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未来を読む力が欲しい~エラー防止の思考手順⑥~

未来を読む力欲しいですか?
僕は当然欲しいです!!
まあ、皆欲しいと思いますけど(笑)

今はVUCA(Volatility:変動性・不安定さ、Uncertainty:不確実性・不確定さ、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性・不明確さの頭文字を取ってあらゆる環境が目まぐるしく変化し、予測できない状態を示した略語)と呼ばれる時代です。
社会の変化が早くてついていくのが大変だと感じる事がないでしょうか?
そんな時代に積極的に活動されている方達に刺激されながら僕も頑張ろうと思っています。
そんな時代だからこそ未来を予測した行動が重要になります。

さて、前置きが長くなりましたが今回のエラー対策手順は「認知・予測させる」です。

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これを聞いただけで「あぁ、KYTね😏」と思った皆さん…大正解です!
医療の現場ではKYTと言えば「危険予知トレーニング」と広く認知されています。
医療以外でも現場の安全や運転中の危険予知などで耳にする事があるかもしれません。

でも、医療安全の学びの中で『僕が思っていたKYT』と『推奨されているKYT』に違いがあったのでそれを含めてお話させて頂きます。

よく目にするKYTはこんな感じです。

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この画像は学研メディカルさんのHPでダウンロード出来る画像です。
この画像を見てどんな危険が予想されるでしょうか? 
僕であれば
・左手前の人が輸液ポンプがついたポールを手で持って運んでいるけど倒れたら危ないな。電源コードも床に落ちて足に引っかかるかもしれない。コードに引っ張られてポールが倒れるかもしれない。
患者さんの頭の横の機械。その辺りだけ柵がないから機械が落ちて壊れるかもしれない。その機械のコードが患者さんの首に絡まったりしたら大変だ。
・患者さんの右手の辺りにぶら下がっているのはナースコールかな?これも落ちたらなんか嫌だな。
・患者さんの左手辺りにあるシリンジポンプ柵の隙間が大きいから滑り落ちるかもしれない。そうしたら腕のルートが抜けるかもしれない。
・これはどちらに進んでいるんだろう?普通なら患者さんの足元の方に進むのが普通だと思うけど進行方向の人(後ろ向きに進む人)が輸液ポンプのポールを持っているのは危ないな。
などなど…。他にも色々気になりますが幾つかの危険を予知できます。

これでも十分良いトレーニングになるのですが最新のKYTの考え方は違いました。
最新のKYTに使うとしたらこんな画像です。

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ちょっと温度差がありすぎて申し訳ありません😅
何が言いたいかといいますと、「問題が全く画像」なんです。
「問題ない画像なら危険なんて予知出来ないじゃないか😠」と言われるかもしれません。
僕もそう思ったのですが、「患者さんは脳腫瘍後の患者さんでこんな危険があるかもしれない。」とか「患者さんのいる部屋はこういう部屋でこういった危険があるかもしれない。」といった感じで自分でストーリーを作ってあらゆる危険を予知する事でより高い危険予知能力を鍛える事が出来ます。

これに比べると従来のKYTは「間違い探し」の色合いが強いように感じます。
もちろん、ある程度の危険予知能力の向上は期待できますし、知識の確認や新人教育には効果があると思います。

新KYTは用意されていない問題を自分たちで考えて見つける。複数人で話し合えば自分では思いつかないような意見が聞けますしとても楽しい時間になる予感がします。(もちろん、全ての話し合いの基本ルールである「他の人の意見を否定しない」ことが前提ですが。)

どうしても経験豊富だと『こういう時はこうだよね。』と思い込んでしまう危険があります。経験があればあるほど確認が雑になって間違いをすると言われていますが、僕自身がまさにこれで悩んでいます。軽微な物であってもミスが多いな~と悩んで初心に返って頑張ろうと意識しています😅

僕の職場では皆で話し合う機会が中々とれないのが現状です。
なので、突然僕に捕まって「あそこのあれどう思う?」といった感じで危険予知をさせられている状態です(笑)
年内には教育に時間を取れるようになる予定なのでそれに備えて備えようと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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