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ヒマラヤ便り34号 偉大なシヴァの夜

ハッピーシヴァラトリ!だいぶ寒いですが、寒さを楽しんでいますか?寒さの頂点に俗世に降り立ち、標高800メートルで思春期を過ごした私は、寒いのが好き。雪も好き。ワクワクするじゃんね。体を動かすのが一番温まることも知っている。毎日、高低差700メートル近くを車で上り下りし、三半規管と肺が鍛えられた。

Maha Shivaratri  Date  -  Nishita Kaal Puja time
2024年3月9日sat   11:27pm~12:16am
2025年2月26日wed   11:28pm~12:19am
2026年2月15日sun     11:29~12:21am

グレゴリオ暦に換算した私の誕生日は、ヒンドゥ暦のマハーシヴァラトリの日に当たることがあり、パールヴァティ渓谷でマハーシヴァラトリと共に自分の誕生日を祝いそのあとにクル渓谷、ウッタラアカンド経由でカイラッシュ ヤトラ(旅)に繰り出すためには、あと16年待つのだ。日々、喫煙により肺を鍛え、できれば、もっと標高の高いところで過ごしていよう。そして、愛しのニコに、16年後に行くことを伝えた。私は、解脱するので、ニコに会うなら今世しかないからね。

ファーストシーズンで、初対面で「あなたはインドに招待された。」と言われた意味が、なんとなく理解できて来た。

数人からインド経験のストーリーを教えてもらったが、最初は超無理で、帰ることを決めてからとか、大きな事件がきっかけになって大好きになるというストーリーが多い。

インドに来る前、みのるくんに「くるちゃんは、インドに行ったら、私このままでいいんだ。って思えるよ。」と言われた。そもそもインドにはあまり興味がなく、夢見たこともなかったので、言われた当初は意味がわからなかったが、今はわかる。振り返れば、私このままじゃダメだって感じがにじみ出ちゃってんだろうなと思う。

人々の生命力の強さを感じ、私をだまそうとする人々にすら、知恵や逞しさを感じる。まぁ、私ごときに見破られる時点で、まだまだだし、その労力、違うとこに使えやとも思うが。固定観念や、思い込みが見事にぶっ壊され、彼らの「ポッシブル」は、ゾーンが広く、それゆえにすべてが可能なのだということも学んだ。「ありえないことなんて、ありえない」ということも知った。ニコの口癖「エヴリシング ポッシブル イン インディア!」には、いろんな意味が隠されていた。

体の状態をきっかけとした感情を表に出しちゃう質なので、不愛想になったり、不機嫌になったりするが、彼らは、そういった気を察知し、近づいてこない。キレた女に近づくべきでないことを知っている。虫の居所が悪ければ、「見てんじゃねーよ。この野郎。」などという気を返すようなことでも、楽しむ気持ちに切り替われば、好奇心旺盛な憎めない無邪気なバイジー達に見えてくる。

自称 寒さに強い私に、チャイ姐は、シベリアでマイナス50度を体験した時のことを教えてくれた。また、ネパール人が新規開店したダバ(食堂)で一緒に食事をしたシベリア出身のお兄さんは、インドのタンドリーの熱効率の悪さと比較して、シベリアの寒さの中、室内で半袖でも過ごせる熱効率の良い暖炉のことを教えてくれた。

シベリアといえば、日本人として思い出すのは、シベリア抑留のことだけれど、極寒のシベリアを開拓したのって、日本人の力が大きいよね。確かな証拠はないけれど、父方の祖父はシベリアから逃げて家に帰ってきたって聞いている。第二次大戦中で、命からがらやっと終戦を迎えて、帰れると思ったら、シベリアに連れていかれ、極寒の中で強制労働させられる。脱走しても寒すぎて命を落としかねないから、脱走することも難しかったらしい。

