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かわいい・きれい・かっこいい

「3K」という言葉を聞いて、何を思い浮かべるだろうか。
過酷な労働環境を表すものや異性に求める条件、はたまた部屋の間取りかもしれない。

私はその中に、「かわいい・きれい・かっこいい」があっても良いと思う。

自問自答ファッションを突き詰めていく中で、己のこの問題に向き合うことは、ある種の通過儀礼とも言えようか。

ファッションにおける自身のコンセプトを決める前段階として、こちらの課題に取り組んでみた。


かわいい

本心であろうと社交辞令であろうと、他人に言われてもあまり嬉しくない。
それはきっと、「外見の可愛さ」は私の中であまり比重が重くないのだと思う。
149cm。低身長であることがコンプレックスだが、それゆえ枕詞には必ずといっていいほど「ちっちゃくて」とつく。
長身のクラスメイトからは「さがみちゃんのサイズって小ちゃくてちょうどいい!肘置きになる!」と褒められた。たいへん遺憾である。

なので、「かわいい=小さい」という方程式に自分を括りたくない。こんな風に他者視点でそう括られたくもない。

俺は小さい動物や可愛い生き物が好きだ。
何時間、何十時間と見ていても飽きない
おまえもそうだ。ひ弱で、小さくて可愛らしい

ーあんさんぶるスターズ!!Basic アイドルストーリー『乙狩アドニス「第三話」』より

アドニスくんの"守るべき小さきもの"の対象に自分が入っているのが本当に納得がいかない。
彼とは、肉を肴に筋肉について語らうマッスルメイトだと思っているので。

自分がときめく「かわいい」を考えると、アドニスくんのように確かに小動物が浮かぶ。
かといって、自分も小動物のような愛くるしさに強く憧れているわけではない。愛でられたくはない。
「守られるか弱さ」ではなく「明るく溌剌としたかわいさ」がいい。

では、他者から言われて嬉しい「かわいい」とは何だろうと考えると、「人目をひくアバンギャルディな存在感を放つこと」に対する評価だ。
KAWAIIもの。心に住まうギャルが「きゃわ〜♡」と脊髄反射で口に出てしまうようなもの。
そんな個性的でビビッドなかわいさを私は一番求めている。

きれい

思い返すと、他人から自分の外見に対して「きれい」と評されたことがあまりない。
身だしなみに無頓着というわけではなかったが、とりわけ気にしてもいなかったので当然なのかもしれない。

ただ、それを抜きにしても、外見を評価されることより内面に対する評価として「きれい」と言われる方が嬉しい。

「心がきれいだね」と言われたら、「聡明な考えを持っている」「他人を思いやることができる」「邪ではない純真無垢さ」を評価されているのだなと解釈する。

しかし改めて考えると、「きれい」という言葉に対して具体的なイメージが抱けなかった。
神秘的、幻想的、儚さ、清潔感ー浮かぶ言葉がすべて抽象的である。
どれも自分が強く持っていない要素だからこそ、そう感じるのかもしれない。

かっこいい

このワークに取り組む前から薄々勘づいてはいたが、これが言われて一番嬉しい言葉だ。見てくれに対しても。内面に対してもそう言われたい。
「かっこいい」という言葉に飢えている。

見てくれのかっこよさとは、「唯一無二で自分が好きなスタイルを貫き通す」ことだ。
ピアスが何個開いていたっていいし、スーツを着崩したっていい。
それが己のアイデンティティを表現するスタイルであるならば、輝いて見えるはずだ。
慣習や常識に捉われず、むしろそれに異を唱える反骨心を持ち合わせている人にかっこよさを感じるとともに、憧憬の念を抱く。

考え方のかっこよさとは、「過ぎたことをウジウジ引きずらず、時の流れに身を委ねる潔さを持ち合わせている」ことだ。

困難に出くわしたとき、あの時何をすればよかったかではなく、これから何をすべきかを考えられる。
前向きな考えになれる精神的な強さに「かっこよさ」を感じる。

この記事を書きながら、ロロノア・ゾロの言葉を反芻していた。
まさに私が求める「かっこいい」考え方がこれである。

災難ってモンはたたみかけるのが世の常だ
言い訳したらどなたか助けてくれんのか?

ーONE PIECE 50巻 第484話 “ぷに”より

己に降りかかる不条理を嘆き続けていても埒が開かない。
ピンチになった時のことは、その時になったら考えるとする潔さ。
諦めではなく、好奇を見出すために考えを割り切れる人になりたい。

私にとっての「3K」

「個(こ)、潔(けつ)、強(きょう)」ー
これが私にとってのファッションの3Kである。スッキリした〜!

「かわいい・きれい・かっこいい」のうち私の中で比重を占める要素は「かわいい」と「かっこいい」だ。

「かわいい」については、ふんわりとした柔らかい可愛さではなく「トゲトゲした、個性的で、少し毒々しい可愛さ」を身に纏いたい。
「かっこいい」についても個性的で唯一無二のスタイルを貫きたいと思うと同時に、「潔い考え方」も持ち合わせた人になりたい。

こんなにも「かっこよさ」に惹かれるのは何故なのだろう。
それは、かっこよさ=強さだと考えているからだと分かった。
ということは、私は強さに憧れているということではないか…!

「個性的なスタイルを貫き、潔い考え方ができる強い人になりたい」
コンセプト探しのとっかかりとしては十分な収穫ではなかろうか。

今度はこの「強さ」を深掘りしていこう。

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