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シャルケのDFBポカール1回戦が中止になった理由

DFBポカール1回戦のシュヴァインフルト(4部)対シャルケ戦は日曜日(13日)に行われる予定だったが、キックオフの48時間前に急遽中止となった。

ミュンヘン地方裁判所は金曜日(11日)、「バイエルン州サッカー連盟(BFV)はシュヴァインフルトのDFBポカール出場を取り消し、代わりに3部のテュルクギュジュ・ミュンヘンを出場させる必要がある。そしてドイツサッカー連盟(DFB)はこれを許可する義務がある」という判決を下した。

シャルケのスポーツ部門責任者を務めるヨッヘン・シュナイダー氏は、「日曜日に予定されていたDFBポカールが中止になったことは非常に腹立たしい。ミュンヘン地方裁判所の見解では、テュルクギュジュ・ミュンヘンがDFBポカールへの正当な出場チームであるならば、我々はこの決定を尊重し、テュルクギュジュ・ミュンヘンとの試合を楽しみにしている。もちろん、最終的にシュヴァインフルトと対戦することになっても同様だ」とコメント。
「しかし、最終的には、何週間も何ヶ月もDFBポカールの正当な出場チームを決定することができなかったBFVのアプローチには首を傾げるしかない」と語っている。

今回の騒動の背景には、コロナ危機により地域リーグであるレギオナルリーガ・バイエルン(4部相当)が3月で中断となった後、DFBポカール1回戦にどのチームが出場できるか不透明になっていたことが原因にある。

長年にわたり、“最高のアマチュアチーム”として、レギオナルリーガ・バイエルンの1位チームにDFBポカール出場権を与えることが、BFVの慣例となっている。

しかし、19/20季のレギオナルリーガ・バイエルンは、コロナ危機の影響で3月から中断。
3月の中断時点では、テュルクギュジュ・ミュンヘンがシュヴァインフルトに勝ち点9ポイント差をつけて首位に立っていた。

その後、BFVは19/20シーズンのレギオナルリーガ・バイエルンを2020年9月より再開することを決断したが、6月末にBFVはテュルクギュジュ・ミュンヘンの3部昇格を宣言。
これにより、テュルクギュジュ・ミュンヘンの残りの試合はキャンセルされ、地域リーグの順位表からも外されることとなった。

その結果、BFVの見解では、中断前は2位だったがテュルクギュジュ・ミュンヘンの3部昇格により首位となったシュヴァインフルトが“最高のアマチュアチーム”という評価であり、シュヴァインフルトにDFBポカール出場権を与えたのである。

これに対し、テュルクギュジュ・ミュンヘンは不満を訴え、法的措置を取っていた。
そして今回、ミュンヘン地方裁判所はBFVの決定を違法と見なし、テュルクギュジュ・ミュンヘンにDFBポカール出場権を与えるよう命令を下したのである。

ただし今回の判決は最終決定ではなく、BFVは今回の判決に対して行動を起こすと発表している。

なお、テュルクギュジュ・ミュンヘンとシャルケの試合は10月初旬の代表ウィーク中に行われる可能性があるようだ。
その時にどこの会場で行われるのかは不明となっている。
テュルクギュジュ・ミュンヘンは自前のスタジアムを持っていない。
シュヴァインフルトの場合は、シャルケとホーム開催権を交換することで合意しており、試合はゲルゼンキルヘンで観客300人を入れて行う予定となっていた。

※DFBポカールの1回戦と2回戦では、下位リーグのクラブにホーム開催権が自動的に与えられる。
※しかし、コロナ危機によるリーグ戦中断などの煽りを受け、DFBポカールの予選がギリギリまで行われていた関係で準備期間が短いうえに、開催にあたっての衛生面での規則が非常に厳しいため、多くのアマチュアクラブがホーム開催権の交換を申請し、ホーム開催権を放棄している。



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