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もうひとつの『会うは別れの始め』

2020年1月26日
サウナのサチコは生まれました。そう、今日でちょうど丸4年が経ちました。
生まれたのはこのnoteです。

記念となる今日ぐらい、記事を書いておこうと思い立ちパソコンを開いたら、画面上にいつもあったnoteのアイコンが消えていました。検索してログインしようとしたらパスワードも忘れていました。そのくらい私は生まれた場所を離れていたということです。やっとログインして閲覧数を見て、驚きました。まだ過去の記事を読んでくださる方がポツリポツリといることに。ありがとうございます。

書くことはしていませんでしたが、友達のnoteの記事はスマホから読んでいました。コツコツと文章を描き続けている友のことを、心から尊敬します。私はここのところ、月一本の月刊サウナ用の記事を書くのが精一杯。それも毎回書くことがなく、締め切り間際になって一気に絞り出す感じです。いつもサウナに関係ないことばかり書いていて、よく肩を叩かれないなぁと思っています。サウナについて書きたいことで溢れていた、2020年の自分が羨ましい。

前置きが長くなりましたが、
今日の記事のタイトル、『会うは別れの始め』というのは、その月刊サウナに連載している私の記事の、今月号(1/26発売)のタイトルでもあるのです。

全国誌の新年一発目のタイトルがこれって、どうなんだろうかと思いました。でもどうしても書いておきたいことがあって、これにしました。

月刊サウナでは、上司との出会いと別れについて書いています。初めて就職した会社で出会った、私の直属の上司です。特に私の人生に大きな影響を与えた人でもなんでもありませんが、「会うは別れの始め」という言葉を身をもって教えてくれた人でした。

この月刊サウナの記事、タイトルは文章を書く前から決めていました。しかし当初は別の人との出会いと別れを書こうとしていたんです。それが、

ロウリュウ姉妹です。


昨年姉妹は、卒業を発表しました。そしてそのまま、年明けには厚木健康センターを去っていかれました。ロウリュウ姉妹といえば、サウナ室でブロワーを持ち、お客さんの乳首に向かって熱風を送る姿が有名ですが、私にとって姉妹は、厚木のフロントで、食堂で、脱衣所で、お風呂で、いつも走り回りながらお客さんに声をかけている、温浴施設の太陽のような存在でした。

姉妹との出会いについては、これまでもこのnoteと、過去の月刊サウナに書いています。noteはこちら↓


そして、月刊サウナでは連載第1回目が、姉妹の話でした。

ロウリュウ姉妹がいればいい

のタイトルで書いた記事は、発行された後も、ずっと厚木健康センターのグッズ売り場にページを開いた形で飾られていました。その横には私が作った3姉妹の粘土が、見るたびに違うポーズで立っていました。

あの記事の中で確か私は、「私の連載の最初も、そして最後を飾るのも、ロウリュウ姉妹がいい」と書いています。しかし私の連載が終了する前に、姉妹は去ってしまいました。

相模健康センターで出会い、厚木で2回、出稼ぎ(粘土販売)をさせてもらいました。草加健康センターでの出稼ぎも、サッちゃんがいなければ叶いませんでした。サウナのサチコとして①紙媒体で文章を書けるようになりたい、②温浴施設で粘土を売れるようになりたい(特に草加健康センターで)、という私の②の夢は、ロウリュウ姉妹が叶えてくれました。

昨年末の卒業の発表と同時に、最後の3姉妹ロウリュウの日も発表されました。でも私は行きませんでした。しばらく経ってから、年末に一人で厚木に行きました。その日サッちゃんがいないことはわかっていましたが、いついるのかと事前に聞く勇気もなく、キョウちゃんにだけ会いに行きました。でも見当たらないままお風呂に入り、ご飯を食べました。これが最後と思うと、キョウちゃんの姿を探すこともなんだか憚れたのです。それでもやっとスタッフの山田さんを見つけて声をかけ、キョウちゃんがお風呂にいることを聞き出しました。そこからはいつものように私が探し出すまでもなく、いつの間にかそれが伝わっていて、キョウちゃんの方から私を見つけ出してくれました。

脱衣所でいつもの優しい顔を見た途端、涙が出ました。ずっとご無沙汰していたくせに、最後の日も行かなかったくせに、サッちゃんにこれまでのお礼も言わなかったくせに、まるで昔からここにいた人間かのように、キョウちゃんを前にして泣いていました。寂しいと言いながら。


元気でいる限り、またきっと会える。会おうとすれば会えるのかもしれません。でも私はサウナで会って、サウナで別れようと思います。私はロウリュウ姉妹のお友達でもなく、厚木の常連でもなく、ずっとお客さんでしたから。卑屈になっているわけじゃなくて、それがとても心地よい距離だったのです。私の家から厚木健康センターまでは片道2時間かかります。早朝の電車に揺られ、土曜の朝一番のロウリュウを受けるのが好きでした。でもロウリュウがなくても、二人のいる厚木が好きでした。そこに姉妹がいると思うだけで、会えても会えなくても、嬉しくて仕方がなかったのです。

このnote、以前は姉妹も読んでくれていました。今はどうかな。昨年はほとんど書いていないから、今日のこの記事に辿り着くのは難しいかもしれません。1月26日発売の月刊サウナでは、姉妹のことにはほんの少ししか触れていません。でも姉妹と出会ったこと別れたこと、どちらのことも私はとても大事に思っています。そのことを、ここにだけは残しておくことにしました。

相模で3人で撮った写真は、iphone6から12になっても、今もずっと私の待ち受けのままです。
サッちゃん。キョウちゃん。はるちゃん。
本当にありがとうございました。

相模の記事↑で、最後に書いた言葉をもう一度。
左様なら。


サウナのサチコ

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