見出し画像

投資用不動産購入体験記

物件概要1

物件1:東横線各駅停車駅10分超 2,590万円 1DK、当初賃料107,000円(管理費11,000円、代行手数料5,350円(5%))、40㎡弱+バルコニー約5㎡、2007年1月新築にて購入、諸経費約100万円

初投資物件。この後法人を設立して一棟物をメインに投資することになるのだが、初めての時はやはり何もわかっておらず、大失敗と言えよう。もともと不動産投資に興味があり、こちらからとある不動産会社に電話してみた。最初に担当していただいた方は非常に朴訥とした方であまり営業っぽくはなかったが、後で出てきた上司の方はいかにもやり手という感じだった。とは言え、特に悪い印象をもったことはなく、いろいろとアドバイスをいただいて購入に至った。こちらが渋っていると値が下がってきたが、結局いくらで買ったか残念ながら覚えていない。当時はキャッシュに若干余裕があったので、リスクを減らすのと、債務を早めに減らすことを主眼にしたため、20年3.66%固定金利での借り入れを選択した。結局のちに借り換えることになるのだが、自己資金も700万円程度投入した。毎月の返済額は10,700円で家賃と同額に合わせた。20年で表面利回り5%なので当然キャッシュフローは完全にマイナスである。

当初は数年間10,700円の賃料が入ってきたが、そのうち新築プレミアムが剥げ落ち、徐々に家賃を下げ続け、14年後の売却時には93,000円まで賃料が下落。ただし、空きが出ても数か月で入居者が見つかることが多く、空室率は5%くらいだったと思う。やはり新築時の家賃設定が若干高めだった。当初新築時は売り出し価格に対して表面利回り5%、値引きして買っていた人は、5.5%くらいまで行っていたのかもしれない。

物件概要2

京浜東北線駅徒歩10分 1,500万円 1R、約20㎡+バルコニー約4㎡、2008年2月中古で購入、諸経費約70万円

2002年11月竣工のワンルームを5年落ちで1,500万円で購入。こちらは30年変動金利のフルローン。購入時家賃は79,000円。ただし、購入直後に退去され、その後半年間空室が続くこととなる。近隣の不動産屋にもかなりヒアリングをしたが、79,000円はあり得ないとのことで、早晩家賃が下がるのは必然だった。家賃を69,000円に下げようやく入居者を確保。かなり不安な立ち上がりとなったが、幸いその後は退去が出てもすぐに埋まることが多く、家賃も12年間落ちなかったが、2020年に67,000円に下げた。こちらは、家賃に比して管理費が13,000円と高く、自己資金ゼロでキャッシュフローはマイナス。これも普通に考えれば失敗投資例だろう。

その後2件とも借り換えによって収支を改善し、キャッシュフローを何とかプラスにし、収支も安定した。やはり不動産会社提携のノンバンクローンは金利が高い。これを何とか地方銀行等に変えていけば金利面では収支がかなり改善する。元利均等返済ではなく元金均等返済を選択し、残債削減を重視した。

物件売却

購入から10年を超えた2021年。ローンの固定期間終了間近になってきたのと、設備の償却期間も終わりに近づいたことから売却を決めた。

物件1は1,670万円で、2,590万円から920万円の下落、物件2は970万円なので1,500万円から530万円の下落だった。元本を減らすスピードを意識していたこともあり、残債は売却時点で合計約1,790万円。キャッシュとしては850万円が返ってきたが、手数料後で約780万円となる。700万円の自己資金を使って780万円の回収となった。

運用評価

10年以上保有してみてこの投資の成否を問われると、間違いなく失敗なのだが、赤字分が給与所得とある程度相殺できたので、見た目ほどは悲惨ではなかった。ただし、所得税、住民税還付がなければ大赤字だ。ローンの借り換え後は金利が下がったこともあり、ここ数年は税メリットはゼロになっていたので、売り時としてはこのくらいが良かったのだろうと思う。

この辺りは適用される税率によって異なるので何とも言えないが、給与等の収入が多いほどこの税メリットは大きくなる。ただし、おそらく所得税率が23%を下回るような場合にはうまくいかない。長期の入居者が退去した際にはリフォーム費用が50万円を超えた時もあり、その後数か月空室になり現金支出が100万円近くなってしまうこともあった。そう考えると、月々のキャッシュフローに余裕が少ない場合は、非常にリスクの高い投資と言える。

結論から言うと、やはり新築ワンルーム投資はよほど収入があって税金メリットがある方以外は避けた方が良いということになると思う。中古の場合も近隣の家賃相場、過去の空室率、設備の修繕状況等を詳しく見ておかないと痛い目に合う。地震保険、税金、管理費、修繕費等の出費もあるので、サラリーマンとしての収入が減った場合、急な出費がかさんだときに空室が続いたりすると、お金が回らなくなることは十分にあり得る。一方で、一棟物のアパートと比べると、ローンの期間が長くとれたり、減価償却費が大きかったり、税控除できる建物にかかる支払利息が大きいというメリットもある。つくづく不動産投資には税金が大きな要素になるということを実感した投資だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?