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『99-910』この夜空の色は僕だけのものだ

山手幹線から大阪方面へ。
かつて暮らしていた場所を歩いて通り過ぎる。
走馬灯のように消えていく世界。

スピッツの流れから、香りを頼りにコレクターズへ。コレクターズは僕にとって定番なのである。
96年辺りをおもいだす

尼崎を通り過ぎるまでに、
#ミルズレディオクラブ  を聴かねば。
彼らのPodcastが更新されていたので
尼崎の街をみながら聴くのを楽しみにしていた。
戦略的進学を目指す中学3年生だった前ちゃんと
おそらく2000年当たりで自宅にPCが来て以来の
転売ヤーだったけんちゃん。

彼らが中学生だった頃、
僕は大学生という名の夜の世界の人であった。
その頃そこには存在していなかったレイヤーを重ねて見ることができるのが、かつての未来、すなわち今を迎えた人間の特権だ。

同時に、過去の自分にはなかった「しっかりした豊かな学生生活の記憶」をもつ彼らにどこか羨ましさももつ。
それもまた、『今だからこそ』言えることかも。

大きめの川を越えて、尼崎を抜けたかと思ったら、当地はなかなか入り組んでいて、まだ尼崎市。その後、豊中市に入る。

この辺りとても川が多く橋が多い地域。
大阪市も豊中市も尼崎市も、重なるように、
入れ替わるように。

神崎川を越えるとわりともうすぐに十三だ。

急に随分と明るくなった気持ちにもなる、そんな紫がかった空。
でも見下ろした淀川の水は漆黒でもあるし。

中津から天六方面に抜けて、大川を越える。

空は、蒼くみえる。水面は白っぽい。

もう都島、野江内代、そして京橋はすぐである。

西宮から大阪市都島区へ。
やはり水辺が多いのだ。
かつて海だったんだろう土地に人は営みを移し、
たくさんの光を手に入れた。

今回、20キロほどゆっくりゆっくり歩いて思ったこと。

「この夜空の色は僕だけのものだ」

そして同時に、「かつての中学生や大学生の頃の自分に、教えてやりたいなー」とも思った。

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