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ヒマラヤ便り55号 पाँच 五 Five
ナマステ!本日は、ヒンドゥにおける ”5 पाँच パーンチ”にまつわることをあれこれまとめてみたいと思います! " 5 "は、シヴァ神の神聖な数であり、シヴァ神にまつわるさまざまなことに"5"が登場します。シヴァの別形態マハーカーラ(大黒天)の王冠には、5つの骸骨が飾られ、5つの煩悩を5つの知恵に変化させるさまを象徴します。
パンチャクシャラ 5音節
シヴァ・ パンチャクシャラ・マントラまたはストットラは、パンチャ=5,クシャラ=音節という意味で、「5音節のマントラ」です。シヴァを崇拝するための神聖な5文字のマントラを唱えることで、シヴァの祝福が降り注がれます。
人体は5つの要素(パンチャブータ)で構成されており、この聖なる5文字は5つの要素を表しています。 न Na はプリティヴィ(地)、म Ma は、ジャル(水)、 शि Shi は、アグニ(火)、वा Va は、ヴァーユ(風)、य Ya は、アーカーシャ(空)。
ॐ नमः शिवाय Om Namah Shivaya
ストットラム 祈り、讃美歌。暗唱するために作曲された教義であるシャーストラと対照的に、旋律的に歌われるように設計されたヒンドゥ宗教書の文学ジャンル。シヴァに捧げられた讃美歌「シヴァ・タンダヴァ・ストットラ」は、シヴァの信奉者であったラークシャサ(羅刹族)の王ラーヴァナが、シヴァを讃えるために作曲した。タンダヴァは、シヴァの激しい舞踏のことで、シヴァは、別名ナタラージャ(=舞踏の王)とも呼ばれます。
ラーヴァナ ラークシャサの王。シヴァの信奉者。シヴァ・タンダヴァ・ストットラの作者。
クベーラ(a.k.aヴァイシュラヴァナ、毘沙門天)の異母兄弟である10頭20腕のラーヴァナは、クベーラから奪ったプシュパカ・ヴィマーナ(天空を駆ける戦車)で、カイラス山を通ろうとしました。プシュパカ・ヴィマーナはカイラスを通ることができず、ラーヴァナは、シヴァのヴァーハナ(神々の乗り物)である乳白色の牡牛ナンディに何故通過できないのか尋ねました。ナンディは、「今はシヴァとパールヴァティが遊びにふけっているので誰も通ることはできない。」と答えました。ラーヴァナは、嘲笑しナンディをからかいました。シヴァへの侮辱に激怒したナンディは、「猿に破壊される」という呪いをラーヴァナにかけました。ラーヴァナは、ナンディの呪いとそれ以上進むことができないことに激怒し、カイラスを根絶することにしました。彼は 20 本の腕すべてをカイラスの下に置き、持ち上げ始めました。カイラスが震え始めると、おびえたパールバティがシヴァに抱きつきました。全知のシヴァは、ラーヴァナが脅威の背後にいることに気づき、足の親指で山を所定の位置に押し込み、ラーヴァナをその下に閉じ込めました。ラーヴァナは苦痛で大声で叫びました。自分の過ちに気づいたラーヴァナは、千年の間、シヴァをたたえて賛美歌を歌いました。シヴァはついに彼に祝福を与え、許しただけでなく、彼に無敵の剣チャンドラハサとシヴァの象徴的なシンボルである強力なリンガ を与えました。
パンチャブータ 5元素
パンチャ・マハー・ブータ 5つの偉大な元素は、ヒンドゥの宇宙の基礎であり、生物を構成する基本要素。自然状態では、それらのバランスがとれている。調和は良いエネルギーをもたらし、不調和は悪いエネルギーをもたらす。ヨーガサーダナ(精神的修行、修練)の目的は自分自身を操縦することであり、すべての基本要素を習得することによって達成できる。基本要素を習得して浄化する過程をブータシッディという。サトルボディSubtle body(微細体)にある7つのチャクラにも関連している。※シッディ=成就した状態。シッダ=成就した人。
パンチャブータは、地から空へと上昇していくのが望ましい。
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ヴェーダ建築学 ヴァストゥ・シャーストラ(ヴァストゥ=建築・住居・家屋。シャーストラ=教義)では、各パンチャブータが示す方角があり,
立地、間取り、配置などをパンチャブータのバランスで決定する。ヴェーダ成立前の紀元前2500年頃の建築物もヴァストゥの原則に沿って建てられているため、ヴェーダ成立以前から広く用いられていた。
アーカーシャ 空 耳・音 空間性 拡大・充実
東 アンガスタ=親指
