シティー・オブ・シグマー第2版バトルトーム読了感想

今版からシティー・オブ・シグマーを始める人は、違和感なく始められると思うけど、前版からのプレイヤーとしての回顧発言については、多少大目に見て頂きたい。

ざっと読んだ所感は、公式が「シティー・オブ・シグマーはいずれ人間だけのアーミーにしたい」的なニュアンスを匂わせていた通りの流れに乗せるべく、次版〜次々版でもう、ほぼ人間だけのアーミーにする為の準備号といった感想でした。

2〜3年後?の更新でダークエルフは独立し、ドゥアーディンも離れていくんじゃ無いかな?と、個人的に思ってます。
エルフとドゥアーディンでやっていこう!と思っている人は、いずれ来たる手持ちモデルのR.I.P(安らかに眠れ)への覚悟&オールドワールドにスライドしようぜ!っていう想いを胸に刻んでおく必要がある……かもしれない。

第1版との違い

英語版を見ないとわからないが、
『連合ユニットシステム』が無くなった。
すべて同盟軍 となる。

この為、以前の版ならば同盟ではない為に、同盟として編成できるポイントコスト上限を無視して、ストームキャストなら魔術都市ハロウハートにクロンディスを、ルミネスレルムロードなら光の入植都市セトラーズゲインにテクリスを……といった具合に、同盟ならばピッチバトル毎に設けられた編成コスト上限を気にせずに編成することが出来たのだが、これが出来なくなった。
やるかどうかはともかく、テンペストアイにフリゲート艦を入れるだけで、同盟に消費できるポイント枠を300も消費するのはかなり厳しい。

かつては連合ユニットという括りと同盟ユニットという括りが別々であった為、都市毎に組み込める他秩序陣営にはそれぞれ制限があった。
今回、連合ユニットというシステムの消滅により、グレイウォーター砦に対するシルヴァネス不可を除く、どの都市でも同盟陣営を組み込めるようになったのは、懐の幅が広くなった分、組み込みの深さについては浅くなった印象が残る。

他のアーミーでも、同盟枠を使ってまでロスターを強化する!といったことは少ないので、連合ユニットシステムがシグマーの城塞都市から無くなってしまった以上は、よそからユニットを借りてくるという考えはあまり意識しない方が良いと思われる。
だが昵懇の仲だったストームキャストまで同盟枠に落とすとは、どういう了見だコラ?GWさん?

ちなみにグレイウォーター砦は、兵器製時の排煙問題と燃料調達の為の伐採で、シルヴァネスから相当な恨みを買っており、明確に敵対しているという設定がある。
その為、グレイウォーター砦にはシルヴァネスを組み込むことが出来ない。

逆に連合ユニットシステムがまだ生きている、ストームキャストの嵐の城塞に、今版のフリーギルドスティールヘルムやキャステライトキーワード持ち、フリーギルド各種を連合ユニットとして持ち込んでみると、面白い動きができるかも知れない。

『シティー・オブ・シグマー・(種族)キーワード』の誇張と、種族間シナジーの無さが際立つようになった。

人間のバフは人間だけにしか影響を及ぼさず、ドゥアーディンはドゥアーディンだけ、エルフはエルフだけにしか影響を及ぼさない。
神器や各種魔法、祈祷なんかも種族別に別れ、種族を問わず持たせることの出来る神器や習得可能な魔法はごく一部に限られてしまった。
この為、前版では都市キーワードを共有していれば、種族など関係なく大体は恩恵を受けられたのだが、今版は特定の種族にのみ絞って集めた上で、補助的に他種族を空いたポイントの隙間に差し込むようにして使うような形になると思われる。
もしくは人間2ユニット、エルフ2ユニット、ドゥアーディン2ユニット…を重ねて3種族無理繰り組み合わせた編成になるが、構成と運用を考えるのが難しいのでは?と言う気がしてならない。
兎にも角にも人間優遇が目立つ。

バトルショックテスト時の潰走防止アビリティと加護持ち&加護配布持ちが増え、死亡したモデルの復帰手段を手に入れたし、接敵していても『再集結』使えたりする都市特性やヒーロー(ターリア)が追加された。

全体として纏まっていれば、死んでも帰ってくるし、倒すことで脱走させようと目論んでも、ダイスロールこそあるが脱走防止させられるという、対峙してて硬い!という印象を受けるアビリティが増えている。
ダイスロール無しでも脱走防止させたい!というなら、ストームキャストのインドラスタが種族を問わずにバトルショック無効なので便利。ただし、同盟陣営枠を喰う事を考えると、どちらが良いのか?は答えが出ない問答になる。
ヴィンディカルム都市の特性で、敵の3mv以内に居ても再集結の指揮アビリティを使える上に、5+でかえってくる…時と場合によってはしぶとい動きを見せる事ができる。
それをターリアが行う場合、4+で戻ってくるのだから、たまったものではない。

