これは、かの大谷翔平がファイターズを退団してから初めての年である2018年、上沢がFRIDAYからの取材の中で発した言葉である。

少しだけ補足すると、2017年の公式戦終了後、大谷だけでなく、当時まで抑えを勤めていた増井浩俊までFAによるバファローズ移籍のため退団していた。さらに、2016年でリーグ優勝と日本一になったと思ったら、2017年で中田翔の大不振など様々な負の要因が重なりリーグ5位になってしまった、という背景もある。そりゃあ下馬評が低くなっても仕方ないわな。

そんな中で、上沢は「下馬評を覆してやる」と考えながら2018年シーズンを迎えていた。元々上沢は私が最も好きなプロ野球選手であるが、このことを知った時は痺れるがあまり「この選手にもっと着いて行きたい」と本気で思ったものである。
私自身、下馬評の低さに理解はあったものの、それでも評論家など外野の人間に贔屓球団を低評価されると非常に悔しかった。しかし、「下馬評を覆してやる」と選手側から発信されると、その悔しさをかなり晴らせる。「選手がこれだけ強い意志で希望を見出そうとしているんだもの、私もこの選手を信頼しながら応援したい!」という気持ちになり、ファイターズファンとしてのモチベーションを取り戻せるのである。

ちなみにその2018年だが、ファイターズはリーグ3位で終わった。リーグ優勝や日本一は叶わなかったが、公式戦開幕前の下馬評を思うと割とよくやった方なのではないだろうか。そして上沢は、11勝6敗・防御率3.16・3完封(うち1つは無四球完封)という成績を残した。普通に凄い。そんな成績を残されたら、あの下馬評覆す発言がさらに痺れるものになってしまうではないか。一生着いて行きます。



……上沢語りで熱くなってしまったが、ここからようやく本題である。


来年のファイターズだが、加藤貴之と上沢直之が退団していなくなっている可能性がある。
加藤は国内FA権行使によるNPB所属他球団への移籍、上沢はポスティング行使による米球団への移籍をするのかもしれない。

加藤はここ数年で先発としての才能が本格的に開花した、左腕投手である。とてつもなく早いペースで試合をまとめ、調子がとても良い時は非常に少ない球数(90球台~100球台)で完投してしまったりもする。今やファンから「上沢より加藤の方がエース」と評されることもあるほどの好投手だ。彼が他球団の選手になり対戦することになってしまったら恐らく非常に厄介である。正直、今のファイターズの主力野手が加藤を打ち崩すイメージは湧きづらい。
上沢は、内容の善悪に関わらず大抵「6~8回を1~3失点でまとめる」、右腕投手である。良く言えば起用する上で非常に計算がしやすい。また、これは投手としての能力以外の話だが、彼には「ファイターズ歴12年」という要素がある。今のファイターズにはベテラン選手自体はいるものの、色々あって"生え抜きの"ベテラン選手はかなり少ない(上沢より前に入団した現役生え抜き選手は宮西、中島卓也のみである)。やはりファイターズ文化を熟知する選手は1人でも多くいた方が良いだろうから、そういう意味でも上沢残留のメリットは大きいと言えるだろう。

この好選手2人が退団してしまったら、ほぼ間違いなく来季のファイターズは苦戦を強いられることになるだろう。
何より、「大谷が退団した2017年オフ~2018年」より「(加藤上沢の両方が退団した場合の)2023年オフ~2024年」の方が希望を見出しづらいのだ。前者は何だかんだで中田・西川・大田・レアードがいたのである。今現在から見たらまだまだ希望に溢れている。後者は後者で清宮・野村・万波・伊藤大海などがいるが、彼らが2018年当時の主力選手ほど期待できそうかと言うと……。

……と、このように来年から加藤上沢がいなくなった場合のファイターズというのは、本当に希望を見出すのが非常に難しい。下馬評に悩む、2018年開幕前当時の私に「贅沢言うんじゃない!!!5年後は悪い意味でもっとヤバくなってるぞ!!!」と声をかけたいほどだ。

今年の公式戦や日本シリーズが終わったら、プロ野球ファンや評論家などが来季の各球団についてあれやこれやと予想していく。もし加藤上沢がどちらも退団したら、ファイターズに対する下馬評は、それはそれはもう酷い下馬評となるであろう。


それでも。こうなった時、ファイターズの選手で「下馬評を覆す」と宣言する選手が1人でもいて欲しい。


あの時、私が上沢のあの発言でファイターズファンとしてのモチベーションを取り戻せたように、この宣言を掲げる選手がいることで加藤上沢なきファイターズを気持ちよく応援できるようになりたい。

「チームのためにひたすら頑張る」「今季の目標成績はこうだ」「ボスに優勝を」etc.
こういう宣言も良いけれど、やはり私には選手から「下馬評を覆す」と言われるのが一番効く。外の人間に挑戦状を叩きつけるなんて、良い度胸ではないか。その心意気を買い、宣言した選手を私のできる目一杯分応援したい。「下馬評を覆す」と宣言する選手、そして2024年ファイターズに栄光あれ!





でも本音を言うと、やっぱり加藤も上沢もファイターズに残留して欲しい。さらに言うと、2人がファイターズにいる間に、もう一度リーグ優勝や日本一を経験して欲しいな。特に上沢は、自分が"一軍戦力である間(2014~2015途中、2017~)"にリーグ優勝と日本一を経験したことがないのだから……。

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