ミルズ「動機の語彙」論メモ

*動機が承認されることの重要
ある行為が,他者から期待される役割に照らして,他者に受容されるか.それはすなわち,その行為に伴う動機が,他者から承認されるか.
ここで実践的なことを考えると,ある行為をするに及び,その行為にまつわる動機を他者との相互行為内で話し,それが他者によって承認を受けた場合,それがたとえ1人でも,その行為を実行する大きな根拠となる.
したがって,ある行為を画策している際,それを理解する,承認する他者が1人でもいると,その行為に弾みがつく.これは,好きなものについて話をした際,その話に興味を持ってくれる他者が存在した時,その行為を続けて深めていくモチベーションが湧くという経験的事実(あくまで私の主観的経験に基づくが)を理論的に支持する.
何らかの行為は,研究にせよ趣味にせよ,その動機が実際に他者からの承認を受けたり,少なくともその承認が想定されることにより,実行する動機が正当化されるのである.すなわち,行為が動機に先行するのではなく,動機が行為に正当化し,実際にせよ装丁にせよ,それが行為を統制し,統合する.動機の語彙の機能については,ミルズの1940年の論文および関連論文を参照のこと.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?