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毎日がオーディション

こんにちは。ワカルク代表の石川です。

タイトルは、尊敬する女性経営者の方に教えていただいた言葉で、私自身がとても大切にしているスタンスです。

成功者の心掛け

その女性経営者の方は、ものすごい会社を経営されていて、きっと私の何倍も忙しく、比べようもないほどの責任を背負っていらっしゃるはずなのですが、相手の役職・年齢・所属する会社やコミュニティ、自分のその時のコンディション・置かれている立場に拘わらず、いつでもどこでも誰に対しても、同じように明るく、相手に敬意を持って接してくださいます。

「いつ誰が見ているかわからないじゃない。どこにチャンスがあるかなんてわからないから、毎日オーディションだと思って過ごしているの。」

そう言って、本当に多くのチャンスを手に入れてきた女性経営者の方を目の前にこの話を聞いた時、「だからこの方は成功したんだ。お客様にも、社員にも、全ての人に愛されているんだ。」と深く納得したと共に、20代の営業時代の自分の姿を思い出し、非常に反省をしました。

ベテランライターのHさんと20代の私


当時私は大手クライアントを担当し、部内でも売上げ目標を1番か2番目に多く持っていて、始発から終電まで、土日も返上で、それこそ人の2倍も3倍も働くぞという気で頑張っていた頃。リーマンショック以前の景気が良かった頃で、大手クライアントの求人広告への出稿額も大きく、毎週何十本もの原稿を動かしていました。

当時、大きい枠の原稿は外部のライターさんに制作をお願いしていて、私はだいぶ年上の、ベテランのHさんという男性ライターさんといつもペアで仕事をしていました。

急な修正対応が入った時、クライアントの担当者が変わって今までになかったような細かい修正が増えた時、新しい切り口の原稿を何本も考えないといけなかった時、いつでも私からの無理難題に嫌な顔せず夜遅くまで一緒に対応してくれたHさんのことを今でも私は思い出します。

慢心と自信のなさからくる自己防衛本能と


ただ、当時の私は、「売上を上げているんだから、こんなに仕事をしているんだから認められて当然だ」という慢心と、一方で、「難易度の高いクライアントに認められないといけない。まだまだ自分は世の中の基準においつけていない。」という自信のなさから来る自己防衛本能とで、Hさんへかなり厳しくリクエストをしていた気がします。

伝え方は丁寧に、もちろん敬語でしていましたが、言葉の端々にトゲがあり、「私が営業で仕事をとってきているんだから、同じレベルに合わせてやってよね」と、心のどこかで思っていたことが、きっと相手にも伝わっていたと思います。

それでもHさんは、いつでも変わらず、私の無理難題を嫌な顔一つせず聞いてくれました。

今思えば、私は、お客さんに対しては頼れる営業でありたい、社内に対しては売上責任を担う営業でありたい、自分に対してはできることを一つでも増やせるビジネスパーソンでありたい、その考えだけで、一緒に働く、一番私の仕事をサポートしてくれるHさんに対しては、感謝も敬意も欠けていて、何なら自分が大変な時、忙しい時に、それをわかってほしい、一緒にその大変さを味わってほしい、とさえ思っていました。

Hさんがその当時、全然別の会社の、何十歳も年下の女子にいつもタイトでボリュームのある仕事をふられ、敬意のこもっていない言葉で指示を受けてどう思っていたのかは今となってはわかりません。

もし、当時Hさんが私に対して一緒に仕事をしてよかったな、いつでも気持ちよく仕事ができたな、と思ってくれていたなら、きっと今でも何か一緒に仕事をしていたのかもしれないし、今以上に素敵な未来があったかもしれませんが、私はそのチャンスを手にすることはできませんでした。

どんな時も、どんな人からも見られている


冒頭の話に戻りますが、私自身がそうだったように、人は、「自分が見たい時に、見たいものだけ、見たいように見る。」というものだと思っています。若い時はそれでも周りがカバーしてくれるし、チャンスはたくさんあるからよいのですが、年を重ねたり、立場が上がってくると、自分だけの見方から視野を広げ、「どんな時も、どんな人からも見られている。」という客観性を持ってないと、どんどん孤独になるし、チャンスもなくなってくると、私自身危機感を持っています。

「毎日がオーディション」

審査員は、お客様、パートナーさん、上司、同僚、後輩かもしれない。さらには、親、パートナー、子ども、学校や保育園、習い事のパパママかもしれない。その誰かが、次の自分にとってのチャンスを運んできてくれる。

私は、過去の傲慢な自分を改めたいし、未来をもっと素敵なものにしたいから、

どんな時も、どんな人からも、どの一瞬を切り取っても合格点をもらえるような自分になりたい。自分のコンディションや相手との関係性に甘えない。

日々胸に刻みながら、自分を振り返りながら過ごしています。

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