見出し画像

ホーランを巡る移籍騒動       ~ライオラが動く~

ドルトムントに所属するノルウェー代表FWアーリン・ホーランはビッグクラブ移籍の噂が絶えない。

そして今週、ミノ・ライオラ代理人と父親のアルフ・インゲ・ホーラン氏がヨーロッパツアーを行ったことで、ホーラン移籍の噂が過熱している。

バルセロナ訪問

木曜日(1日)の午前9時30分、バルセロナ=エル・プラット空港のプライベートフライト用のターミナルに、ホーラン父親とライオラ代理人が到着した。

ホーランは、バルセロナの最大のターゲットであると言われているため、ホーラン父親とライオラ代理人がバルセロナを訪れたことは、まさに大スクープである。

バルセロナのジョアン・ラポルタ新会長が準備した別々の黒いリムジンにそれぞれ乗り込んだとあれば、なおさらだ。

『ムンド・デポルティーボ』の情報によれば、今回ライオラ代理人とホーラン父親がバルセロナを訪れた目的は、ホーランとの契約に興味を持っているバルセロナとファーストコンタクトを取るため、ラポルタ新会長に会うことだったと見られている。

『ビルト』の情報によると、ホーラン側は現在、ドルトムントが万が一、来季のCL出場権を逃した場合に備えて、今夏のあらゆる移籍の可能性や候補をチェックしているとのこと。

バルセロナは、ホーランに興味を持っている数多くのトップクラブのひとつだ。

ルイス・スアレスの退団以来、空席となった「9番」のポジションを補強することが、バルセロナの最優先事項となっており、ホーランはメインターゲットとなっている。

問題は、レアル・マドリード、マンチェスター・C、マンチェスター・U、チェルシーなど、ヨーロッパのビッグクラブもホーランに興味を示していることだ。

また、これまでのところ、どちらかというとバルセロナはホーラン争奪戦において、アウトサイダーと考えられてきた。

なぜなら、現在バルセロナは巨額の負債を抱えており、このような大型移籍を実現するための資金がほとんどないからだ。

この点において、マンチェスター・Cとは大きく異なっている。

しかし、ライオラ代理人とラポルタ新会長は親密な関係だと考えられている。

また、就任して数週間しか経っていないラポルタ新会長は、立候補時にファンに『爆弾』をプレゼントすると約束していた。

マドリード訪問

そして、『ムンド・デポルティーボ』の情報によれば、両者は木曜日(1日)の午後にはマドリードに飛び、レアル・マドリードの代表者とも面会したとのこと。

レアル・マドリードがホーランを補強リストに入れているのは明らかだ。

レアル・マドリードはバルセロナに比べて財政状況はそれほど難しくないと見られている。

ドルトムントのハンス=ヨアヒム・ヴァツケCEOが、レアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長と非常に良好な関係を築いていることも、レアル・マドリード移籍が濃厚とされている理由の1つとなっている。

また、経験豊富なストライカーであるベンゼマとのトレードの噂も挙がっている。

だが、ベンゼマが本当にドルトムントでキャリアを終えたいと思っているかどうかには非常に疑問が残る。

レアル・マドリードのジネディーヌ・ジダン監督は、ホーラン移籍の噂に関して、「彼は私の選手ではない。外で起こっているすべてのことに関して、私は触れないし、良いとも悪いとも言わない。私と我々は、次の試合にしか興味がない」とコメントしている。

ロンドンでプレミア4クラブと会談

ライオラ代理人とホーラン父親が会談するのは、バルセロナとレアル・マドリードだけではないようだ。

ライオラ代理人はホーラン獲得を望むクラブを評価するため、可能な限りの情報を集めることを望んでいる。

ライオラ代理人とホーラン父親は、ホーランに対する興味の度合いや様々なオファーを知るために、関心を持つクラブと会談を行っており、その情報をドルトムント側に伝えるつもりだ。

『ムンド・デポルティーボ』の情報によると、ライオラ代理人とホーラン父親のヨーロッパツアーはまだ続いており、金曜日(2日)にはロンドンに移動し、マンチェスター・C、マンチェスター・U、チェルシー、リヴァプールというプレミアリーグの4クラブの代表者と会う予定であるという。

マンチェスター・C

マンチェスター・Cではトップストライカーのセルヒオ・アグエロの今季での退団が発表された。

米『The Athletic』が報じたところによると、マンチェスター・Cはホーラン獲得計画を本格的に始動した模様で、2000〜2003年まで同クラブでプレーした父親アルフ・インゲ・ホーラン氏にすでに接触したと言われている。

さらにクラブ上層部からもホーラン獲得にゴーサインが出ているという。

しかし、アグエロを失うことになったが、ペップ・グアルディオラ監督は、ホーランのような同等のストライカーの獲得を考えていないという。

グアルディオラ監督は土曜日に行われるプレミアリーグのレスター戦の前日会見で、このカテゴリーの移籍は経済的な理由から「不可能」だと語った。

「現在、この市場価格のストライカーを買う余裕は我々にはない。どういったことが起こりうるかは知る由もないことだが、現段階においては来季に向けて、ストライカーを買わない可能性のほうがむしろ高い」とコメントしている。

