ヒマラヤ便り32号 Navratri 九つの夜
ナマスカール!今日は、ナヴラトリ(九つの夜)のレポートです。ヒマラヤで撮った9つの夕日と共に、日毎に現れる9つの女神をお楽しみください。
真冬の月齢1.9の木曜日に生まれた私は、そのサイクルが体に刻まれている。自分固有のサイクルを心に留めておくと、なにかと便利です。曜日という7日のサイクルは、不変だし、わかりやすい。体における「気の波」は、7日サイクルで変わるという。月のサイクルと体は連動していて、女性は生理によって、それを実感することができる。私は、30年以上も毎月経験してきたにも関わらず、先読みができるようになったのは、数年前からだ。もったいない時を過ごしていたと反省している。
更年期は思春期と同じくらいの変動があるといい、なるほどと実感することが多い今日この頃。未だに思春期の如く、腐った大人にファックオフ的な精神が蘇ってくるが、年と共に勢いは衰えていくし、伝え方を学んでいるため穏やかに経過させる術を得たつもり。アンチ・アンチエイジング。
シャラド・ナヴラトリ 秋の9夜
シャラド・ナヴラトリ (マハーナヴラトリ)は、シャラド(冬の始まり)に行われ、ドゥルガーによるマヒシャースラの抹殺を祝います。
北インドでは、大変な熱狂を伴って祝われるシャラドナヴラトリは、ピトリパクシャの最重要日であるマハーラーヤ アマヴァスヤ(朔)の翌日プラティパダ(一日目)から開始します。アシュウィン月(グレゴリオ暦9月末から10月末頃)のシュクラ・パクシャ(白分 朔からの15日間)、プラティパダ(1日目)からダシャミ(10日目)に、9回の夜と10回の昼が繰り返される間、9つの姿をとって表出する女神ドゥルガーを崇め、9つの女神たちが体現する女性原理、神聖なシャクティを、祈りと踊りを捧げて祝います。
クル渓谷では、最高潮を迎える最終日ダシャミ(10日目)に、悪の肖像三体を燃やして川に流すダッシャーラ祭りが開かれ、悪に対する善の勝利を祝います。初春と初秋は、気候や太陽の影響が変動する節目とされ、母なる女神を崇拝するための神聖な契機となります。ナヴラトリの主な女神はドゥルガーで、ドゥルガーのすべての形態は、パールヴァティに起因しています。
ドゥルガー信奉者は、9日間の昼の断食を行い、健康と繁栄の加護を願います。また、自己を見つめ直し、魂を清める期間であり、新しいことを始めるのに縁起が良いとされます。ガタスターパンは、9日間の祝祭の始まりを示す重要な儀式で、女神シャクティを呼び出すためのこの儀式は、明確に時間が決められており、違う時間に行うとシャクティの怒りをもたらす可能性があります。プラティパダ(一日目)の正午より前に行い、アマヴァスヤ(朔)と夜間は禁止されています。家の中の清浄な場所に水瓶を置き、瓶の中で9日間火を灯し続けます。瓶は宇宙を、灯火はアーディシャクティ(原初エネルギー)を表します。
南インドでは、さまざまな女神を祝うため、9日を3日ずつに分けます。
ヴァサント・ナヴラトリ 春の9夜
チャイトラ・ナヴラトリは、特に北インドで祝われ、太陰暦の最初のマーサ(太陰月)チャイトラ月(3月~4月)に祝われ、ヴァサント(春)・ナヴラトリとしても知られています。また、ラーマナヴラトリとも呼ばれ、ラーマの生誕日であるラーマナヴァミは、チャイトラナヴラトリの9日目に当たります。シャラドナヴラトリに行われるほとんどの習慣や儀式がヴァサントナヴラトリでも行われます。
ラーマ卿は、女神ドゥルガーを崇拝していたと考えられ、ブラフマー神の助言を受け、ラーヴァナとの戦いを始める前に女神ドゥルガーを呼び起こし祝福を求めました。伝統的に、女神ドゥルガーは、チャイトラ月に崇拝されていましたが、この時ラーマ卿が、時機を逸して睡眠中の女神ドゥルガーを呼び起こしたため、以来シャラド・ナヴラトリとドゥルガープジャの伝統が始まったと考えられ、時と共にチャイトラ・ナヴラトリよりシャラド・ナヴラトリが重要視されるようになりました。
インドのほとんどの地域で観察されませんが、北部の州であるパンジャブ州、ハリヤナ州、ヒマーチャルプラデシュ州、ウッタルプラデシュ州、ウッタラーカンド州で観察されるマーガ月(1月~2月)に祝われるマーガ・ナヴラトリ(グプタナヴラトリ)と、夏のはじめアーシャーダ月(6月~7月)に祝われるアーシャーダ・ナヴラトリ(ガヤトリーナヴラトリ)があります。
4つのナヴラトリの重要性は、ユガ毎に異なるとされ、サティヤ・ユガではヴァサント・ナヴラトリが最も重要になり、ドヴァパラ・ユガでは、マーガ・ナヴラトリ、トレタ・ユガでは、アーシャーダ・ナヴラトリ、カリ・ユガでは、シャラド・ナヴラトリが最も重要になると宗教文書に書かれています。※現ユガは、カリ・ユガ。
詳しいカリ・ユガの特徴はヒマラヤ便り56号の最後の章でCheck It Out!
