【五十のおと。】 その弐
「イーヤッホゥ!水だぜぇ!!」アニメの台詞みたいな変てこな声が聞こえて、少女は不意に顔を上げた。満面の笑みを浮かべた青年の姿が見える。驚くほど高いところから降りてくるその姿を見て、一瞬だけ固まった少女は次の瞬間、はっと我に返ってその場から遠ざかった。
稲妻が落ちた時みたいな大きな音を立てて、彼は地面に落っこちる。お世辞にも上手い着地とは云えない。盛大に尻餅をつき、勢い余ってごろごろと転がって行く。スタントマン張りに数回ごろごろと回転し、勢いを殺した上でぱったりと地に倒れ