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やあ、父さん! 元気かい。 うーん。亡くなった人に元気かって訊くの、やっぱ違和感あるよな…
私は光よ。 キラキラ輝き、とろけるようにやわらかく、ほかほかあったかい、そしてここちよい…
私は娯楽よ。 アラフィフ女性がハマる、時間と労力を費やしてまでのめりこむ娯楽なの。 音楽…
私は結果よ。 過程より結果、努力は結果で報われる、結果に出なければ評価できない、なんちゃ…
私は朝陽よ。 ふと目覚めた初老の塾講師。起きてカーテンを開ける。向かいのビルで茜色の光は…
私は厄災よ。 この星で起こる地震と津波、暴風や洪水、火山噴火に彗星落下。どれもこれも私。…
私は運命よ。 生まれてから死ぬまでの全てが決まってる。変えられない。だから、このままでよい。 初老の塾講師は、私をそう理解したの。途端に、心の底で仄めく不安がスッと消えたわ。 『思い込みだったな』 決まってない。変えられる。努力しろ。頑張れ。努力が足りないからできないんだ── ☆☆☆ こんにちは! フジミドリです♡ 私物語シーズン2 今シーズンの試みは、丸山健二さんが書かれた【千日の瑠璃】をオマージュした、無生物主語による一人称多視点です。 さて・・ 運命は
私は思い出よ。 初老の塾講師が、母を看取ってから、次々と脳裏に浮かべている思い出なの。 …
私は自我よ。 この世を体感するために、創り出された装置なの。見て聞いて触れるわ。考えたり…
私は茶髪──元の黒から明るい色へ変わった茶髪なの。 理工学部の大学院生が、就職前の今だけ…
僕は映画と呼ばれている。 初老の塾講師が黄昏時、来し方行く末に思いを馳せつつ、これまで観…
あたしは人呼んで写真── 初老の塾講師が眺める度に、懐かしいなと、あれやこれや思い出す写…
おれは手帳ってやつだ。 初老の塾講師が、残る人生はこうありたいと不安を抱えつつも書き込む…
妾は仙骨じゃ。 またの名を神と呼ぶ。 ふっふっふ 骨が神であるとは 聞いたこともなかろう ある朝、初老の塾講師は、起き掛けの寝ぼけ眼で鏡を見つつ、突如として悟ったのじゃ。 自分を動かしておるもの 良きかな良き哉── ☆☆☆ こんにちは! フジミドリです♡ 今日の私物語は仙骨が主人公…… 初めてお読みの方は、驚かれてしまいます。骨を主人公に据えた物語なんて。 小説のような随筆のような私物語。熱意溢れる主題はございません。気の利いた教訓などないのです。 お楽し