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ライブレポ|トキョショキ 春の下北3DAYS (4/15~17)

 「次のライブまであと1ヶ月もあるのか」そんなことをと思っていた3月中旬。気づけばあっという間にその1ヶ月が過ぎ、怒涛の下北3DAYSがやってきた。

4/15 Sat
”Chazawa Street 2023”

 下北沢にある8個のライブハウスで、昼から夜までライブが行われる、いわゆるサーキットフェスというものだ。この日10バンドほどを見たが、すべてのバンドについて書いていると長い文章になってしまうので、忍びないがここでは3バンドほどに留めておく。

1バンド目 Order From Minor
 音楽レビューの方でも紹介したが、元tetoのGt.山崎陸とDr.福田裕介、そこにサポートBa.中川昌利を加えた3ピースバンド。この日このバンドを見たかった理由に元tetoのギターとドラムということもあるが、Gt.Vo.山崎陸がこんなツイートをしていたからだ。

実際、ここまで演奏することはなかったが、リハも含めて4回ほどStay Goldを演奏していた。Stay Goldにすべて持っていかれそうになるが、バンド自体の音楽も素晴らしく、”自分が求めているカッコいいメロコアバンド”という印象を受けたバンドだった。
 出番が終わったあと、物販を買おうと思いスタッフの人にその旨を伝えると、なんと陸さんが直々に対応してくださったのだ。「tetoから知って~」ということをお話すると、驚きながらも喜んでいて、握手、そしてハグまでしてくださり、これだけでもこのフェスにきた価値があったと思った。

2バンド目 PK shampoo
 時間軸が前後するが、先にPK shampooのほうから紹介する。PKが演奏する”CULB 251”というライブハウスは、このフェスのメインステージのうちの1つで、会場に着くとすでに多くの人で埋まっていた。前のバンドの演奏が終わり、多少のお客さんの入れ替わりがあったが、やはり始まる前から入場制限ギリギリ。機材転換も終わり、これからリハが始まる訳だが、ヤマト以外の3人はいるが肝心のヤマトがいない。以前、とあるフェスでヤマトが現れず、3曲しか演奏せず終わるという前科があったために不安が募る(さらに奇しくもその時と同じ会場)。なんとかリハーサルまでには姿を現したが、すでにベロベロに酔っ払った状態、スタッフなどにくだを巻き、終いにはヤマトだけがステージに残され、SEが流れスタートする始末。グダグダはライブが始まってからも変わらず、1曲目の"夜間通用口"からヤマトがダイブしフロアの後ろまで運ばれ、お客さんが前に詰めすぎたため機材が壊れ、曲も8曲やるはずが3曲カットとなった。
とまあ、ここまで聞くと悪いイメージしか浮かばないだろうが、ライブ中はこんな細かいことはどうでもよく、むしろこのカオスが広がる空間が楽しかった。

3バンド目 東京初期衝動
 いよいよ本命の登場だ。リハからしーなちゃんがダイブするなど、すでにエンジン全開で、始まる前から入場制限ギリギリとなっていた。
お決まりのSEが流れメンバーが登場。リハからの勢いそのまま"Becauseあいらぶゆー"、"高円寺ブス集合"、"ベイビー・ドント・クライ"とフロアの熱を加速させていき、温まったところで"マアルイツキ"、"トラブルメイカーガール"、"兆楽"で完全にトキョショキの色に染め上げた。時間の都合で1曲カットとなったが、最後の"ロックンロール"まで、40分間を駆け抜けた。この日、全てのバンドを見たわけではなかったが、このフェスで3本の指に入るほどの盛り上がりだったことは間違いないだろう。

4/16 Sun
”しーなpre.春の奢りライヴ”
 最初の受付は一瞬にして売り切れ、追加受付分もものの3分で売り切れてしまったこのライブ。対バン発表時になんとなく予想はしていたが、まさかここまでとは思わなかった。
この様子を見たからか、しーなちゃんから

と、チケットをゲットできなかった人も入れるような旨のツイートがあった。実際、チケットをゲットできなかった人も入ることができ、近道(今日の会場)はたくさんの学生で溢れかえっていた。そして前説で青木さんが、「みんな見るとマスク外してる人が結構いるので、このライブからそういう方向でいきたいと思います!」とアナウンスがあった。

