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Go Toトラベルの恩恵を本当に受けている宿とは?

最近、GoToトラベルは高級な宿に偏って恩恵があり、安い宿には恩恵がないという様な価格だけにフォーカスした雑な議論がよく聞かれます。

本当なのでしょうか?

自社運営している宿やコンサルティングでサポートさせて頂いている宿の傾向やマーケットをリサーチをしたデータなどからの実感からすれば、価格にだけフォーカスした先の議論には違和感を感じます。

Gotoトラベルで本当に恩恵を受けているのは「レジャー系」かつ「2食付」を提供していて、かつ元から人気のある宿。

v-resasのデータからも分かるようにGotoで最も稼働した層は普段から生活を共にしている家族カップルが多い。そういった層に刺さる宿泊サービスを提供している宿がgotoで多くの恩恵を受けている宿だ。

かつ遠出を控えたいという気持ちも相まって比較的都市圏からアクセスが良い宿が最も恩恵を受けている。

実際に私がサポートしている普段からリーズナブルな価格で2食付を提供しているアクセスの良い人気温泉旅館はgotoが始まってからは高稼働を継続している。

もちろん2食といってもわざわざお金を払う価値を感じさせる夕食や朝食を提供していないと選ばれない。具体的には会席料理やディナーコース等など。

まとめれば「レジャー系」「付加価値の高い食事の提供」「都市部からアクセスの良さ」この3つが揃えることができればGotoの恩恵をより多く受けることができる。これは宿の高級さとは必ずしもリンクしない。

実際に自分たちのホテル/旅館がこの3つに当てはまっているかどうかを確認してみてほしい。足りない部分があるならば、それを補う施策を考えてみてほしい。

ではビジネスホテルは恩恵が受けられないのか?と思われるだろう。確かに先般のビジネス利用のGoto除外も含め、宿泊特化型のホテルはシティホテル等も含め厳しい状態が続いている。

一見、アクセスの良さ以外は提供ができないと考えられるビジネスホテルはあるが、近隣に観光施設や名所などがあればプランなどで近さをアピールすることでレジャーにも使えるという見せ方も可能。付加価値の高い食事ならは近隣の飲食店とコラボするのも良い。

実はこれらの要素はコロナの前後でもレジャー系の集客においては必須のことで、この対策をしっかりと充実させてきた宿は宿泊特化型であっても普段から売上が良い施設=人気の施設である場合が多い。

要は普段からレジャー客にとって魅力のある商品を提供できている宿がgotoにおいても成功をしているという当たり前の話。そこに多少の差こそあれ高級であるかどうかは関係ないといってもいい。

もちろん今のGotoの状況がレジャー客にメリットのある施策であるから、これが成功の法則の様になっているが、「国内レジャー客」が減少して、「ビジネス客」も頭打ちになっている中で「インバウンド」に活路を見出しだ結果がコロナ前の宿泊業界のトレンドだった訳で、「インバウンド」が消失し、「ビジネス出張」が激減した世界で、この2つに依存した宿は苦境に立たされている。

今回のGotoは「インバウンド」「ビジネス出張」の2つをコロナ禍では国としてもサポートが難しいため、まずは「国内レジャー客」に焦点を当てた施策を打っている。そこに恩恵の格差が生まれている。

レジャー系の宿にも格差が生まれているのでは?という問いに対してはこう考えてみてはどうだろう?コロナ関係なく国内のレジャー客が去年の7割になったとして、あなたの宿の経営が変わらずにできるだろうかと。おそらくそうなった場合、人気施設はあまり変わらず営業できるだろうが、そうでもない特に特徴のない施設は苦しくなるのではないだろうか。

実際にコロナ禍でレジャー客の全体の数は、goto以降でもインバウンド観光客のマイナス分を考えると減少している。gotoに関わらずレジャー客の減少によって格差が生じているという面のほうが大きいと考えられないだろうか。

需要と供給のバランスが崩れてしまった場合、人気の宿は生き残るが、それ以外には厳しい状況になってしまう。

コロナ以外にも売上が上がらない理由は大いにあるという考えを持ってアクションをし続けている宿だけが生き残っていける。

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