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マルクス・クレーシェとは?

フランクフルトは5月1日、フレディ・ボビッチの後任として、2021年6月1日からマルクス・クレーシェが新たにマネージャー(スポーツ部門責任者)に就任することを発表した。

契約は2025年6月30日までとなっている。

ライプツィヒでスポーツディレクターを務めるクレーシェは、4月26日にライプツィヒとの契約を今季限りで早期解除することを発表していた。

2016年にボビッチがフランクフルトのマネージャーに就任した時は懐疑的な声が多かったが、今回のクレーシェは異なる。

ファンやクラブの誰もが、フランクフルト上層部が最高の選択をしたと確信している。

監査役会のフィリップ・ホルツァー会長は、クレーシェを「夢の候補者」と呼び、絶賛している。

マルクス・クレーシェとは一体どんな人物なのか?

現役時代~引退後

1996年にハノーファー地区のリックリンゲンからブレーメンに移籍し、98/99季にはU-19ブンデスリーガ優勝を果たした。

しかし、なかなかブレイクできず、2001年夏にパダボーンに移籍。

パダボーンではキャプテンとなり、2度の2部昇格(2005年、2009年)を経験。

13/14季に悲願の1部昇格を達成した後、現役を引退した。

クレーシェはパダボーンで13年間プレーしたレジェンドであり、クラブの最多出場記録を持っている(公式戦373試合出場)。

引退後、パダボーンのU-23チームの監督に就任すると、1シーズンで6部から5部に昇格させた。

2015年7月からはレヴァークーゼンの指揮官に就任したロジャー・シュミット監督の下で、アシスタントコーチを務めた(2017年3月にロジャー シュミットとともに解任された)。

2017年3月にパダボーンに戻って、スポーツディレクターに就任。

16/17季は3部で18位となり本来ならばレギオナルリーガ(4部相当)に降格となるはずだった。

だが、1860ミュンヘンが3部でのプレーに必要なライセンス費用の支払いを拒否したため、レギオナルリーガへ強制降格の処分となり、パダボーンが3部に残留することになった。

クレーシェは、「1860ミュンヘンがライセンスを取得していたら、(パダボーンは)破産を宣言しなければならなかっただろう」と振り返っている。

低予算ながら、スポーツディレクターとしてパダボーンを3部からブンデス1部昇格にまで導いた手腕が評価され、2019年夏にライプツィヒのスポーツディレクターとして引き抜かれた。

行動力

クレーシェは現役時代に並行して経営学を学び、学士号を取得した。

卒業論文のタイトルは「キャリア後のプロサッカー選手の財政状況 - 400人のプロサッカー選手の経験的調査」だった。

それと同時に、クレーシェは自動車リース会社(Makro Leasing)を設立し(現在は妻が経営している)、“自動車ディーラー”としてのセカンドキャリアもスタート。

あらゆる種類の自動車、特にトップブランドを扱い、チームメイトに高級車を提供していたという。

クレーシェは、ドイツ国内だけでなく、大きなネットワークを築いている。

ライプツィヒで仕事を始めてすぐに、海外のトップクラブやトップコンサルティング会社とのつながりを強めていった。

人間性

クレーシェは非常に家庭的で実直な人物だ。

魅力的でスマートな彼は、熱意と意欲を人に伝えることができる。

彼にとって3つの資質、すなわち、「楽しさ、勇気、信念」が非常に重要だ。

クレーシェは寛大な心を持っており、親戚が事故で亡くなった時、彼は親戚の子供たちを引き取った。

興味深いことに、彼は現役キャリアの終えて以来、ほとんどスポーツをしていない。

前任のフレディ・ボビッチのように、川沿いをジョギングしている姿はほとんど見られない。

プライベート

クレーシェは結婚しており、妻のヴィクトリアさんとの間に2人の娘(12歳と9歳)がいる。

さらに、犬(クレーシェは散歩中にリラックスしている)と馬を飼っている。

パダボーンが故郷だが、クレーシェはフランクフルトでアパートを探すつもりだ。

ライプツィヒの時もそうしていた。

コロナ時代には、クレーシェがホームスクーリングの世話もしている。

フランクフルトで求められること

フランクフルトのマネージャーとして、クレーシェが最初にやるべき最も重要な仕事は、新監督との契約だ。

現在、ヴォルフスブルクのオリヴァー・グラスナー監督が有力視されている。

その後は、チームを編成することが求められる。

コロナの影響もあり、フランクフルトがチャンピオンズリーグに出場した場合にのみ、新戦力獲得のための資金が得られることをクレーシェは理解している。

あるいは、アンドレ・シルバのようなスター選手が売られた場合に限る。

しかし、クレーシェはこのような状況をすでにパダボーンで経験している。

クレーシェは小さなチームを成功したチームへと変えることができることを証明した。

ホルツァー会長は、「マルクス・クレーシェは、2部リーグの少ない予算でパダボーンをブンデスリーガに導き、チームの市場価値を400%という驚異的な数字にまで増やした」と語っている。

クレーシェ新マネージャーの目標は、フランクフルトをリーグのトップ10に定着させ、定期的に国際大会に出場させることだ。


参照:5月2日、Bild

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