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地に潜む玄武の至宝①

今回のミッションは、ボクらが地下のダンジョンへ潜って、至宝を手に入れることだ。

 🌋 🌋 🌋

こんにちは。フジミドリです。MMORPGコアワールドのスタート。ミツヒロ&サクヤが、ゲームで遊び、中心感覚を磨きます。
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玄武の至宝は全3回です。ミツ&サクのコンビ、是非とも至宝をゲットして欲しい。プロセスをお楽しみ頂けたなら。そのような在り方で書いて参りましょう。

 🐢 🐢 🐢

ボクらはガイドを雇った。地下のダンジョンへ潜る道案内だ。途中で魔物を倒しながら、今回のラスボス玄武について話を聞く。

「カメの化け物です。めちゃくちゃデカくて強い。ま~ずどんな攻撃も通用しませんね」

ガイドは小柄なエルフだ。軽い口調で説明。石畳の道を進む。さすが慣れてる感じ。

 🌉 🌉 🌉

『どんな攻撃も(゜o゜;)
「ミスリル剣だって、切れませんぜ」
「火魔法は」サクヤが口を挟む。
「玄武ってやつは、火を吹きますから」 

途中でゴブリンの群れと遭遇したけど、素早く索敵できたから瞬殺だった。ボクが前衛で突っ込んでも、サクヤの後方支援なら万全。

ボクは、ゴブリンを何匹も切り倒したけど、戦闘モードがあっさりにしてあるから、グロくない。カンタンに殺せちゃう。

ピロロリン──レベルアップだ🙌

AIサポートは完璧だね。何をどうすればいいのか、選択肢が画面に浮かぶ。戦闘する前にシミュレーションできちゃうもん。

これって、日常生活でもあったら、超便利なんだけどな。迷わなくて済むよ。

 🌷 🌷 🌷

「着きました。最下層です」

ボクはふと思いつく。リアルモードに換えてみる。暗い。急に周りを暗く感じる。ジメっとして息苦しい。突然、大きな音が響いた。

他のパーティがチャレンジ中だ。ボクらは、岩陰に腰を下ろす。戦いぶりを観察した。

前衛は2メートルを超す大男で筋肉隆々だ。頭はつるりとスキンヘッド。巨大な長剣を両手で握り、気合いと共に斬り込んだ。

尻尾狙いですね」

ガイドのエルフが呟いた。巨大な亀の玄武は尻尾が蛇だった。のたうちながら、食い千切ろうとして牙を剥く。怖ッ💦

 🐍 🐍 🐍

「あの獣人は、額の文字を狙ってます」

玄武の額に文字が四つ並ぶ。一つでも削れば終わり。玄武は消えて至宝が残る。鎧を着けた獣人が、短剣片手に飛び掛かった。

玄武は火を吹く。ゴウッと爆音。こっちまで熱い。獣人が炎に包まれる。ヤバいぞ💢

バリアーですね。強い魔法だな」

炎に包まれた獣人の周り、うっすら球体が浮かぶ。防御魔法で守られたのだ。でも、額に届く前、消えていく。獣人は飛び退いた。

 🎆 🎆 🎆

「あたし、できるかなぁ」

サクヤは横座りで両手を開く。左右の指が合わさる。呪文を呟く。ボクは唾を呑んだ。

気持ちが揺れ動く。だってそうだよね。玄武の吹き出す炎に包まれた時、サクヤの魔法で守ってもらうわけだから──

 《シミュレーションしますか》

選択肢が浮かぶ。選びながら戦略を立てる。 ボクのアイデアにサクヤが意見を返す。ガイドも口を挟む。ムリな気がしてきた。

 🗿 🗿 🗿

今のレベルで立ち向かうしかない。可能性はある。でも、確実じゃなかった。

「あたし、5秒は守れる」
『なら、5秒で炎の軌道から出るよ!』
過信は禁物ですぜ」
『「え。どういうこと?」』

「皆さんアバウトなんです。きっとできる、やってみなけりゃわからない、なんとかなるとかね。それで何人も命を落としました」

メンタルモニターを見る。わ。泣き顔だよ。中心感覚モードは、起動していなかった。

 😨 😨 😨

VRセンサーが、ボクの声色や脳波から、心理状態を読み取って、画面表示する。これってヤバいよね。みんなバレちゃう(゜o゜;)

ゼロになって、中心感覚が発露されないと、ポイントゲットできない。ボクは大きく息を吐く。中心の仙骨を意識した。

「あっしは、ちょいと消えますね」

 🌿 🌿 🌿

ガイドがログアウトした。そこでボクらも、イデアルームへと避難した。ここで休むのなら、ゲームは一時停止のルールだ。

明るく静かなイデアルーム。クラシック音楽が低く流れ、空調も爽やかだった。ソファーに腰掛け寛げた。サクヤが隣に座る。

「玄武って強いね。甲羅が硬そう。尻尾の蛇は素早いし。あのパーティも苦戦してる」

『そうだね。でも、攻略できるって在り方じゃないと、アイデアも活かせないよ。ガイドさんは、ああ言ったけどさ』

 🌈 🌈 🌈

わ。ボク、何言ってんだろ。カッコつけ過ぎだよ。でもなんか、自然に言っちゃった。

メンタルモニターを見る。青色の感情モードはそのままの長さで、赤色の中心感覚が増えている。なんだかとても心地よかった。

サクヤは黙って、ボクと目を合わす。それからちょっと、首を傾げた。カワイイな。

「うん、そうだよね」

 💞 💞 💞

ダンジョンに戻るとゲームが動き出す。戦っていたパーティーは見切りをつけたようだ。ヒーラーさんが他の3人を癒し始めた。

ボクらは岩陰から出る。引き上げていく4人と向かい合う。前衛の大男が片手を挙げた。

「見ての通りだ。手強いゴーレムだぜ。オレらの戦いは参考になったかな。幸運を祈る」

「『ありがとう』」

 👋 👋 👋

玄武の甲羅は硬い。ミスリル剣でもダメだ。尻尾の蛇なら切れるかも。だけど動きが超速い。額の文字狙いは火を吹かれちゃう。

さぁ困った。どうしよう( ̄▽ ̄;)

9月19日午前10時へ続く💖

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イラストは朔川揺さん🌸

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