お笑い芸人”世代別”特徴一覧表

第3世代、第7世代と何度となく世代分けされるお笑い芸人さん。ではその世代ごとに何があったのか、どんな特徴があるのか、簡単にまとめてみましたので、参考程度にご覧ください。

第1世代(70年代~)

代表的存在…コント55号、ザ・ドリフターズ.etc

特徴…
・舞台・ステージ出身の大きな動きとわかりやすい笑いが特徴。
・テレビ出演は、冠コント番組が中心。
・ネタ作り、番組作りに集中できた。

第2世代(80年代前半~)

代表的存在…ビートたけし、明石家さんまら『ひょうきん族』メンバー.etc

特徴…
・漫才ブームで活躍した漫才師が中心(『オレたちひょうきん族』では、そこにさんま、片岡鶴太郎、山田邦子らピン芸人が組み込まれた)。
・漫才、漫談をベースにトークを中心にした笑いが主流。プライベートや楽屋話など”ウラ笑い”を表にした。
・お笑い以外の番組の司会を始める(お笑い芸人が他分野に踏み込む先駆け)。
・TVギャラ(CMギャラ)、営業ギャラ、その他諸々、バブル期も相まって、おそらく一番稼いだ世代。

第3世代(80年代後半~)

代表的存在…とんねるず※、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン.etc
(※ 始めた時期はダウンタウン、ウンナンより早いが、便宜上この世代に入れられることが多い。)

特徴…
・笑いの切り口の斬新さを注目された(シュールレアリスム(あるあるを組み込んだネタ・笑い)が爆発的にウケた)。
・オシャレさ、カッコ良さ、スタイリッシュさも注目された。
・ドラマ、映画、音楽など他分野のプロとの本格的コラボが行われた。
・ダウンタウンの笑いと比較し、他の笑いを認めない”ダウンタウン病”患者が男性お笑いファン&スタッフなどで続出する。

第4世代(90年代~)

代表的存在…ナインティナインら『めちゃイケ』メンバー、爆笑問題、ネプチューン、くりぃむしちゅーら『ボキャブラ天国』メンバー.etc

特徴…
・ビートたけし、とんねるず、ダウンタウンの活躍に憧れ芸能界を志した者が多い。
・テレビタレント、メインの番組を持つ事への憧れが強い。
・漫才、コントなどネタへの愛は薄め。
・一方、SMAPをはじめとする男性アイドルがバラエティーに本格的参入を始めた。

第5世代(2000年代~)

代表的存在…キングコングら『はねトび』メンバー、『爆笑オンエアバトル』『エンタの神様』出場者.etc

特徴…
・ダウンタウンの活躍に憧れ芸能界を志した者が多い。
・第4世代の陰で、なかなか冠番組を持ちにくくなるように。
・『めちゃイケ』の成功もあってか、芸人(出演者)の意思より、総合演出(ディレクター)の意思が強まる(芸人vsディレクターの軋轢が生まれる)。
・『はねトび』以降、数々の”世代枠組み型ユニット番組”が始まるも、大成功まで至らず。

第6世代(2000年代後半~)

代表的存在…千鳥、オードリーなど『爆笑レッドカーペット』『爆笑レッドシアター』出場者.etc

特徴…
・2000年前後にデビューした者が多い。
・下積みの長さが際立つように。
・第7世代のブームが終わった頃に頭角を現し、台頭してきた。
・リーマンショック、東日本大震災の影響もあり、予算的にも、風潮的にもお笑いの求心力を失っていった。
・「じゃない方芸人」など、コンビのバラ売りが盛んに。

第6.5世代(不明)

代表的存在…ニューヨーク、三四郎、鬼越トマホーク.etc

特徴…
・下からの追い上げによってギュッとまとめられた世代
・チヤホヤされる第7世代への不満で露出が増えた。
・テレビスター、カネ、女、遊び…を夢見る最後の世代

第7世代(2010年代後半~)

代表的存在…霜降り明星、ハナコ.etc

特徴…
・2018年頃に、20代だった芸人が中心。
・データが豊富。YouTubeなどのネット動画を駆使し、過去の芸人ネタを繰り返しチェックし、勉強している。
・ネタ愛が強く、舞台・ネタを大切にしている。
・先輩への敬意が、言葉に表れていない(体育会系のノリが薄い)。
・番組などで、”やりたくない”ことを”やらない”ようになった。


解説:「お笑い第〇世代」とは

元々、お笑い芸人は少なく、メジャーな存在ではありませんでした。『スター』と呼ばれる”二枚目”に対して、「笑わせる」、あるいは「笑われる」”三枚目”だったのが、芸人でした。
それが、明石家さんまさんが女性ファンにワーキャー言われ始めた頃から芸人がタレントとして存在をグレードアップしはじめ、とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャンの頃から、シュールな笑いが爆発的に受け、笑いの質が変化。加えてワーキャーも合わさって、『冗談画報』『夢で逢えたら』(フジテレビ)に出演していた若手芸人を『お笑い第3世代』と言うようになりました。
その後、2018年に霜降り明星が『M-1グランプリ』で優勝し、せいやさんが”適当に”自分達を『お笑い第7世代』と言ったところ、メディアがこぞって拾い、半ばネットミームのような所から、テレビ番組のタイトルになるまでに取り扱われ始めました。
それを更にお笑い系メディアが整理し始め、またこのムーブメントに他の世代の芸人が乗っかった事もあって、『6.5世代』などが浮かび上がって来るようになりました。

この”世代”の分け方、考え方を、”ムーブメントが起きた時期”で分ける派と、”デビューした時期”で分ける派に分かれていて、混乱が起きている場合も多々あります(ここでは、前者で分けているため、世代に含まれない芸人さんも多々います)。


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