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紅月とTRIP! 御室八十八ヶ所霊場を巡る

「そうだ、京都行こう。」
言わずと知れたこのフレーズを、まさか口にすることがあろうとは。

アルバムシリーズ『TRIP』発売記念として実施されたコラボ企画。
各ユニットが続々と、全国津々浦々の施設とのコラボが決まる中、「紅月」はどこだろうと胸を躍らせながらお知らせを待っていたところ……

開催地が京都であることに納得したのも束の間、世界遺産である仁和寺とのコラボとは。コンテンツの大きさをひしと感じ身震いした。

ということで、2024年5月25日。京都、仁和寺へ行ってきた。
「紅月」と仁和寺、双方へのリスペクトを肌で感じるたいへん素敵なコラボだったので、その想ひ出を綴ろうと思う。
付き合ってくれた友人(三毛縞P)への感謝も添えて。


貰って押して コラボ特典

朝9時半。仁和寺に到着し受付を済ませて境内へ。至る所に特製の看板が設置されていて、コラボのありがたみを実感する。

受付では、特典としてオリジナルカードがもらえる。絵柄は全3種類あり、事前予約をすると好きな絵柄を選べるとのこと。どの絵柄も魅力的だったが、『金色千夜夢舞台』のMVステージを彷彿とさせる「中門ver.」を選んだ。

境内奥の金堂に向かって進んでいくと、「御室八十八ヶ所霊場結願御朱印」の受付所が見えてきた。ここにはオリジナルスタンプが設置されており、コラボに参加した証として押すことができる。
御朱印帳を購入してそこに押すことも考えたが、せっかくだからとアルバムの歌詞カードに押させていただいた。善き哉善き哉。

登って参って 初めてのお遍路

コラボ内容は、御室八十八ヶ所霊場巡り。いわゆるお遍路だ。
仁和寺の裏手にある全長およそ3kmの参拝道を「紅月」の3人と巡るというものである。

体力に自信があるとはいえ、初夏の京都での山登り。無理して体調を崩しては、夜に控えるスタライ8thのライビュ参戦に支障が出てしまう。
それでも、京都くんだりまで行くのだからコラボを満喫したい…と熟考したあげく、88ヶ所全ての霊場を巡ることにした。嬢ちゃんは強欲だ。

前日から天気にも恵まれていたので、登りづらくなっている箇所もなさそうだった。
とはいえ、山を舐めてはいけないと最低限の装備で挑んだ。嬢ちゃんは本気だ。

山登りガチスタイル

訪れたのがまだ日が高くない午前中だったことや、時折、心地よい風も吹いたため気持ちよく山道を登ることができた。山々の新緑も目に優しい。

最高到達点である成就山の山頂(標高230m)からは京都市内が一望できた。

道中、ところどころルートが分岐している箇所や道順が分かりにくい箇所があった。
しかし、ルートから外れそうになる度に、前方を行くおじさんや別件で訪れていた撮影クルーらしき方々が正しい道順を教えてくれた。

特におじさんが教えてくれたルートは、傾斜の急な坂を登った先のお堂をお参りした後、そのお堂の脇にある細い抜け道を通るというもの。
初見では全く分からず、危うく素通りしてしまうところだった。人のやさしさに触れたことで、より足取りも軽くなった。

語って労って 3人のナレーション

今回のコラボで特に楽しみにしていたのが、3人のサインとコラボナレーションである。
ナレーションは1ヶ所目、6ヶ所目、88ヶ所目に設置されているQRコードを読み取ることで再生できる。

長尺でたっぷりと、3人からコラボへの意気込みやアルバムに込めた思い、さらには微笑ましいエピソードまでいろんな話を聞くことができた。

1ヶ所目

律儀に3人の自己紹介から始まったコラボナレーション。

世界遺産とのコラボは僥倖だと胸を躍らせる颯馬くんに、だからこそ仁和寺の魅力をしっかり伝えねばと気合いを入れる鬼龍くん。
そんな前向きな2人の様子を聞いて、私もしっかり予備知識を入れてくればよかったと後悔していると、間髪入れずに蓮巳くんの講義が始まる…
絵に描いたような展開に、思わず口元が緩んだ。

蓮巳くんによれば、江戸時代に四国への巡拝が困難だったため、四国88ヶ所の札所の砂を持ち帰り、88ヶ所のお堂を建てたのがこの霊場の始まりという。

四国から京都まで砂を持ち帰るだけでも、大変な労力だっただろう。
それにしても砂を持ち帰ってひとところに集めて、お遍路をしたことにするとは。当時の人々の、ひいては仏教徒の面倒なことは簡略化しようとする考え方は、現代にも通ずるところがあって面白い。

さらに仁和寺の歴史について言葉を続けようとする蓮巳くんを、すかさず鬼龍くんが制す。これまた絵に描いたような展開でなんとも微笑ましい。

鬼龍くんの軌道修正により話題はアルバムへ。表題曲『絲』には自分たちを支えてくれる人々との"縁(えにし)"を抱えて前に進んでいく、そんな想いを込めたと語ってくれた。

6ヶ所目

1ヶ所目〜6ヶ所目までの距離は短いが、ナレーションが思いの外ボリュームがあり、ナレーションを聴き終わらないうちに6ヶ所目に到達してしまった。ここで本来の目的は「山登り」ではなく「お参り」だと気づく。

まだまだ序盤だというのに、3人はしきりにこちらを気遣ってくれる。いや、序盤だからこそペース配分に気を配るよう念を押してくれた。有難い。

ここでの話題は、季節ごとに表情を変える参拝道の風景について。
秋の紅葉がオススメだと教えてくれた颯馬くんに続けて、鬼龍くんが「紅葉と言えば……」と蓮巳くんの実家のお寺(以下、蓮巳寺とする)に遊びに行ったエピソードを話してくれた。

唐突に自分の実家を引き合いに出されて困惑していた蓮巳くんだったが、かくいう私も、形も傾斜も不揃いな石段を登りながら、蓮巳寺に続く石段もこんな感じなのだろうかと思いを馳せていた。

88ヶ所目

1ヶ所目のお堂をお参りしてからおよそ2時間。ペースを保ちながら無事に88ヶ所すべてのお堂をお参りすることができた。達成感もひとしおである。

木陰のベンチに腰掛け、最後のナレーションに耳を傾ける。
開口一番、3人が口々にお遍路達成を労ってくれた。

平安時代に建立された仁和寺が、今日まで残っている。そんな歴史の尊さを噛み締める鬼龍くんの後を、颯馬くんが「残すといえば…」とうまく話題をつなげる。

最後の話題は、アルバムに収録されている3人のソロ曲について。
幼少期に感じた興奮、己を信じて選んだ道を切り開く決意、応援してくれる周囲の期待への返礼…
3人はそれぞれ「残したいもの」をテーマに歌ったと話してくれた。

ソロ曲含め、アルバムそのものが仁和寺のように、後世に残されることを切に願う。
コラボナレーションの締めくくりとして流れた『紅月いろは唄』は、今まで聴いた中で一番心に沁みた。

🪭🪭🪭

今回のコラボにおける参加費の一部は、お堂や参拝道の復興整備費用に充てられるとのこと。
確かに、参拝道に点在しているお堂の中には、柱が朽ちてしまっているものや半壊しているものがあった。
この霊場も仁和寺と同様に、後世に残していけるように。楽しい思い出が作れたお礼として、復興の一助となれば幸いである。

改めて、素敵なコラボを企画・実施してくださった全ての皆様に感謝をこめて。
本当にありがとうございました!!!

結願達成 ご紅郎さんでした!
踏破後の牛丼 格別においしかった



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