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スライドのコンテンツをしゃべらよう

スライドのコンテンツを見る気にさせたい

みなさま,業務においてPowerPointのファイルをどこかに upload しておくことで,「これみといてね」っていう状況があるかとおもいますが,多くの場合,見られませんよね.そこでPowerPoint等のスライドにあるセリフを書き込むところ,あれをしゃべらせることで,スライドおくだけよりも見られるコンテンツをつくりたいなとおもってやってみました.2010以降のOfficeであれば標準で「音声読み上げ機能」があり,これを利用した方式がこちらで紹介されています.わたしも当初こちらを利用しようと考えていたのですが,音声を選んで読み上げさせて録音するという手間を1ページずつ行う手間を考え,他の方法がないか探しました.読み上げで検索するとテキストーク,Softalk,ゆっくり棒読みトークなど,現在はさまざまなソフトやサービスがあります.そのなかでもVOICEVOXは中品質を謳っていますが,かなりスムーズな音声生成が可能なのでこちらを利用しました.

スライドのノートを書き出すには,PowerPointの場合,配布資料の作成をすればスライドとともにノートをWordファイルにかきだしてくれます.これをコピーしてVOICEVOXにはりつけます.ヘルプにもありますが,VOICEVOXはちょっと癖があって,句読点の区切りなどによってはうまく読めなかったりします.また,アルファベットで記載された知らない単語だと一音一音読んでしまうので,片仮名に変更するなど,そのへんは発話させてみながら調整しましょう.ひととおり出来たら音声書き出しでまとめて書き出しましょう.

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こうしてできた音声ファイルは一文ずつにわかれているのでPowerPointにはりつけるのはめんどうです.そこでPremiereなどの動画編集ソフトを利用して,1スライドあたり1ファイルになるように連結して書き出しましょう.書き出したファイルを再度編集し,ピッチなどを変更してあげれば別人の声にできますね.Premiere がなかったら Audio Joiner などを利用してもよいかもしれません.

出来たファイルをPowerPointにはりつけていきましょう.はりつけたらアニメーションの設定から,音声ファイルの開始タイミングを「直前の動作と同時」にしましょう.こうすることで切り替わった瞬間に再生がはじまります.また,音声ファイルの長さを確認して,その長さが経過したらスライドが自動で次に移るようにします.画面切り替えタブで,画面切り替えのタイミングを「自動的に切り替え」にチェックして,音声ファイルの長さを入力してあげましょう.

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これで書き出し準備は完了です.あとはPowerPointのエクスポートから,「ビデオの作成」を選べば,作成した音声をしゃべりながら,設定したタイミングでスライドを移動してゆく自動スライドビデオの完成です.

追記: 字幕もつくってみよう

これで終わってもいいのですが,せっかく読み上げ文章があるので,これを字幕として設定しましょう.今回はSRT形式のファイルを作成します.必要なのは読み上げ用の文章と,読み上げ時間ですね.今回はスライドごとの音声ではなく,一文ずつの音声ファイルの長さが必要になります.しかも秒単位ではなく,ミリ秒単位での長さの把握が必要です.そこでいくつか方法があったのですが,手許にあっていちばん簡単だったのが ffmpeg.exe を利用した方法でしたので,こちらにしました.みなさんcygwinとかperlつかってますよね? つかってなかったら使えるようにし,ffmpeg をダウンロードしてどこかにおきましょう.今回はVOICEVOXの音声を収録したフォルダの上のフォルダに exe のみおいておきました.この状態で Cygwin から 音声ファイルのおいてあるフォルダで

$ perl -e 'while(<*.wav>){print $_.",";system("../ffmpeg.exe -i $_ 2>&1 | grep Duration");}' > list.csv
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と実行すれば,各ファイルの長さがミリ秒単位で記録されたcsvファイルができあがります.整形はめんどいのでコマンドラインではしていませんので,このファイルをひらいて Excel などで区切り文字などを駆使すれば分割できます.

これで必要な情報はそろいました.あとは SRT 形式のファイルを作成するだけですね.フォーマットにしたがって情報を並べていくだけなので,Excel や Google spreadsheet をつかってテキストを連結させましょう.例えば以下のスプレッドシートのC列に字幕,B列に長さを入力すると,G2セルに SRT ファイル用のテキストができあがります.これをコピペして SRT ファイルとして保存すればおしまいです.なお,コピペすると最初と最後にダブルクォートがはいるので,これは消してください.この作成用ファイルをご利用いただく場合は,ファイルを開いたらコピーを作成し,ご自身のファイルをいろいろいじってください.

同じ手順で英語字幕(簡易版)も簡単につくれますね.C列を Deepl など翻訳サイトで翻訳したものをペーストすれば英語字幕のできあがりです.あとは Youtube にあげて字幕追加したり,作成したファイルを mkvtoolnix をつかって字幕いり mkv ファイルにしたりすればよいですね.

さらに追記: VRMキャラクターにしゃべらせよう

最初のスクリーンショット,右下になんかいますね.実際にはこの子にしゃべらせています.これは,作成した動画を再生しながら Animaze でリップシンクした動画を録画し,これをあとでスライド動画と重ね合わせて作成しています.興味があったらどうぞ.

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