太宰治『眉山』 ―戦後と女性―
1.はじめに
太宰治『眉山』を大学の講義で取り扱ったため、その内容について自身の感想とともにブログでまとめることにしました。
2.あらすじ 戦後間もない時代の新宿。小説家の端くれであった「僕」は、知り合いの姉が経営している「若松屋」の常連客で、後払いや寝泊まりの融通が利いたため、そこの2階に入り浸っていた。
そんな若松屋には女中「トシちゃん」という子がいた。彼女は幼少の頃から飯よりも小説が好きだったらしいが、「僕」が友人(画家や音楽家しかいない)を案内すると彼らをみ