「夢と狂気の王国」
ジブリのドキュメンタリーの「夢と狂気の王国」のブルーレイを買って見ました。この映画、監督は「エンディングノート」の砂田麻美さんで、プロデューサーはドワンゴの川上会長です。
この作品の魅力は、砂田監督が1年間ジブリに通い続けて撮影した、天才たちがものづくりをする日常の様子です。だれのためなのか、彼らは、怒ったり、笑ったり、リラックスしたり、議論したりしながら、とにかく仕事をし続けていきます。この映画がとくにすばらしいのは、被写体にとても近いところにある、カメラの「立ち位置」です。
カメラは、撮影者と被写体の関係性を写す道具なんですよね。いいカメラマンは、撮影の技術が高いのはもちろんなのですが、自分なりの被写体との関係性をつくるワザを持っています。砂田監督は絶妙な立ち位置で、関係者の日常の一部になっていたのだなと思います。
砂田監督には、cakesでもインタビューを掲載させていただいたことがあります。
希望としての狂気の描き方――砂田麻美監督インタビュー
https://cakes.mu/series/3035
そこで印象に残ったのが、ドキュメンタリーを撮ることについてうかがっていたときに「カメラを回すのがすごく嫌」「撮影は相手からなにかを搾取する行為」という話です(第4回に掲載されています)。
砂田監督の敬意と、そのおかげでみえてきた、ジブリの人々の、仕事に対する、狂気すら感じさせる「本気度」を見せてくれる、すばらしい映画だと思います。
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