サハスラーラ=第7チャクラ 一体感
アージュナー=第6チャクラ 知識・直感・威厳
ヴィシュッダ=第5チャクラ 信頼・創造性
アストラル体(精神活動における感情、身体の精妙なる部分)
ヴァーユ 風 肌=触 軽快さ 運搬・物流
西 タージャーニ=人差指
アナーハタ=第4チャクラ 思いやり
呼吸
アグニ 火 目=色 反応(熱)
南 マディヤマ=中指
マニプーラ=第3チャクラ 知恵・力
体温
ジャラ(ヴァルナ) 水 舌=味 流動性(冷)
北 カニシュティカ=小指
スワディシュターナ=第2チャクラ 喜び・幸福
水・血液
プリティヴィ(ブーミ) 地 鼻=匂 安定性
中央 アナミカ=薬指
ムーラダーラ=第1チャクラ 安定性・サポート
肉・骨・内蔵
各味覚を構成するパンチャブータの組み合わせ
甘 マドゥラ Sweet 水と地
酸 アムラ Sour 地と火
塩 ラバナ Salty 水と火
辛 カツ Spicy 火と風
苦 ティクタ Bitter 風と空
渋 カシャヤ Astringent 風と地
パンチャブータ スタラム 5つの寺院
パンチャブータ・スタラム(=場所)は、南インドのシヴァに捧げられた5つの寺院のことで、それぞれが主要要素の権化である。タミルナードゥ州に4寺院、アンドラ・プラデシュ州に1寺院(シュリカラハスティ)。寺院それぞれにリンガが祀られており、合計で5つのリンガになる。5つすべての寺院が東経78°と79°、北緯10°と14°の間に位置している。
エカムバレシュワラル寺院 ブーミ(プリティヴィ)リンガム。パールヴァティはこの寺院の近くに流れるベガバティ川近くのマンゴーの木の下で苦行を行いました。
ジャムブケシュワル寺院 ヴァルナ・リンガム。この聖域には、地下水が流れ、汲みだしているにも関わらず常に水で満たされている。パールヴァティは、シヴァの「世界をより良くするため」苦行を笑いました。シヴァは、パールヴァティの行いを戒め、カイラス山から地上に行って苦行をするよう指示しました。パールヴァティは、アキランデシュワリの形でジャンブの森を見つけベンナーヴァルの木の下で、コ―ヴリー川の水からリンガを作り礼拝しました。寺院内には5つの囲いがあり、ヴィブディプラカラとして知られる巨大な外壁(60cm厚、7,62m高、周囲1,6km以上)は、シヴァが労働者と協力して建設したと伝わっている。
ティルバンナーマライ寺院 アグニ・リンガム。シヴァは、この寺院に巨大な火柱の形で権現しました。カールティッカ・ディーパム(カールティッカ月のプルニマ望)では、丘の上で巨大な火を焚き、この権現を祝います。
シュリカーラハスティ寺院 ヴァーユ・リンガム。この寺院はダクシナカイラーサ(南のカイラス山)としても知られています。内側の寺院は5世紀頃、外側の寺院は11世紀に建設されました。
ティライナタラジャール寺院 アーカーシャ・リンガム。10世紀に建設されたこの寺院の壁には、ナタヤ・シャーストラの108のカラナがすべて彫刻されており、これらの姿勢は、インド古典舞踏の基礎を形成しています。シヴァは、黄金のホールでアーナンダ・タンダヴァ(喜びの舞踏)を踊るナタラージャ(舞踏の王)として紹介されています。マハーシヴァラトリには、ナティヤンジャリというダンスフェスティヴァルが開催され、パフォーマンスアートの場所でもあります。
パンチャンガ 5つの部分
パンチャンガは、ヴェーダ占星術における個人の人生の時間予測や性格などの傾向を読み解くための技法です。ヴェーダ占星術は、その名の通り、ヒンドゥの最古の文献ヴェーダを元にしている占星術です。ヴェーダは、紀元前1000年頃から紀元前500年頃にかけてインドで編纂された一連の宗教文書の総称であり、ヒンドゥの聖典です。長い時間をかけて口述や議論を受けて来たものが後世になって書き留められ、記録されたものです。
ヒンドゥの聖典は、古代のリシ(聖人・賢者)達が、神から受け取った天啓聖典シュルティと、別のリシ達によって作られた古伝書スムリティに分けられます。シュルティ(天啓聖典)は、古代より長らく口承されてきたヴェーダを書き留めた聖典群で、スムリティ(古伝書)は、ヴェーダよりも後の時代に書かれ、紀元前400年頃にテキスト化が開始され、紀元前200年代中頃から紀元後100年代末頃に完成した叙事詩マハーバーラタ、紀元前300年頃に完成したラーマーヤナなどがあります。
