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因果応報

先日息子が小学校から帰ってくるなり、さめざめと泣き始めた。
下校中、友達が近所の公園の脇にできた水たまりを指差し、「お前のおしっこや」と囃し立ててきたそうだ。

雨で水たまりが出来る度に同じ文句で囃し立てられ、これで三回目だった。「仏の顔も三度だ、これは小学校の先生にご報告して止めてもらおう!その子にとっても、面白くないことだと今の歳で気づかせてあげた方が親切よ!」と私は腹を立て、先生に連絡をした。

次の日。お忙しいのに先生がすぐに対応してくださったうえ、お電話までいただいた。当事者二人を呼び、話を聞き、相手には謝ってもらって解決しました、とのこと。そして何故そんなことを言ったのか聞いて下さり、真相が判明した。

以前公園で一緒に遊んでいた際、「おしっこ行ってくるわ」と言って場所を離れた息子が、例の公園脇の木に向かって立ち小便を始めたと。その小便が流れた先に大きな水たまりが出来た、それから水たまりが出来るとそのことを思い出し、息子に声をかけていたとのことだった。

息子と幼稚園バスの到着を待っていた何年か前、ちょうどその公園脇で毎日バスを待っていた。じきバスが到着するという時に、何回か尿意を訴えられた。そしてその度に、「もうそこでしちゃいなさいよ」と立小便をさせた私…。

息子はこんなところでしていいのか、と戸惑っていた。「わかりゃしないわよ、それより早くやっちゃいなさい」と今思えば呆れるようなことを息子に強いた。

そして何年もたった今、このような形であの時の己の行為が跳ね返ってくるとは。友達は立小便などしない、極めてきちんとしたお育ちであったから、余計に息子の行為に鮮烈な印象を抱き、囃し立てていたのか、と腑に落ちた。しつこい嫌がらせを言ってくるような子ではなかったのに、と。

親の因果が子に報い、と聞くがこんなことが起こるのだなと感じいった出来事だった。今回のことをよくよく胸に刻み、これから先の自分の行為を一つ一つ気を付けていこうと思った。


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