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詩の時代、かもしれない

このところ、詩人の菅原敏さんのライブによく行ってます。cakesにも登場していただいたことがあって、くわしくはここを見てほしいんだけど、菅原さんは、やたらとかっこいい詩を、とにかくかっこよく朗読する。

菅原さんが朗読する様子は、キザすぎる感じもして、最初は笑えたりするんだけど、見ているうちにめちゃくちゃかっこいいなと思えてくる。ライブののときに客席を見ていると、最初は斜に構えて笑っているひとたちが、だんだん引きこまれていく様子が見える。とくに、女性の視線がうっとりと変化していく様はなかなかの「見もの」だ。

本気でかっこつけて、かっこいいことを言うというのは、いまの時代に、もっとも不足していることなんだと思う。一部、韓流のアイドルやタレントがその役割を担っているのだと思うのだけれど、そういえば、日本人でそこをつきつめているひとは見当たらない。

詩という表現形式は、古さを極めてしまった感があるけれど、これからまた「くる」んじゃないかと思う。短い言葉で、感情を伝える、この形式は、インターネット時代に、とりわけスマートフォン時代に、とてもふさわしい気がする。

最近、菅原さんといっしょに、新しいコンテンツをつくるために、古典の詩をいっしょに読むという作業をしている。ゲーテやシェイクスピア、ヴェルレーヌ、バイロンなどの詩を、大量に会議室の机に並べて、いっしょに読んでいる。

やっぱり、とんでもなくすばらしいのだ。人間ってぜんぜん変わってないんだなということと、偉大な詩人の普遍的な感性は、まったく古びていないことがわかる。もうちょっとでお届けできると思うのでお楽しみに。

【前編】詩人として食べていけたら、それはとても素敵なことだなと|いま詩人として生きていく――詩人・菅原敏インタビュー
https://cakes.mu/posts/4906

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