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いつもと同じ、違う夏。

今年は、いつもの夏と違う。


と、思いたいけれど、結局そんなに変わっていない。ただ、「今年はいつもと違う」という言葉を、今年は誰しも安易に使いすぎているように感じている。


最近は本屋に立ち寄るのが習慣だ。新刊コーナーの前で、帯に書かれた文章をじっと読みながら、気になった本を手に、パラパラと中身を読むようなふりをして衝動買いをすることにハマっている。エッセイや小説ばかりで、小説に限っては恋愛ものが多い。

こんなにも本にはまったのは、人生で初めてかもしれない。価値観を変えるほどの本に出会ったというには少々年を重ねすぎてしまったので、それとはまた違うような気はするけれど。


でも、旅行で初めての国で初めての景色を見るのように、ネットで知らなかった情報を得るように、本をお読むことだけで変わっていく自分がいるのは、確かだ。


自分とは違う価値感に触れてみると、自分でも驚くほど簡単に、さっきまでの自分の価値観が壊れていってしまう。本があれば、友達に悩みを相談することも減りそうな気がするし、会う頻度も激減しそうだと、そんな風にさえ思った。


そういう意味でいうと、本の面白さを知った夏になったから、今までとは違う夏なのかもな。

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