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ポレポレな日常

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#エッセイ

ニガテなあなたへ「ありがとう」【ポレポレな日常/第7回】

「掃除のおばちゃんと仲良くしたって、なんの役にも立たないだろ?無駄じゃん」上司から優しい笑顔でそう声をかけられた。毎朝会う清掃スタッフの方と挨拶を交わし、軽く雑談している姿をみていたらしい。キョトンとしたわたしの顔をみて、上司はさっきよりも優しい口調で「ちゃんと先を見て動かないと」と続けた。 当時の私はテレビ局で働いていて、そこで出会う人との繋がりはその後 仕事に大きな影響を与えることはわかっていた。そんな自分の立場を有効に活用できていな私を心配して、助言してくれたのだろう

もうひとつの名前と幸せの音【ポレポレな日常/第8回】

仕事時に使っている「幸音」という名前は本名ではない。母が私につけたかった、もうひとつの名前だ。「幸せ」の「音」 と書いて「さちね」と読む。幼い頃から繰り返しこの名前を聞かされていた私は、いつか「幸音」と名乗る場所をつくりたいと思っていた。 よい名前だなぁと思う。「音」というものはひとり占め出来ないから、どうしても誰かと共有してしまう。その共有するものが「幸せ」だなんて最高じゃないか。 先日、弱音をはいてやれと思ってキーボードに「YOWANE」と打ち込んだ。そうだった。「弱

いやぁ~ん力(ぢから)【ポレポレな日常/第1回】

「いやぁ~ん力(ぢから)」をご存知だろうか。「いやぁ~ん対応法」を実行した時に生まれる、抗えない力のことである。念のために言っておくと、「いやぁ~ん対応法」というのは私が勝手に編み出した方法なので、検索してもでてこない。ごめんよ。 やり方はいたってシンプルだ。たとえば満員電車で足を踏まれたのに、なぜかこちらが睨まれてカチンときたとき。「チッ」と思う代わりに「いやぁ~ん」。 クタクタに疲れて心と体を休めようと入ったカフェで乱雑な接客された時。「お前いったい何様だぁ?!」の代

会社のトイレでお尻を洗われ続けた話【ポレポレな日常/第2回】

あなたは、ウォシュレットを使用中に水が止まらなくなったことはありますか?私はあります。想像してみてください。トイレの個室の中で、止まらないウォシュレットにお尻を洗われ続ける自分を。 「おしりだって、洗ってほしい」 トイレでお尻を洗うという発想がない時代に、強烈な印象を残すコピーと共に登場したウォシュレット。今ではすっかり定着し、洗ってほしかったお尻たちも嬉しそうです。けれども、便利で快適なものには大抵落とし穴があるものです。 これは十数年前、職場のトイレでウォシュレットを