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いよいよ秋競馬の始まり。中央に戻ってくる前に真夏のローカル2歳戦を振り返る。

9月に入ると、ローカル開催も終わりに近づき、
いよいよ東京、中山、阪神競馬場へ舞台は移ってくる。

真夏の暑い時期を休んでいた実績馬も動き出し、
本格的な秋競馬に向けて人馬共に本気を出してくる。

今年の秋競馬の傾向や来春のクラシックの勢力図。
そして大まかなテーマを探るために、
まずは今年の夏の2歳戦を振り返ってみよう。


データは、6/5(土)の中京5R新馬戦から、
8/29(日)の新潟2歳S(G3)までの2歳戦の全158レース。


【騎手】

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昨年同様に2歳戦に関してはブック系の川田、福永への信頼感は抜群だ。
福永、川田、ルメール、武史といったリーディング上位騎手が中心。

場所的には、福永、川田は新潟と小倉で勝ち星を量産しており、
ルメールと武史は北海道シリーズという内訳となっている。

馬主的には、4名ともにノーザン系のクラブ馬の騎乗が多く、
特に武史はシルクレーシングでの勝ちが目立つ。

昨年と比べて、休んでいる北村友一と、田辺裕信の勝ち星が減り、
三浦皇成、団野、デムーロあたりが浮上しているのも分かる。




【馬主】

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当然と言えば当然だが、やはりノーザン系のクラブの勝ち上がりが凄い。
勝率の高い東京ホースレーシングとスリーエイチレーシングを見ても、
勝ち上がっているのは、ノーザンファーム生産馬が中心となっている。


2歳戦においてクラブ毎の騎手起用を見ると、
福永、川田、ルメールといったいわゆるノーザンクラブ御三家は
相変わらノーザンファームからの信頼が大きいのが分かる。

特に2歳馬は、まだ馬が若く成長途上である上に、
新馬、未勝利戦を勝ち上がらなくてはいけない使命もあるので、
プレッシャーも大きく、ベテランに依頼する事が多いのだろう。


サンデーレーシング

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サンデーRは松山の起用が多くなっているのが特徴だが、
2勝は新潟・小倉でのもので、やはり40口クラブだけに
福永、川田、ルメールといったベテラン騎手への信頼は厚い。
逆に戸崎の起用は少なく、岩田父はかろうじて起用されている程度。


シルクレーシング

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シルクRは、川田に代わって圧倒的に武史の起用が目立ったが、
この3勝はいずれも北海道シリーズでのものであり、
中央に戻ってくれば御三家のもとに依頼は集まってくるだろう。


キャロットファーム

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川田、福永、ルメールが中心で、なかなかの勝ち上がりを見せた。
キャロットは今年の2歳に限って、戸崎への騎乗依頼は無かった。

中央に戻った時に、福永、川田、ルメールという鉄壁の御三家に
武史、隼人、弘平がどれだけシェアを取ってくるかがテーマとなる。
裏開催で狙いたいのは、団野、菅原、丸山、西村あたりとなる。



【血統】


◆種牡馬別集計:2021. 6. 5 ~ 2021. 8.29
--------------------------------------------------------
種牡馬     種付け料  着別度数   勝率
--------------------------------------------------------
ドゥラメンテ  (1000万) 8- 7- 9-50 /74 10.8%
ロードカナロア (1500万) 8- 6- 3-33 /50 16.0%
シルバーステート( 150万) 7- 6- 3-29 /45 15.6%
モーリス    ( 800万) 7- 6- 1-33 /47 14.9%
ハービンジャー ( 400万) 7- 5- 2-35 /49 14.3%
キズナ     (1000万) 7- 5- 1-20 /33 21.2%
ドレフォン   ( 300万) 6- 4- 4-42 /56 10.7%
ダイワメジャー (Private) 6- 3- 4-32 /45 13.3%
エピファネイア (1000万) 6- 2-11-36 /55 10.9%
ハーツクライ  (--------) 5- 5- 3-14 /27 18.5%
--------------------------------------------------------


ディープインパクトなどの大物種牡馬の消失と
ロードカナロアの不振で混とんとしてきた種牡馬界だが、
社台SSの繋養ではないシルバーステートが頑張っている。

元はノーザンファーム生産馬で、募集額1億円の馬だったため、
重賞未勝利ながら優駿スタリオンステーションでの期待は高く、
リース形式のシンジケートは即日満口になるほど人気。

優駿SSのパンフレットでは「幻の最強馬」と絶賛しており、
種付け料は初年度の80万円から倍増したがまだ150万と格安。

新型コロナウイルスで打撃を受けて弱っている日本、
こういう時こそ、安い血統の馬が活躍するアノマリーはある。



【まとめ】

■函館2歳S 1着 ナムラコリス(泉谷楓真の初重賞制覇)

※2着キャロットのカイカノキセキが賞金追加


■新潟2歳S 1着 セリフォス(川田ーG1レーシング)

※2着キャロットのアライバルが賞金追加


まだまだシルクRやサンデーRの大物が控えているうえに、
そろそろ中央開催に入り、ノーザンの思惑が浮き彫りになる。

これまで行われた2歳の2重賞において、
キャロットファーム2騎がしっかり賞金加算している。
勝つときは大きく、負けてもタダでは負けぬ。
なんとも不気味ではないか。


来週に控える2歳重賞は、札幌と小倉で行われる2歳S。

過去のデータを見る限りローカル色が強い小倉は「非社台系」、
馬主協会を含めて社台・ノーザン色の強い札幌は「社台・ノーザン系」
といった結果になる可能性は非常に高いとみた。


主導権を握る陣営がどの馬を勝たせたいのか?
どの陣営のどの馬が賞金を加算したいのか?

騎手の乗り替わりや、ローテーション、
同じ系列の出走馬や騎手などの配置によって
陣営のいわゆる「ヤリ」が読み取れるはずだ。

どの馬が勝てば誰にどのようなメリットがあるのか?

馬は走る、だが走らせているのは人間である。
資本主義の中で行われているのを念頭に置いて
常に走らせる側に立って考える。

「どんな結果が一番メリットが大きいか」

これが清水成駿氏の教えであり、私の予想の基本である。


秋競馬も妄想を働かせてウラスジから攻めて楽しみましょう!

キャプチャ


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