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僕とコロナと銀杏BOYS

 銀杏BOYZの事を書くよ。全然詳しくないけど、でも、僕にとって銀杏BOYZはずっと心に引っ掛かっていたバンドなんだ。

 僕と銀杏BOYZとの最初の出会いはこれ。2007年に行ったセットストック。僕が生まれて初めて行ったフェス。
その時のタイムテーブルがこちら

あー、懐かしいなぁ。いいラインナップ。
居るよね、銀杏BOYZ
居るんだよ、この中に
でもね、僕は観てないの
本命のクロマニヨンズを観るために、この時は銀杏BOYZは諦めた。

でもね、半裸の峯田の映像は覚えてるんだ。確か、別のステージの様子がビジョンで流れてて、音は流れなかったけど、ビジョンの中の峯田は「こっち来いよっ!」って言ってる気がした。
次は観るよって、僕は峯田に一方的に約束した。

それから何年も経った。
セットストックは終ってしまった。
銀杏BOYZはメンバーが峯田ひとりになった。
僕は歳を取って、僕よりも僕の息子くんの方が銀杏BOYZに詳しくなった。
次の機会はなかなか来なかった。

そして2023年
銀杏BOYZの全国ツアーが発表された。2024年に僕の地元にも来てくれる。僕はチケットを取った。約束を果たす時が来る。僕はワクワクしていた。

年が明けて2024年
3月になってすぐ、僕はコロナになった。初めてだった。周りの人から2〜3 日は辛いよと聞いていた。
実際はそんなものではなかった。高熱、それが治まってからは喉の痛みと咳で食事も睡眠もとれない。それが1週間続き、僕は消耗した。なんとか仕事に復帰したけど、体調はなかなか戻らなかった。
ちょうどこの時近くでクロマニヨンズのライブがあって、チケットは取っていたけど、行けなかった。どんなに悔しいかと思ったけど、これが全く悔しくなくて、その事が1番ショックだった。
生活するので精一杯で、自分にとって大切だったものに対する執着心がなくなったようだった。
音楽を聴くより寝ていたいと思ったし、無理に聴いても耳障りなだけだった。
もう、ライブハウスに行く事はないのかもな、とも思った。
とにかくエネルギーをセーブして過ごす毎日だった。

3月下旬のお休みの日
久しぶりに気分がよくて、レコードを聴いた。気持ちがよかった。涙がでた。
楽しいっていうのは、こうゆう事か、と思い出した。
4 月になったら銀杏BOYZのライブがある。まだ体調には不安がある。でも、行きたいな、と、僕は思った。

4月 ライブ当日
この日はひどい雨
でも仕事は定時で終わらせる事ができた
僕の心は決まった
ライブハウスへ行くんだ

 この日、チケットに書いてある整理番号はめちゃめちゃよかった。でも、久しぶりのライブだし、リハビリを兼ねて後ろのほうで観ると決めてたので、僕はギリギリの時間で入場した。
 すると、前座でサンボマスターの山口君が出てきた。エレキギターを肩から下げて、「時間まもらなくっちゃ」と忙しない(笑)
この山口君がとにかく全力で
「このライブなんとなく楽しむのか、それとも全員優勝するのか、今ここで決めろーっ」って
 エネルギーを温存しようとしてた僕の心を見透かされたようで、僕は恥ずかしくなった
 そうだよな、ロックンロールを観に来てたんだよな、忘れてたよ、目が覚めたような気がした。ありがとう、山口君。
 
 次に峯田が出てきた。もう上半身裸だった。裸の肩にアコギをぶら下げてた。
 1曲目が始まった。知らない曲かな?と思ったが、しばらく聴いてるとわかった。僕の好きな曲「銀河鉄道の夜」だ。この曲は銀杏BOYZの前のバンドからある曲で、何回かバージョンアップされてる。その最新版をやってくれたんだと思う。これライブで聴きたかったんだよ。嬉しかった。
 2曲目でギターの弦が切れた。2、3本切れた。そのまま鬼気迫る感じで演奏する峯田。いつもこんな激しい弾き語りをしているのかー、と思ったら、曲終わりのMCで「僕はいつもチューニングも狂わない。弦を切る事なんて滅多にない。」と言っていた。
「前にあんな事やられて、これは服なんか着てる場合じゃない、と思って気合いれてやったらコレだよー」
 そうか、あの山口君の全力、そしてそれに答えるように力が入った峯田。ラジオのケンカが有名な二人だけど、まっすぐな友情があるんだなあと、胸が熱くなった。
 峯田はコロナの事も言っていた。
「サボってた訳じゃないんだけど、いつでも音楽はできると思ってた。でも、コロナになって、出来なくなって、また出来るようになったら全国を回ろうと思って」
「で、実際やったら大変で、今日40本目なんだけど、またやるかって聞かれたら、もう二度とやらない(笑)」
こうも言っていた。
「歌が歌いたいんじゃない、みんなに会いに来たんだよ」

 僕は銀杏BOYZの熱心なファンじゃないので、曲は全部知らないし、歌えない。
 でも、待ってたーという感じのファンの人達が峯田と一緒に歌っているのを聴くのは、とても気持ちがよかった。
 そして、僕にも歌える曲があった「BABY BABY」峯田はマイクをこっち側に向けた
 会場のファンの皆は大合唱。僕も大きな声で歌った。
 峯田は少し感極まっていた「日本全国でこんな大歓迎を受けるんですよ。こんな僕でも、愛を感じてしまう」
 いやあ、こっちも感じたよ。峯田の事はテレビとか本で知った気になってたけど、ライブは違うね、こんなに凄いミュージシャンだとは知らなかったよ。お陰で夢中になれた。僕も戻ってこれたよ。

 そして、アンコール。期待通り山口君再登場。峯田とのケンカもそこそこに(笑)、二人で演奏してくれた。そして、最後にもう1曲、練習してないやつを1番だけ。この曲はめちゃくちゃ嬉しい選曲だったよ。ロックンロールは繋がっていくんだなあ。

 あ、最後に、この日峯田すごく嬉しい事を言ってくれて、それを書いて終わりにするよ。と、いうか、これを書きたかったんだ。 

「嘘だと思って聞いてくれてもいいんだけど、このツアー終ったら新しいアルバム出すから、そんでバンドでまた戻ってくるから。」
「あと、国立競技場で14万人集めてやるから、よかったら山口県から来てください」
 
 どうやら、また峯田と約束ができてしまったらしい。
 僕はまた銀杏BOYZのライブに行くよ。今度はバンドのやつ。
 そんで、国立競技場が決まったら行くよ。そん時はみんなも行こうよ。14万人で大合唱しよう。きっと楽しいよ。😉
 


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