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人の記憶と記号

人の記憶とは曖昧なものなのか?または明確なものなのか?

人間とはある程度都合が良く生きて行けるようになっている。
身体が震える程辛い思いをしようとも、時間が経つ事やそれらを補う何かが起こる事で、水が時間をかけて結晶化していくかの様に、少しづつ忘れる事が出来る。

では良い思い出はどうなのか?
辛い思い出よりも気持ちの中に存在する具合は浅い所にいるように感じる。
そう、楽しかった思い出よりも、辛い時の思い出の方が心に残りやすいのだと思う。
深い所に居るから。

では記号などの記憶はどうなのか?
昔は友達の電話番号など暗記をしてたものだが、今はほぼ覚えていない。
中学や、高校の時の同級生の名前まで一部顔と名前が一致せず忘れてしまっている。

今の彼は記憶の中で記号を忘れられない。

それは本当に記号なのか?それとも彼に起きた事としての記憶なのか、私にはわからない。

何がそんなにも深く記憶をし、名前を記号とまで言わしめているのだろう。

私の中でも多くの記憶が有るが、それはそれぞれの記憶で、今この現在の物ではない。
間違えるでも無く別の物。そして深い記憶も少ない。比較的幸せな人生を送ってきていると思うから。
母の死が1番奥深くに存在はしている。

私の彼よ、お願いだからその記号を早く忘れて下さい。又は氷の中に閉じ込めて下さい。
忘れなくとも私の前ではその記号を出さないでください。

もう本当に次はに無いんだよ。
私もあなたとの思い出が少しづつ氷の中に結晶化しはじめているから。
良い思い出の方が沢山有るので早く溶かして元に戻して下さい。

明日帰ります。




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