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今日のnote #39

昨日は、教える機会が多い日だった。新人マンガ家さんの原稿を読んでコメントをしたり、会社の編集アルバイト・インターン向けにタイトルの付け方を教えたりした。

どちらでも、同じ質問をしていた。

「これ、だれに届けようと思って書いてるの?」

いまいちな表現物は、だいたい、ただなんとなく、つくられている。書けるから書いた、言われたから書いた、みたいなものが多い。共通しているのは「お客さん」の視点が欠けていることだ。そもそも、表現物はだれかになにかを伝えるためのものだから、お客さんの視点がないものは、ありえない。

じつはこれ、仕事でも同じだったりする。仕事でもうひとつ成果があがらないひとは、上司に言われたことだけをやっている。ほんとうは、上司の指示の向こうに「顧客」がいる。そこを考えながらやるだけで、ぜんぜん成果が変わってくる。

顧客が求めている、ほんとうにやるべきことを10とすると、上司の指示は8くらいになりがちだ。短い言葉ですべて言えることばかりではないからだ。そして、上司の指示だけをやろうとすると、できあがりは6くらいになる。これでは上司も満足させられないし、目指すべき10には遠く満たない結果となる。

ドラッカーは「まず、顧客を定義せよ」と言った。いちばん最初にすべきことは、お客さんはだれで、なにを欲しているのかを決めろということだ。最初に読んだときはよくわからなかったけれど、いまは、ほんとにそうだなと思う。

そして、たぶんこれ、人間関係でも同じなんですよね。自分のことばかりでなく、相手のことを考える。そういうひとと付き合いたいですよね、だれだって。ドラッカー、すごいな。

5月15日 木曜日

PS. ドラッカーの顧客の定義の話は『マネジメント』という本に書いてあるんですが、難しいというひとは『もしドラ』という本にやさしく書いてあるらしいですよ(宣伝)。

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