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私たちは本当の意味では、家族を知らなかったのかも知れない、私はそう思って裕子さんを見つめ…
3人でハンバーガーをパクついて、大口を開けるのは恥ずかしいって言う女の子が、居るってのを…
難しい、言葉が出てこない、結婚する人は誰もその疑問に向き合っているのだろうか。 子供の頃…
「ハハハ、忍ちゃんならそう言うと思った、嬉しいな一人じゃ無いって。」裕子さんが笑っている…
初めて会った時に抱きしめてくれた裕子さんを、今度は私が抱きしめている。 私は自分のこれか…
裕子さんの言葉に思わず声が大きくなっている、いつもとは違う自分の声に自分でも驚いてしまう…
裕子さんが話したいと言えば、私は何としても時間を取りたかった、私にとっては命の恩人に近い。 良平も優しいし、声を掛けてくれたけど、ここで最初に抱きしめてくれたのは裕子さんだった。 人間は人の温かさが必要で、あの頃の私はそれを失って、自分が無い状態だった。 兄の事も放って置いても良い筈なのに、対応してくれて自分が怪我するとかは考えていない。 友達よりも近くて親よりは遠い存在だって誰かが言っていたのを思って、私の場合は親よりももっと近いかも知れないと考え直した。 「裕子
「笑っているけど、笑い事じゃ無いからな、警察に接近禁止命令出して貰わないといけないよな。…
良平が結婚を口に出してから、二人の感覚が変わってきた、何が変わったか解らないけど、距離が…
ハイハイ、そうですね、そんな風に言ってしまうとそれまでなのに、声に出してしまいそうな自分…
これから如何しよう、来ないのはそうだろうと思っていた、でも自分の生活をまだ考えてなかった…
「ひっさしぶりー。」ある程度二人でいる時間が増えた時期だった、裕子さんが家に入ってきた。…
「こんにちわ~。」ここに来るのに慣れてきて、忍は大きな声で話すようになった。 本来の彼女…
それからは何もかもが早く終わった、裕子が紹介した親戚は思った以上に考えてくれて、彼女の気持ちに添って手配したらしい。 それから俺たちは3人で会うようになった、こちらは心配だったためだが、忍も同年配が居ない職場で、話をする場所が必要だったのかも知れない。 「久しぶり、どうだった上手くやってる。」いつもの裕子の声が響く、喫茶店で話がしたいのだが、この声が大きすぎて家で集まっている。 「はい、皆さん言い方ばかりで。」当たり障りのない答えが帰ってきて、裕子も俺も、大丈夫かと考え