スムリティ(古伝書)の一種であるヴェーダの補助学ヴェーダーンガ(ヴェーダ+アーンガ=(肢、枝))は、紀元前1000年頃に発展したと考えられ、初期テキストは紀元前500年頃に成立したとみられます。ヴェーダーンガには、6種の学問があり、その内の一つに天文学「ジョーティシャ(光の科学)」があります。
現代では、ヴェーダ占星術として発展していますが、初期のテキストには占術の要素はなく、宗教儀式の日取りのために、惑星の配置などから時間をはかる方法を説いています。パンチャンガは、パーンチ(5つの)+アーンガ(肢、枝)の意味で、ティティ(太陰日。30種)、ヨーガ(月と太陽の経度の合計から計算された各13°20’の領域。27種)、カラナ(ティティの半分。11種)、ヴァーラ(曜日。7種)、ナクシャトラ(白道27宿)の5つの部分から観察します。
パンチャクリティヤ 5つの行為
シヴァの聖なる5つの行為は、パンチャナナの5つの顔に対応し、ナタラージャの5つのジェスチャーは、シヴァの5つの行動を表しています。
パンチャクリティヤ
シュリスティ=創造(ダマル)
スティティ=維持、保護(アバヤムドラー)
サンチャーラ=破壊、溶解(アグニ)
ティラダナ=隠蔽、忘却(足を地につける)
アヌグラハ=啓示、解放(足を上げる)
パンチャナナ(パンチャブラフマ)は、シヴァ派のアガマ(経典・文学)やプラーナ(伝説・伝承文学)で説明されるシヴァの5つの側面の融合体で、この形態は、「サダ―シヴァ」と呼ばれ、シヴァ派シッダーンタ派(確立された意見・教義・教科書)の至高の存在です。サダーシヴァは全能で、繊細で、光り輝く絶対者であり、シヴァの最高の顕現です。サダシヴァは、5 つの顔と 10 の手を持つように描かれ、25 のタットヴァ(原則)の 1 つと見なされます。 5 つの右手は、トリシューラ(三又鉾)、斧、棍棒、ヴァジュラ(落雷の武器)を保持し、アバヤ・ムドラー(大胆不敵のジェスチャー)を結んでいます。5 つの左手は、蛇、果実(柑橘)、青水蓮、ダマル(太鼓)、ルドラ―クシャ(数珠)を保持し、バラダ・ムドラー(恩恵を分配するジェスチャー)を結んでいます。
サットヨジャータ 西。白。このシヴァの顔は、すべての生き物に喜びと悲しみの両方を与えます。シヴァから呪いと怒りを呼び起こす可能性があります。完成した自我を表す要素。恐ろしい側面。この側面は、従来の構造を超越した孤独と実践によって達成されます。
ヴァ―マデヴァ 北。赤。太陽の原初のエネルギーを知ることによって得られる。このシヴァの顔には、あらゆる生物の精神的および肉体的な治癒力があります。パラリンガを表します。赤色は、宇宙のすべての要素を変えることができる比類のない力を表し、生命力を支配します。光の明るさを表し、ヨーガを確立した者だけが肉体の中に封じ込めることができます。創造のエネルギーの要素を含んでいます。
アゴラ 南。煙色。無限の知識 を表します。プラクリティ(自然、シヴァの配偶者)の働きです。このシヴァの顔はブッディ・ルーパ(知性)です。自我の性質のバランスの取れた側面を表しています。ルドラの力を表しています。
タットプルシャ 東。黄色。魂の構造を表しています。個人は無限と融合します。集中するのが困難な場合、このシヴァの顔を瞑想する必要があります。この顔のシヴァは東に向かって瞑想します。
イーシャーナ 方向は上向き (空向き)。アーカーシャ(空間)を表します。ムーラーダーラからサハスラーラへ上昇し、ブラフマ ランドラに至ります。社会構造をほとんど受け入れないか、まったく受け入れません。定命の存在と神聖な存在を簡単にコントロールする優れた資質を持っています。自我を灰にして宇宙への絶対的な愛を意味し、宇宙の法則から解放されます。
ヴェーダ占星術では、ラーシ(太陽サイン)、ラグナ(誕生時に東の水平線に上昇していたラーシ)、ダシャー(予測時期)、アンタルダシャー(予測時期の第2階層)、ジャンマ・ナクシャトラ(誕生時に月がいたナクシャトラ)のいずれか強い方に応じて、そのシヴァの顔を瞑想すべきです。
ジャンマ・クンダリ(誕生図)が南(ラーシ、ラグナが太陽の南方向を占めている)の場合、シヴァの南面のアゴラを仲介します。クンダリにおける人生の問題領域に応じて、シヴァの顔を瞑想し、問題のある領域を緩和する必要があります。
パンチャミ 5日目
パンチャミは5日目の意味で、ヒンドゥ暦の一日ティティ(太陰日)を表します。15ティティ毎の2つのパクシャ、シュクラ・パクシャとクリシュナ・パクシャで共通したティティの名称です。
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