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緊張も緩和理論と笑いの意味

 20/03/01 閏日が過ぎ3月に入ったこの頃、たまたま落語の資料館に行き非常に楽しんだ、落語家の桂枝雀は笑いの理論体系を行ったらしいがそれについて見て行きたい。


桂枝雀の笑い理論


・笑いとは       桂枝雀は笑いの階層構造を始めに考え下から「緊張の大緩和(悟りの笑い)」「喜びの笑い」「瞬間の笑い(我々がいつも言う笑い)」の3階層あると言った。1段目の「悟りの笑い」は全ての前提の笑いであり一生続く微笑みの様な悟りの笑いであり、イメージとしては菩薩像の表情の様な笑い。2段目の「喜びの笑い」は動物が狩猟に成功した時に脳内物質が出る様な動物の根源的な笑いであり、成功の前の緊張と成功した時に緩和により全ての人がこの笑いをする。3段目の「瞬間の笑い(笑い)」は人間だけがする笑いで落語や漫才などの全ての人工的な笑いはここに入り全て緊張と緩和から来ている。


・笑いの種類       桂枝雀は3段目の笑いを「知的な笑い『変』」、「情的な笑い『他人のちょっとした困り』」、「生理的な笑い『緊張の緩和』」、「社会的・道徳的な笑い『他人の忌み嫌うこと』」の4つに分類をした。「知的な笑い」は通常とは違うおかしい緊張状態である「変」を通常に戻すときに起きる笑いであり、変が過ぎると恐怖になる笑いである。「情的な笑い」は他人がちょっとした失敗や困りなどを見ると笑いが起こる事であり、自分と同等以上の人の不幸を見ると笑ってしまう優越理論などもここに入る。「生理的な笑い」これは赤ちゃんを笑わせる「いないないばあ」を例に取るといないいないの親しい人が居なくなる赤ちゃんにとって急激に緊張が出る状態からばあと現れて安心する緩和の状態で笑いが起こる理論であり、下ネタなどの抑圧された感情を一気に出す笑いなどもこれでありフロイトやスペンサーのほう開放理論(放出理論)もここに入る。「社会的な笑い」はその場所の社会やコミュニティにあるタブーの緊張状態を破り笑いを起こす事であり、他の3つと違いそのコミュニティでしか通じない。



岡田斗司夫の笑い理論


・笑いと攻撃       桂枝雀の笑い理論は物語のオチについての笑いもあるが人間の笑いの原理については大体上の内容に当たる。一方最近YouTube やニコニコなどで様々な解説を行う岡田斗司夫さんは動画で「笑いとは攻撃の裏返しだ」とよく語っており「お笑い芸人の笑いというのは、いじめの要素というのをいつでもかなり孕んでいる。なので、それを指摘されると、お笑い芸人さん達はみんな逆ギレするわけですね。」と更に続けて話している。


・笑いと歴史       岡田斗司夫さん曰く「たぶん、天国には笑いなんかなくて、微笑み程度しかないんです。逆に、地獄には笑いが溢れてると思うんですけど。」とも語りこれらは笑いの階層理論ともとれる。桂枝雀の笑い3階層の理論も進化の過程だと考えられ1段目は根源的に宇宙にあった笑い、2段目は物質が生物として進化した時の笑い、そして3段目は人間が攻撃の為に獲得した笑いと言える、情的な笑い」などはいじめや攻撃としての機能が顕著であり嫌な奴やダメな奴を笑ったりする「優越理論」や場合によってはコミュニティから排除されたものを笑う「社会的な笑い」なども人間の攻撃性の裏返しと考えられる。


https://note.com/otaking/n/n509cf3b756e2

 

 




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