自分越しに友人に手を振る中学生

パン屋のテラスでコーヒーを飲んでいたら、道路側から誰かが僕の方に声をかけた。しかし呼んでいるのは僕の名前ではない。コーヒーに口をつけたまま内容をじっくり聞いていると、どうやらこのパン屋で友達が働いているらしい。そういえば厨房の中でジャージ姿の中学生が何人か手伝いをしていて、職業体験のようなものかな、とパンを買いながら思ったのだった。おそらくあの中の1人に友達がいるのだろう。ちらと横目で店内を見ると、1人の女の子がガラスを一枚挟んだ向こう側で机を丁寧に布巾で拭いている。道端から