ナヴラトリの9色
9日間、日毎に現れる9つの女神を崇拝します。ドゥルガーは、デヴィパクシャの初日に到着し、ドゥルガーヴィシャージャンに発ちます。ドゥルガーが乗ってくるヴァーハナ(神々の乗り物)は年毎に変わります。
ナヴラトリ期間中、毎日特定の色が割り当てられます。
その日の色を生活に取り入れると縁起が良いと考えられています。
7つの曜日に基づいて決定されます。
第一夜 シャイルプトリ
シヴァの最初の妻サティは、パールヴァティに転生しました。一日目、シヴァの妻として崇拝されるのは、ドゥルガーの一形態であるシャイルプトリです。右手にトリシューラ、左手に蓮を持ちナンディ(雄牛)に乗っています。シャイラプトリは、カーリーの化身でもあります。Desi Ghee(ギー)を捧げます。
第二夜 ブラフマチャリー二
サティの転生である未婚の形態パールヴァティの化身ブラフマチャリー二を崇拝します。偉大な忍耐と苦行の具現化であり、解放、モクシャ(ニルヴァーナ)、平和、繁栄を願います。素足で数珠と水がめを持っています。至福と静けさを象徴し、至る所に強いエネルギーが流れます。チーニー(砂糖)を捧げます。
第三夜 チャンドラガンタ
既婚の形態であるチャンドラガンタの名は、パールヴァティがシヴァと結婚した後に額にアルダチャンドラ(半月)を飾り始めたことに由来します。美の具現化であり、資質である勇気で信者を称え、悪から守ります。Kheer(ライスプディング)を捧げます。
第四夜 クシュマンダ
太陽の中に住む能力を持つ女神であるクシュマンダは、宇宙の創造力であり、地球上の植生の恵みに関連しています。体は太陽のように輝き、8本の腕で虎の上に乗っています。生活から闇を分散させ、富と健康を与える女神にMalpua(パンケーキ)を捧げます。
第五夜 スカンダマーター
パールヴァティは、シヴァとの間にスカンダ(カルティケヤ)を授かり、マーター(母)になりました。子供が危険に直面した時の母親の変容する力を象徴しています。4本の腕を持ち、ライオンの上に乗り、赤ちゃんを抱いています。バナナを捧げ、繁栄と優美さを願います。
第六夜 カティアヤニ
悪魔マヒシャースラを破壊するため、ドゥルガーはカティアヤニの形態をとりました。カティアヤニは戦士の女神で、ドゥルガーの狂暴な形態です。4本の腕を持ち、ライオンに乗っています。パールヴァティ、ラクシュミ、サラスワティ(トリデヴィ)の一形態ともいわれます。はちみつを捧げ、怒りを前向きな方向に向け、狂暴性を生産的に利用する方法を学びます。
第七夜 カーララトリ
カーララトリは、パールヴァティの最も激しく、最も狂暴な形態です。パールヴァティは悪魔シュンバと二シュンバを滅するため、色白の肌を取り除きました。そのため、肌は黒く、赤い服とトラの皮を身にまとい目には怒りを湛えています。赤は祈りを表し、信奉者を危害から守ることを保証します。Jaggery(赤糖)を捧げ、彼女の体から発せられる強力なエネルギーを吸収します。
第八夜 マハーガウリ
16歳のシャイルプトリは、非常に美しく色白だったため、マハーガウリ(偉大な白い輝き)と呼ばれました。カーララトリがガンジス川で沐浴した時、暗い顔色は明るく輝きました。色は、楽観を象徴するピーコックグリーン。知性と平和を象徴するマハーガウリにココナツを捧げ、罪を取り除き、世俗的な利益の形で彼女の恩恵を勝ち取ります。
第九夜 シッディダトリ
宇宙のはじめにルドラ(暴風神。モンスーンの神格。シヴァの前身。)は、創造のためにアディパラシャクティを崇拝しました。最高の権力の女神アディパラシャクティは、シヴァの左半分からシッディダトリの形で現れました。4本の腕を持ち、蓮の上に座っています。あらゆる種類のシッディ(超自然的力。瞑想能力)を所有し授けます。シヴァは、この女神を崇拝してシッディを達成しました。ダトリは、贈与者、授与者を意味し、神聖な願望の実現と完成を象徴します。色は、自然の美しさへの憧れを表す紫。ゴマを捧げ、あらゆるシッディの達成を願います。
勝利の10日目
Vijayadashami(10日目)の昼で最高潮を迎えます。神話ラーマヤーナにちなみ、ヒマーチャルプラディシュのクル渓谷では、9つの夜のあとの10日目の昼に、ラーヴァナ(ラークシャサ(羅刹族)の王)、クンバカルナ(鬼神)、インドラジット(ラーヴァナの子)の肖像を燃やし、悪の勢力に対する善(ラーマ)の勝利をDussehra(ダッシェァラ)という祭りで祝います。
About Dussehra ↓
2022年のマハーナヴラトリは、9月27日から10月5日の9日です。
2023年のチャイトラ・ナヴラトリ 2023年3月22日から3月30日
シャラド・ナヴラトリ 2023年10月15日から。
2024年10月3日から。2025年9月22日から。Don't miss it !!!
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