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ドルトムントとライプツィヒの未来

21/22年シーズン、ドルトムントとライプツィヒは再びバイエルンを追いかけることになる。

そして、そのために新しい監督を招聘した。
マルコ・ローゼ(←ボルシアMG)とジェシー・マーシュ(←ザルツブルク)だ。

『シュポルトビルト』が、追いかける2チームを分析している。

監督

ライプツィヒ

マーシュはザルツブルクからライプツィヒへのレッドブルグループ内での移籍となった。

ライプツィヒにとって、この監督交代は完全な変革を意味する。

マーシュは、極端なまでのハイプレス、素早い切り替え、ハイテンポといったライプツィヒの典型的なサッカーを支持している。

ナーゲルスマン監督の時は、ポゼッションを重視していた。

ポジティブな点は、マーシュはすでに多くの選手を知っていることだ(ソボスライ、ファン ヒチャン、アダムス)。

一方、リスクは、ライプツィヒのチームが持つスター性と、欧州最高レベルで3大会を戦う負担は、マーシュにとって新しいものだ。

【結論】
マーシュはオーストリアでは成功したが、ブンデスリーガで監督として指揮した経験はない。

ドルトムント

ローゼは、ドルトムントが再び頂点を目指し、才能豊かなチームが最終的に安定したパフォーマンスを発揮するようにしなければならない。

より多くの動き、より速い切り替え、より魅力的で攻撃的なプレーを目指す。

ローゼはタイトルを獲得する方法を知っており、17/18季にザルツブルクでリーグ優勝を果たし、18/19季には国内二冠を達成。

これこそが、ヴァツケCEOをはじめとするドルトムント上層部がローゼに期待していることだ。

興味深いのは、テルジッチという、失敗した時にいつでも引き継ぐことができるアシスタントコーチがいることだ。

【結論】
ローゼはドルトムントにぴったりで、そこで一時代を築くことができる。

チーム

ライプツィヒ

ウパメカノ(今夏4250万ユーロでバイエルンに移籍)を失ったものの、クラブ上層部はチームの状態は良いと見ている。

来季に向けて、ブライアン・ブロビー(19歳)、ヨシュコ・グバルディオル(19歳)、モアメド・シマカン(20歳)という3人のトップタレントをすでに獲得している。

長期離脱から復帰したソボスライとライマーも、さらなる新戦力として期待されている。

ただ、ストライカーはまだ足りない。

ライプツィヒはカライジッチ(シュトゥットガルト)とパトソン ダカ(ザルツブルク)に関心を示している。

【結論】
良いチームだが、痛みを伴う主力の退団とゴールスコアラーの欠落が心配。

ドルトムント

特に攻撃面はトップクラスで、ホーラン、サンチョ、ロイス、レイナが揃っている。

ドルトムント上層部がファンに「ホーランは残る!」と約束している。

だが、サンチョの場合は事情が違う。

もし、今夏に8500万~9000万ユーロ(1億ユーロとの報道もあり)のオファーをするクラブが現れれば、サンチョは移籍することができる。

また、守備面にも問題がある。

守備の要であるフンメルス以外に、常に優秀なセンターバックがいない。
アカンジはパフォーマンスにムラがあり、ザガドゥは怪我を繰り返しているため、補強が必要だ。

ムニエが不調で、若手のマテウ モレイが右膝の重傷で少なくとも半年は離脱すると見られているため、現在はベテランのピシュチェクに頼らざるを得ない状況となっている。

【結論】
ドルトムントは早急に守備を強化する必要がある。
ただし、レギュラークラスの人材は揃っている。

財務状況

ライプツィヒ

ライプツィヒは、コロナ危機の影響で今季は6000万ユーロの収入減を見込んでいる。

だが、9000万ユーロの人件費を削減する必要はない。

すでにナーゲルスマン監督とウパメカノ(共にバイエルンに移籍)、ボルフ(メンヘングラートバッハに完全移籍)の退団が決定している。

つまり、移籍金収入があるということだが、その使い道もすでに決まっている。

ソボスライ(2200万ユーロ)、アンヘリーニョとグバルディオル(各1800万ユーロ)、シマカンとヘンリヒス(各1500万ユーロ)。

【結論】
多くの移籍金収入がある。
だが、ホーラン争奪戦ではライプツィヒがまだ財政的に競争できないことを示した。

ドルトムント

コロナの影響により、ドルトムントは今季7500万ユーロの赤字を見込んでいる。

ホームゲーム1試合あたりでは、約400万ユーロの収入減となっている。

11月に行われた株主総会では、92%の賛成多数で増資の可能性への道を切り開いた。

ドルトムントの今季の人件費予算は約1億5000万ユーロとなっている。

【結論】
ドルトムントは非常に良好な財務状況にある。
しかしコロナ時代では、「才能ある選手を高額な移籍金で売却する」という移籍モデルが必ずしもうまくいかないことを示している。

リーダーシップ

ライプツィヒ

マルクス・クレーシェSDに退任は、ナーゲルスマン監督の退任よりも驚きだった。

しかし、ミンツラフCEOとクレーシェ&ナーゲルスマンのコンビの間には常に摩擦があった。

ナーゲルスマンとクレーシェが去ったことで、クラブ内はより平和になるはずだ。

ミンツラフCEOはさらに力をつけており、新しいスポーツディレクターが主導の移籍問題にも影響力を持つ可能性がある。

ミンツラフCEOは、スポーツ部門のマネジメントにおけるトリオ構造を継続するはずだ。

新しいスポーツディレクターに加えて、テクニカルディレクターのクリストファー・ヴィベルとスポーツコマーシャルディレクターのフロリアン・ショルツの3人だ。

【結論】
ミンツラフはクラブをさらに発展させ、構造を強化し、明確な決断を下した。

ドルトムント

ツォルクSDは来季、ドルトムントでの最後のシーズンを迎える。

ツォルクはドルトムントのスポーツディレクターを24年間務めた後、2022年夏に引退する予定だ。

その後は、現在プロ選手部門責任者を包めるゼバスティアン・ケールがポストを引き継ぐと見られている。

スポーツディレクターは退任するものの、ドルトムント上層部のマネジメントは継続性を重視している。

ヴァツケCEOは2025年12月31日まで契約を3年延長したばかりだ。

ひとつ確かなことは、バツケCEOが指揮を執る限り、マティアス・ザマーは外部アドバイザーとしてドルトムント経営陣に残るということだ。

【結論】
ヴァツケCEO体制は引き続き継続。
ツォルクSDは2022年夏に退任。後任は簡単ではない。

全体のまとめ

ライプツィヒ

ライプツィヒは依然としてタイトルに飢えているが、巨大なモデルチェンジに対処しなければならない。

とりわけ、新監督の考えや一部変更されたチームが適応するには時間が必要だ。

ライプツィヒは新たなスタートを切らなければならず、短期的にはリーグ戦におけるバイエルンの主要なライバルにはなり得ない。

ドルトムント

ローゼ招聘に成功し、ドルトムントは不安定な監督ではなく、夢の監督を手に入れた。

ローゼ新監督がチームの能力を最大限に引き出し、ホーランとサンチョがもう1年ドルトムントに残るのであれば、ドルトムントはタイトルを争うことになるだろう。

だが、バイエルンを倒すためには、ドルトムントは完璧なシーズンを送る必要がある。

参照:5月5日、AS


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