ハラマキの高さに異議申し立て(数行日記)

6月7日
夫が「マリオとルイージ、２人でスーパー"マリオ"ブラザーズ！って、変じゃない？」と言い出した。たしかに。マリオの自我、強。

6月8日
「子どものハラマキ。みなさんどうやって付けてますか？お腹あたりにしっかり二重に？ノンノン、腹巻ってのは一重のまま、胸まで上げるっ！これぞ鉄則！」と脳内で呟きながら息子の腹巻を胸までグイッと引っ張り上げたら、少し経って息子が「……ママァ。コレサ…」と何か言いたげにハラマキを見つめたのち、ぼそっと「…タカイ」と言ったので、めちゃくちゃ笑ってしまった。少ない語彙しか無くても、ハラマキの高さに異議申し立てした息子を誇りに思います。

6月9日
「ママ絆創膏、買いたいのよ。ついてきてくれる？」って言っただけなのに、「ヨシヨシ　ココ　ちゅする」って、怪我した指にちゅーしてくれた息子。ラブフォーエバー。

6月10日
嫌なことがあって、かなり気持ちが落ち込んだので、思いつきでディズニーランドに行った。イッツアスモールワールドで、天井からぶら下がる大きなお月様を見て、「バナナ・・・」と呟くキラキラおめめの息子がよかった。

6月11日
ミッフィのバケツに、大量のおもちゃの車を入れて、肩にかけた息子が「ジャ、イッテクルワ」と玄関に消えていった。

6月12日
カフェで女性がバイトを辞めたいって、雇い主らしきおじさんと話しているのが聞こえてきて、女性は端的に「もう新しい道に進もうかなって」と言うのに、おじさんが話を終わらせず「たしかに孤立してるところあったよね」とか「実際、○○さんとかは優しくしてくれたんじゃないの？」と、しつこくて、もし私がガンマンだったら、おじさんがかぶってる季節外れの帽子を撃ち抜いて、女性にウインクして立ち去るのになと思った。

6月13日
まつエク行くと絶対寝るし、絶対いびきかいちゃう。大轟音不可避。

6月14日
保育園の送り、もう少しだけ早くきてもらえますか？と先生に言われたのでいつもより20分早く行ったら「すごーい！はやーい！ママがんばった！すてき！！」といろんな先生に口々に褒められて、えっへんみたいな顔しちゃった。ただの時間管理の甘い人間です。

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すぐに忘れてしまうものたち｜夏生さえり