 そうして、ライブはPK shampooから始まった。1曲目の"天王寺減衰曲線"からしーなちゃんが登場しダイブ、"3D/Biela"では一緒に歌い、またしてもダイブ。始まってまだ3曲だが、前方はギチギチに詰まり、ステージ前に柵が無い会場だったため、何人かステージに倒れこむほどだった。途中のMCで、ホテルの部屋に入ったハエをアンドレが追い払ったという話をアルペジオでエモっぽくし、そのまま"白紙委任状"に繋げるくだり学あり、本当にくだらなく笑ってしまった。そして、最後の"夜間通用口"でまたもしーなちゃんが登場しダイブ。トキョショキが始まる前だが、しーなちゃん含め会場の盛り上がりは最高潮になり、最高のバトンタッチとなった。

 転換も終わり、いよいよトキョショキの登場。昨日と同じくBecauseあいらぶゆーから始まり、"BAKAちんぽ"や"山田!恐ろしい男"など激しい曲が続き、PKからもらったバトンをしっかり受け取り、勢いそのままどころかさらに加速させていった。そして、この日初お披露目となった新曲の"恋セヨ乙女"。今まで以上にロックに寄った曲調ながらも、しーなちゃんらしいかわいい歌詞で、次のリリースがさらに楽しみとなった曲だった。途中、ヤマトパンクスを呼び込み始まった"再生ボタン"では、しーなちゃんがヤマトをヘッドロックしながら歌っていたのが今日のライブのハイライトだろう。
昨日と似たセトリではあったが、マスク無しのお陰か、はたまた若さから来るものなのか、確実に昨日以上の盛り上がりを見せたライブだった。

4/17 Mon
”新興宗教東京初期衝動お布施回収ライヴ”
 楽しかった3DAYSも気づけば最終日。一昨日、昨日が素晴らしいライブだったので、今日はどんなライブになるのか、これまでのライブ以上に楽しみだった。
そして、この日もしーなちゃんから

と宣言があり、期待が膨らむ。会場の下北沢SHELTERの前には、”新興宗教信者”とおぼしき人達が集まっていて、開場を今か今かと待ちわびていた。
余談だが、開場前の整列時、偶然にも以前お会いしたことのあるフォロワー、そしてそのお知り合いの方と連番になるという奇跡(?)が起こった。

 ライブはHazeの"引きこもりロック"からスタート。宣言通り1曲目からしーなちゃんが現れダイブ。実は過去にあった対バンや一昨日の茶沢など、見る機会はあったが時間や都合が合わず、この日が初めてのHazeとなった。サビでジャンプが起こった"挽肉"は、数少ない知っている曲ということもあるが、とても楽しかった瞬間だった。ほぼ曲を知らない状態で行ったが、音源で聴くより何十倍も良く、あっという間の1時間だった。

 Hazeのライブが終わり、この3日間の大トリ、東京初期衝動へ。この日も1曲目は"Becauseあいらぶゆー"。見方によってはワンパターンにも見えるが、トキョショキの中で「1曲目はこれ!」というものが固まったような感じがした。純粋にイントロからサビへの盛り上がりが1曲目にぴったりということも理由の一つとしてあるが、個人的にはそう思ったのだ。
さらにこの日は、新曲を3曲(愛うぉんちゅー、メンチカツ食ってシャンとしろ!!、命短し恋せよ乙女)も演奏し、とても贅沢なライブでもあった。ライブ終盤の"黒ギャルのケツは煮卵に似てる"では、しーなちゃんがダイブしたままフロア後方に降り、手書きの銀テープを配り歩きにきた(この時、一瞬一昨日のヤマトを思い出してしまった…)。
"再生ボタン"ではかてぃが、"爆速高円寺"ではHazeのメンバー全員がダイブしてきた。Hazeのメンバーの中にはこれが初ダイブというメンバーもいたが、流石はトキョショキファン。目に見えない連携を見せ、落とすことなく初ダイブを送ることができた。そのせいか、終盤に起こったダイブ祭りでは体力切れで前まで送ることができなかった。そしてラスト、みんなほぼ酸欠状態で歌った"爆速高円寺"でこの3日間を締めくくった。後半のカオス具合もあり、この3日間、いや今までのトキョショキのライブで今日が一番最高のライブとなった。

 この3日間を通して感じたことは、ファンや対バン相手以上にしーなちゃん自信が1番ライブを楽しんでいたと感じた。特にそれを感じたのは、しーなちゃんがダイブしたときだ。いつもダイブするときは背を向けてダイブしていた(気がした)が、この3日間は前を向いて、それも毎回後ろの方まで飛ぼうと全力でダイブしてきていた。自分の語彙力不足でこの変化が上手く伝わらないことが歯痒いが、笑顔でフロアに飛び込むしーなちゃんの姿が本当に素敵だった。

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