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静寂を破る夢舞台

とんでもないものを見せつけられてしまった……
網膜が焼け焦げるほどの絢爛豪華なステージ
これぞ紅月、これが紅月と言わんばかりの力強く美しいパフォーマンス。
見終わった瞬間、目と鼻の奥が熱くなった。
いやぁ~〜天晴れ!!!!!!


原点回帰、百花繚乱

「金色千夜夢舞台」を聴いて真っ先に感じたことは、彼らのデビュー曲「百花繚乱、紅月夜」を踏襲した楽曲になっているということだ。
まず、曲のタイトル。漢字のみであることや語感もどことなく似ている。さらに、出だしの歌割りは颯馬くん→鬼龍くん→蓮巳くんと、百花繚乱と全く同じである。
まさに原点回帰。伝統を重んじる彼ららしさが存分に出た楽曲だ。

原点回帰という点でもう一つ特筆して挙げるとするならば、小道具を用いたパフォーマンスではないだろうか。
百花繚乱の時と同じく、彼らは今回も扇子を用いたパフォーマンスで魅せてくれた。
和傘や刀、これまでにも様々な小道具が彼らのステージに華を添えてきたが、やはり扇子でのパフォーマンスが彼らの十八番なのであろう。
懐から扇子を取り出す仕草、開いた扇子を一度閉じる仕草、再度パッと扇子を開く仕草…
全ての仕草が流れるように無駄がなく、パフォーマンスの一部として昇華されていた。細部にまで「魅せ方」を突き詰めた渾身のステージに鳥肌が立った。

火樹銀花、咲き乱れる大輪の花

サビに入ると同時にバックモニターに映し出される数百発もの花火。息を呑むほどに美しいこの花火の演出は「紅月いろは唄」のラストを彷彿とさせた。
満開に咲き乱れる花火が、会場に吹き上がる金色の紙吹雪と共に楽曲をより豪華に盛り立ててくれている。

華麗奔放、三者三様のパフォーマンス

とにかく、3人でステージに立てていることがこの上なく嬉しいということが存分に伝わってくるMVで、満漢全席をいただいたような満足感で心が満たされている。実際に満漢全席をいただいたことは無いが。
感想もそれに尽きるのではあるが、3人それぞれに焦点を当てた感想戦もしたためておこうと思う。

まず颯馬くん
颯馬くんはやはり身体の線がしなやかで所作の一つ一つに”流れ”を感じた。
特にAメロの自パートの歌い終わりに、両手を広げて身体を波うたせる仕草があまりにも綺麗で見惚れてしまった。
階段の昇降も含めた舞台移動も、一本線が通っている足捌きでとにかく動きに無駄がない。
そして、尊敬する2人の先輩と一緒に歌い踊ることを心から喜んでいる様子が端々の表情から見てとれた。圧倒的光属性の颯馬くんが嬉しそうにしているのを見ると、自然と笑みが溢れてしまうよ。

本当に楽しそう

続いて鬼龍くん。
力強いパフォーマンスは今回も健在であった。動きにメリハリがあり、一つ一つの振りも一歩の歩幅も大きくその益荒男ぶりには「華」があった。見栄を切らせたら宇宙一!!!!!

漢気!!!!!!

身長は3人の中で一番高いが、重心が一番低いのでユニット全体のパフォーマンスがより安定して見える。「斬ー決意ノ刃ー」や「祭夜絵巻」然り、腰を落とした時に誰よりも低く沈む様が堪らない。

自ら扇子で観客を煽りながら、夢舞台を全身で楽しんでいる姿を見たら泣けてきてしまうなぁ。

本当に楽しそう

そして蓮巳くん。
「流」の颯馬くん、「動」の鬼龍くんとするならば、蓮巳くんは「静」であろう。
両脇で縦横無尽に動き回る颯馬くんと鬼龍くんとは対照的に、中央でどっしり構える姿は、まさに紅月の首魁
一貫して「静」かと思ったが、間奏では身体を大きく翻し、画面が揺れるほど力強く着地するパフォーマンスを披露してくれた。誰よりも動きのメリハリを意識しているのだろう。

ドンっ!!


印象的だったのは、やはり投げキッス。蓮巳くんらしからぬパフォーマンスに感じたが、ここはファンサービスというよりも歌詞に沿っただけなのかもしれない。百花繚乱でも音色に耳を澄ましていたので。

…満更でもない顔をしているのでただのファンサかもしれない

デッドマンズのパフォーマンスでは終始苦しそうな表情を浮かべていた分、「金色千夜夢舞台」で沢山明るい表情が見られて嬉しかった。「紅月」であることに喜びと誇りを感じている様子がひしひしと伝わってきたよ。

本当に楽しそう

ここからは余談ではあるが、映像技術の向上という面からも感動した点があったので続けて感想戦を。
まず、3人の体格差が出ていたこと。鬼龍くんの腕周りが太くがっしりとしていて何と逞しいことか…!

もう一つは、着物の袖が腕の振りに合わせて捲られていたこと。
3人の振りに合わせてはためき、また四方八方から降り注ぐ照明に照らされることで、鬼龍くん謹製の衣装が映えること映えること!

3Dモデルについて明るくないため月並みなことしか言えないが、体格差を出すことや衣装の裾/袖を身体の動きと同期させることはかなり難しいことなのだと思う。
それでも時間と手間をかけて、より一人ひとりを舞台に生きるアイドルとしてアニメーションに落とし込んで頂いたのだと思うと、ハピエレ様には足を向けて寝られない。

クライベに想いを馳せて

蓮巳敬人が率いる和風ユニット。ファンサービスは控えめで、真面目な気質のため、メディアの露出では情報番組のコメンテーターやラジオ番組のパーソナリティー、ドラマや映画など文化的な仕事が中心的。テーマカラーは赤。

ーあんさんぶるスターズ!!公式サイト ユニット紹介ページ「紅月」より

公式からも明記されているように、紅月はステージ上で大胆なファンサービスはしない。和を基調とするユニットであるためアップテンポなダンスチューンとも縁遠い。
また3人とも普段から感情をあまり表に出す性格ではないので、「喜」や「楽」の感情が相手に伝わりづらい印象を受ける。
そのため、パフォーマンス中に口を大きく開けて笑ったり、気持ちが高揚して思わず飛び跳ねたりということもあまり見られない。
しかし、今回の「金色千夜夢舞台」ではどうだろう。彼らは今まで私が見たことないそれはそれは楽しそうな表情で舞台上に立っていた。
私が知らない、見たことがないだけでライブでの彼らは元からああだったのかもしれないし、来たるクライマックスイベントを経て彼らの中で何かが弾けたのかもしれない。

「ほんものの”アイドル”になる」ー 彼らのその道のりに、いちプロデューサとして寄り添い、顛末を見届けられることがますます楽しみです!


アイコンタクト最高です


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