マンチェスター・U

マンチェスター・Uのオーレ・グンナー・スールシャール監督は、同胞であるホーランを完全に理解しており、最大のサポーターであると考えている。

2017年2月にブリンからモルデにホーランを引き抜いたのもスールシャール監督だ。

2020年の冬、ホーランとライオラ代理人がドルトムント移籍を選択したことに、スールシャール監督は大きなショックを受けたと言われている。

もし、マンチェスター・Uが2022年までにホーランを獲得したいのであれば、少なくとも1億5000万ユーロが必要になるだろう。

そのため、マンチェスター・Uがホーラン獲得に再び動くのは難しいと見られている。

チェルシー

元ドルトムント指揮官のトーマス・トゥヘル監督は来季に向けて、オーナーであるロマン・アブラモヴィッチ氏から「少なくとも1人のビッグネーム(大型移籍)獲得を認める」と約束されているという。

トゥヘル監督がホーランを欲しがっていても不思議ではない。

チェルシーは巨額の移籍金を提示しているとも言われており、さらにティモ・ヴェルナーの譲渡を交渉に組み込む準備もあるようだ。

しかし、トゥヘルは上層部との関係悪化によってドルトムントを去っており、ドルトムント上層部がそのトゥヘルのいるチェルシーにホーランを移籍させるとは非常に考えにくい。

さらに、チェルシーはヴェルナーと2025年まで契約を結んでいる。

トゥヘル監督は、今回のホーランの移籍騒動について、「ドルトムントに敬意を表して、それには答えない。この選手のための大きな移籍レースが外部で作られているかのようだ」と語っている。

ホーランの移籍金は1億8000万ユーロ

ドルトムントは強固な姿勢を保ち続けている。

ドルトムントはCL出場権を逃したとしても、ホーランを引き留めたいと考えている。

ホーランとドルトムントの契約は2024年6月までとなっており、7500万ユーロの契約解除条項(一部では1億ユーロとも報じられている)が有効となるのは2022年夏からだと言われている。

米『ESPN』が報じたところによると、ドルトムントは今夏にホーランを売却する場合の移籍金を1億8000万ユーロに設定したようだ。

『シュポルトビルト』の情報によれば、交渉に応じるのは最低でも1億5000万ユーロからだと言われている。

ドルトムントがホーランの移籍金を1億8000万ユーロに設定したことで、ホーランを狙う欧州トップクラブ今夏の獲得が難しくなるかもしれない。

ドルトムントはホーランに「移籍禁止令」を出す

さらに、『WAZ』が報じたところによれば、ドルトムントはホーランに対して今夏の「移籍禁止令」を出したようだ。

そして、ライオラ代理人はドルトムントの決定を受け入れたと言われている。

ドルトムントのミヒャエル・ツォルクSDは、『sky』に対して、「昨日、ライオラと話をした。我々の意思を明確にした」とコメント。

「私はこの件に関して完全にリラックスしている。もし2人が地中海で日光浴をしたいなら、それは全く問題ない」と語っている。

ホーランの契約解除条項

2020年1月、複数のビッグクラブとの争奪戦の末、2000万ユーロでザルツブルクからホーランを獲得したドルトムント。

ホーランとは2024年6月までの契約を結んだが、同選手がこの契約を全うする可能性は低いと見られている。

『シュポルト・ビルト』の情報によると、ホーラン本人が望み、ドルトムントとの契約には2022年夏から有効となる契約解除違約条項を盛り込んだと言われている。

元プロサッカー選手でホーランの父親であるアルフ・インゲ・ホーラン氏と代理人のミノ ライオラ氏はともにホーランの次のステップアップを考えており、5000万ユーロ以下の契約解除金を設定したがったようだ。

しかし、これはさすがにドルトムントにとっては少なすぎるため、最終的には7500万ユーロで両者は合意に至ったようだ(一部メディアでは1億ユーロと報じられている)。

これが意味するところは、ドルトムントはホーランを連れてくるために、自らの移籍ポリシーに反し、数年ぶりに契約解除条項を盛り込むことを受け入れなければならなかったということだ。

ここ数年間、ドルトムントが選手獲得において、契約解除条項を含んだことは一度もなかった。

ドルトムントはかつてこの契約解除条項により、トップタレントを引き抜かれた過去があり、これは2度と起こるべきではないとされていたからだ。

2011年夏にはヌリ・シャヒンが契約解除金1000万ユーロでレアル・マドリードに移籍。

2013年夏にはマリオ・ゲッツェが契約解除金3700万ユーロでバイエルンに移籍した。

これを受けて、ヴァツケCEOは2013年、「将来ドルトムントでは契約解除条項は定めない」と語っていた。

しかし、ホーランはその転換期となるようだ。

契約解除条項がなければ、チェルシーとマンチェスター・Uを相手に争奪戦で勝つことはできなかっただろう。

ただし、この契約解除条項の存在は、欧州のビッグクラブに対して重要なシグナルを送ることとなった。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?