さて、話をヒマラヤに戻して、隣村へ散歩に行った。街とは反対にある隣村。すれ違うローカルから「ハッピーシヴァラトリ!」と声をかけられる。妊娠中のお嫁さんと街で買ってきたお花を持って家へ帰る途中の若夫婦も、「ハッピーシヴァラトリ!」と元気に声をかけてくれ、ハッピーになった。

シヴァラトリは、(ラトリは、夜の意。)シヴァ神の威光を称える宗教行事で、年に一度のマハーシヴァラトリ(偉大なシヴァの夜)は、年12回のシヴァラトリの中で最も神聖な日取り、ファルグン月クリシュナパクシャのチャトルダシに執り行われる。(グレゴリオ暦では、2月から3月、満月をゼロとして14日目)

この日は、シヴァとパールヴァティが結婚した日で、シヴァはこの日の夜に宇宙の創造、維持、破壊のダンスを踊りました。

北半球の星の並びが良い作用を及ぼし、人々は容易に精神力を高めることができます。暗黒と無知を克服する夜として、シヴァを心にとどめ、不眠(ジャーガラン)、断食、ヨーガを行い、マントラを唱えます。自制、誠実、非暴力、寛容、内省と懺悔をし、シヴァへの到達の瞑想を行います。

Bael(ベルの木、Aegle marmelos)の葉(ベルの木の葉は、シヴァを冷静にさせるといわれています。)ダトゥラの花、青い蓮の花を捧げ、シヴァ神への賛歌であり、最も神聖なマントラ、パンチャークシャラ マントラを唱えます。シヴァの聖なる数字は5であり、パンチャークシャラ マントラは、シヴァを称える5文字の神聖なマントラという意味で、シヴァの祝福が降り注がれます。

Panchakshara Mantra           ॐ नमः शिवाय 

ヒンドゥでは、人体は5つの要素で構成されていると考えられており、パンチャークシャラ マントラの聖なる5つの文字は、これらの要素を表し、NAは、プリティヴィ(地)、MAは、ジャル(水)、SHIは、アグニ(火)、VAは、ヴァーユ(風)、YAは、アーカーシャ(空)を活性化させます。

この日は、古代より伝わるサンスクリットのマントラの効力が極めて高まる日であり、Nishita Kala(深夜にあたる)は、シヴァがリンガの形を借りて地上に権化した時間で、最も縁起の良いLingodbhava Puja(儀式)が執り行われます。

Jyotirlingaジョーティルリンガ(光のリンガ)と呼ばれる12の最も神聖なシヴァ寺院への巡礼は、悪いカルマを洗い流し、魂と体を純粋にします。

リンガは、男性性を象徴するもので、自然が形作った柱状の石です。牛乳、薔薇水、ビャクダン(チャンダン)、ヨーグルト、はちみつ、ギー、砂糖、水を儀式的にかけます。

また、7大聖なる川の一つ、マディヤプラディシュ州を源に、東から西に流れるナルマダ川は、インドで5番目に長い川であり、東から西に流れる川はタプティ川とナルマダ川だけです。ナルマダ川の女神ナルマダは、別名ジャガット・アナンディ(宇宙の至福)と呼ばれています。シヴァが瞑想をして汗をかき、その汗が溜まって川となって流れ始めたのがナルマダの起源です。(ブラフマーの目から落ちた二粒の涙が、ナルマダとブラフマプトラを生み出した。という説もありますが、私はシヴァの汗の方が良いw)

このナルマダ川の川底で水流によって円形状になったCryptocrystaline Quartz 潜晶質石英は、ヒンドゥ教徒によって年に一度だけ採集されます。この神聖なる石は、バナシヴァリンガと呼び礼拝時に使用します。パワーストーンとしては、男性性の石で、活力向上、無から有を生み出す、新しい生命を生み出す、創造力を高める石として知られています。

シヴァの祝福が降り注がれた私は、シヴァのことを書き始めると、もう止まらないので、今日はこの辺で!また次回のお便りでじっくりと深堀したいと思います。Stay tuned!

Happy Shivaratri !!! Shiva Bless You~<3









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