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タイ長期滞在者がコンドミニアムを購入するべき理由


経済的に余裕のあるタイ長期滞在者はコンドミニアムを必ずしも購入する必要はない。分譲でも賃貸でも好きなところに住めば良い。
しかし私のように僅かばかりの資産をタイ株で危なっかしく運用し、数年後に受給することになる年金見込み額が月額4万円というようなギリギリの予算で生涯設計を立てている人間であれば、当にこの時期にコンドミニアムの購入を検討するべきだと考える。

何故か。

現在(2022年3月)タイの不動産市況はどん底にある。
こんな時期にコンドミニアムを買いたいという人は多くない。だからこそ今、買うべきとも言える。

人の行く裏に道あり花の山。
Buy when others sell; Sell when others buy.
(他人が売りたいと思う時に買い、他人が買いたいと思う時に売る。)

株、不動産、金、、、洋の東西を問わず、相場が過熱している時には売り場を考え、低迷している時には買い場を考える、これは相場の単純にして明快な原理。

数年前まで新規で販売されるコンドミニアムは、ショールームが開かれる前の1次募集で主だった部屋が売れてしまい、腰を落ち着けて自らが思い描く理想の部屋を取得することは非常に困難だった。

しかし今は状況が全く違う。じっくりと下調べをして現地に赴き、既に値引きされている提示価格から更に1〜3割の指値を入れる。数件こうした部屋を見つけては指値を入れて、最も条件の良い部屋を買うことが出来る。
では、何故コンドミニアムを購入した方が良いのか?

1 インフレへの備え
ロシアの狂気により原油が高騰している。ここ数年でジワリと上がってきている物価上昇に拍車がかかりそうだ。
たとえロシアの侵略が一段落しても、現在安値で出ている賃貸コンドミニアムの家賃が将来にわたり上昇するだろうことは想定しておくべき。
出費の中でも大きな比率を占めるであろう居住費を経済の変動から切り離せる精神的安息は大きい。
住むところさえ確保しておけば、最悪の場合でもなんとかなる。

2 タイでの賃借人の立場は弱い。
タイでは3ヶ月分の家賃さえ用意出来れば、簡単に賃貸コンドを借りられる。
しかし逆に、大家の都合で家賃は簡単に値上げできるし、退去させることも容易。
他人に自らの生活の基盤の生殺与奪の権限を委ねる、此れは私にとっては大きな苦痛。

3 カントリーリスクの分散
私はすっかり放擲してしまったが、多くの同胞は故郷に実家を維持しながらタイに長期滞在をしているようだ。
日本は災害国家。地震、津波、火山といった自然災害は言うに及ばず、北方領土、竹島を侵略占拠しているロシアと朝鮮、尖閣諸島を足がかりとして日本侵略を狙い領海侵犯を繰り返す支那といったやくざ国家を隣国に持つ不運を忘れてはいけない。
やくざ国家の軍事攻撃による被災の可能性は常に考えておく必要がある。
その時、他国に自分名義の住まいがあるのはやはり心強い。

それではこの好機になぜ買わないのか?

1 引っ越しが大変。売りたいときに売れない。
これは日本でもマンションを購入した場合のデメリットとしてよく挙げられる理由。
しかし実際のところ、コンドミニアムは売りたいと思えばいつでも売れる。これは不動産に関して全く素人の私が日本で2回、タイで3回のコンドミニアム売却経験から確言出来る。
直近ではラヨーンで居住中のコンドミニアムを1ヶ月の募集期間で販売することが出来た。武漢熱が熄まず、外国人のコンドミニアム購入者がほぼ皆無のこの悪条件下にも関わらず。
不動産市場の流動性云々をネガティブにあげつらう人々は実際に自分で所有して、売却した経験があるのか疑わしい。
頭だけで考えて行動を起こしていない人が多いのではないか。

2 売った時に損が出るのがいや。
10年以上の長期で住むことを考えれば、余程のヘマをやらない限り賃貸に住み続けるよりはコストは低いと思うが、少しでもリスクがあるのを嫌う人はいるものだ。

3 タイのコンドミニアムは造りが悪く、大規模修繕もない。老朽化の進行も早い。
これは残念ながら真実だろう。
タイのコンドミニアムに20年以上住むことを考えてはいけない。どんな不具合が出るか予測も出来ないし、転売もどんどん難しくなる。
私は15年前後を目安にして、転売引越しすることを念頭に置いている。


将来の転売を念頭に置いているならば、購入の際に重視するべきは「売りやすい部屋を選ぶ」という事が重要になる。
では、どんな部屋が売りやすいのか?

1 BTS、MRT駅に近い立地 近ければ近いほど良い。酷暑のタイで駅まで徒歩10分以上は論外。5分以内が最低条件。
2 角部屋 採光、通風の事を考えれば、一面採光は人間の住むべき居住空間ではないと言える。
各階に角部屋は4部屋しかなく間取りも異なるという希少性も大事。
3 眺望 殊更に公園や海を望む必要はない。目の前に他のコンドミニアム等の遮蔽物がなく、遠くを見渡せれば十分。
4 公共施設の充実 これは日本とは異なる要素であり、私にとっては非常に重要ではあるが個人差は大きいと思う。
プールは最低でも25メートル、コワーキングスペースとフィットネスジムは最低100平米は欲しい。
更に言うと本当に運動したい人間にとって、眺望が売りのルーフトッププールやジムはありがた迷惑。運動をしない御上りさんがわらわらといたら運動の邪魔。
7階あたりにあるのが丁度いいが、転売時の見栄えを考えれば、日々の運動を重視しない人にはルーフトップの方が良いのかも。
5 知名度のあるデベロッパー どうせ下請けに出すのだから仕上がりは同じだろう、と思うのは日本のマンションの場合も同じ。しかしタイの場合、上場していないデベロッパーの質がかなり低く、上場デベロッパーとの差は日本の比ではない。私はこの事をラヨーンの無名デベロッパーのコンドミニアムを買って痛感した。
居住後の管理体制を考えても、上場企業を選ぶのが無難だろう。

、、、これらの条件が販売時に有利に働くことは日本でもタイ(バンコク)でも同じ。この要素が揃っているかどうかにより、10年後、15年後の売りやすさが変わってくる。
部屋を選ぶ際には自分のライフスタイルに合致した部屋を選ぶ事が大切であるが、これらの要素も十分に加味したい。



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