各種命令システム

今回の版上げの一種の目玉コンテンツ。
当方40kのアストラミリタルムはプレイしたことがないので「似たようなもの」と言われても、ピンとこないんですが、アーミー全体としての動きを補佐する、指揮アビリティとは別の補助的アビリティのようなものであり、指揮アビリティの発令受令を妨げるものではないというのが特徴的。
使い慣れてくると強力な効果になってくるものがチラチラとあるように読めます。

都市特性(サブファクション)

前に版と違い、各都市の特徴的な一面を抜き出して、コンパクトに表した形になっている。
その反面、連合ユニットシステムが消えたお陰で「たしかにそれは設定にあった特徴と一致しているんだけど」(困惑)といった都市があるのも事実。

ハンマーハルアキュシャは、ストームキャストの【ハンマーハルの賢者、アベンティス・ファイアストライク】を入れると追加CPを1点貰えるというだけで入れる意味を疑う。
命令保持数2個のほうがむしろメイン。

カラドロンと仲の良かったテンペストアイは、テンペストアイのユニットと飛行艦と飛行艦搭乗ユニットが同一ターンに退却しても射撃できるという特徴が残されてはいるものの、同盟枠のポイントコスト上限が足枷になっており、あまり利点を活かしきれるとは思えない形に。

リビングシティの『隠し小径の狩人』は、前版からの続投で喜ばしいが、予備配置に置けるのはリビングシティユニットとシルヴァネスのみであって、他の同盟陣営ユニット(前版はストームキャストも隠せた)は使えないという点が地味に痛い。

新都市のレシスは、ヒューマンヒーローがプリーストになり、相手の加護を打ち消す祈祷を得るという変わり種。泥仕合になりそうな硬い硬いナーグル殺しをやるのに有効かな?

色々と気になる都市はあるが、各種取り上げての論評はキリがないのでこのあたりで。

種族別に。

人間
フリーギルドか、神殿関係か、アイアンウェルド工廠か、魔法大学か。
大まかに4タイプを組み合わせて一塊になり、相互に上手く作用し合うように使うよう、綺麗にまとまっている印象を受ける。
ただしそれは人間種族のみに対してであり、やはり他の2種族に影響を及ぼす類のバフは、ザッと見た感じ見当たらない。
せめて移動力を増やす野獣変身の呪文が、対象をドゥアーディンに取れれば突撃距離が伸びたのに。
基本的にロスターを構築するのにコアとなるユニットが豊富。
隙間隙間にシナジーを考慮しなくて良い他種族ユニットや、同盟ユニットを差すのが今版シティー・オブ・シグマーの戦いかたの基礎と思う。

ドゥアーディン
他種族にまたがるバフが無い上に、ユニット総数も少なく、種族単独でコアにしては機動力不足を常に命令で補い続けねばならないか、前版から移動距離の落ちたジャイロコプターや、フリーギルドキャバリア等の騎兵を借りてきて補う必要がある。
癖の強いシナジーが噛み合っており、人間コアの編成につまみつまみでドゥアーディンユニットを借りてくるような使い方、混ぜ方がし辛い印象を受けた。
いっそ全てをドゥアーディンで組む方が硬い硬いまでありそう。

アエルフ
コア編成その2。前からユニット性能がちょこちょこ変更加えられているものの、ブラックドラゴン騎乗のソーサレスかドレッドロードを筆頭ヒーローに、以前と余り変わりのない組み方が出来そうではある。
アンヴィルガルド陥落の為、ウォーヒドラとカリュブディスがバトルラインにならなくなったのだけは痛恨。
基本兵科はその他でも、条件付きバトルラインになるユニットが多数盛り込まれている。

コスト

新規ユニットや能力の上がったユニットは総じて高め。まあ出たてなので仕方ない。
逆に今ひとつ使いにくい印象を受けた、アサシン等の旧来のユニットは低めに落ち着いている印象を受ける。


終わりに。

気を抜くと、詳細を盛り上げての個人的感想に終始しそうになったので、何度か推敲しつつ書きました。

冒頭でも結論のように書いてますが、人間専用アーミーになるための準備号のような仕上がりだな!という印象が強かったです。
次に切り離されるとしたら、マレリオン(メルキス)が立ち上がってのダークエルフ丸ごと離反か、アズィルヘルムに帰ってきたアルカノート・カンパニースーツを着たグルングニが、都市に残ったディスポゼッスド・ドゥアーディンを率いて離れていくか、その両方何じゃないかな?と。それでも一部のドゥアーディン、アエルフは残るでしょうが、かなり数が減ると思われます。


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