03_補強プラン作成の流れ(有名人の家)
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耐震補強プランを作成するまでの流れを記事にしましたのでご精読ください。
【1】ある有名人の家をサンプルとして説明します
下記は1990年築、埼玉県春日部市のある有名人の家です。
木造戸建て2階建てで、延床面積は96㎡、中古で購入されたそうです。
耐震診断の概要は下記の通り。
評点は0.75で、1階のY方向の評点が一番低いという結果でした。
ではこの物件の耐震補強プランを作成してみます。
【2】補強プランを作成する手順
木耐博士Nとマニュアルで説明をさせて頂きます。
マニュアルはSTEP6をご覧ください。
まず「現状タブ」を「プランコピー」します(補強案1~3のどれでも可)
次に、下記①~③の検討事項の順で考えましょう。
①劣化度
・劣化度は考え方が分かれまして、
A)構造的な劣化のほとんどが確認ができていれば、改修工事の際に該
当劣化部位を解消して劣化無しとする方法(上限0.9)
B)構造的な劣化の確認ができてないなら劣化をそのままで補強プランを
作成する
今回は目視非破壊の一般診断法で進めたという想定で、
B)の劣化改善なしで進めます。
②評点
次に評点から改善点や優先順位を決めていきます。
本物件のような評点だと2階より1階の耐震性が低く、1階のX方向よりY方向の耐震性が更に低いので1階Y方向を最優先で耐震性をあげましょう。
③偏心率
剛心と重心の位置関係からどの方向のどの壁を補強するか検討します。
Q)どの方向? → 剛心が台所方向にあるので反対側の居間方向
Q)どの壁? → ②の評点からY方向の壁で赤や黄色の一番弱い壁
で補強プランを作成していきましょう。
【3】実際の補強プランの作成手順と評点1.0プラン
では、上記①~③の検討事項をふまえ、
1階のY方向で補強壁3箇所を検討してみたところ、
評点が0.75から1.03まで上がりました。
検討順で説明すると、
A:居間側から手元施工型型MDFかべつよし真壁仕様
B:居間側から手元施工型型MDFかべつよし真壁仕様
Ⅽ:台所側から手元施工型型MDFかべつよし真壁仕様
マニュアルの記載では柱頭柱脚接合金物は
N値が2.8(柱頭2.8、柱脚3.0)までなら接合ランクⅠ
とできるので、A~Cの各柱のN値を確認し、すべて2.8以下だったので
ランクⅠとしました。
つぎに1階X方向の評点が0.9ですので、こちらの検討に移ります。
同じく剛心・重心が台所寄りなので、反対側で赤色のX方向の弱い壁を探し
玄関と階段の間仕切り壁にしました。
こちらもY方向と同様に
D:玄関側から手元施工型型MDFかべつよし真壁仕様
N値も確認し接合ランクⅠとしたら、評点がちょうど1.0でした。
剛心の位置も重心により近づいているため大地震でもバランスよく揺れることが予想され、これで1階の耐震補強プランは完成です。
次に同様の手順で2階も評点1.0を上回るプランを作成したら2枚の壁補強で対応できました。
E:洋室側から手元施工型型MDFかべつよし真壁仕様
F:洋室側から手元施工型型MDFかべつよし真壁仕様
ただ1階と異なり、出隅にあたるためN値が4.08となってしまうため
接合ランクをⅡに落としています。
剛心の位置も重心の枠(グレーの四角の中)に入っているため大地震でもバランスよく揺れることが予想され、2階の耐震補強プランも完成です。
A~Fまで合計6枚のMDFかべつよし真壁仕様で下記のとおり評点1.0を上回る耐震補強プランが完成しました。
詳しい解説は、オンラインセミナーや新サービスで改めて説明させて頂きます。
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