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サチコ、フォロワーさんと草加健康センターへ行く。

こんにちは。サウナのサチコです。

タイトルの通り、私は初めてインスタのフォロワーさんとサウナに行ってまいりました。いやいや、これってそんなに簡単なことじゃありませんよね。だって初対面ですよ。初対面でいきなり30分後に、あなた裸になれますか? サフレなんだから仕方ないか・・・。いやいやそういうことでもなくて。

SNSだけでつながっている人と、実際に二人で会うってどうなの? しかも顔も本名も年齢も仕事も何にも知らない人と、実際に会うんですよ。怖いでしょう? あちらが。

ん?

そうです。私は彼女のこと、ちょっとは知ってるんです。投稿から彼女の顔や名前、何をしている人かなど大体のことはわかっています。でも彼女は私のことを何も知らないはず。粘土作ってる人、趣味がサウナ、たぶん女。その程度だと思う。怖くないのかな。いきなり壺出されて売りつけられたり、水晶持ち出して「見える見える」言われたり、「副業に興味ある?、一年で1千万は稼げるよ」とかうまい話に誘われたり、最終的に脱衣所で隠し撮りされたり。そういう想像して怖くなったりしないのかな。私は想像する。怖い。

あとで彼女に聞いたところ「サチコさんは大丈夫だと思った」と言ってました。私は裸の粘土ばかり作ってる人を、大丈夫だとは絶対思わないけどね。


話を戻します。

ある日。インスタのダイレクトメールで彼女から「今度そちらに行く用があります。お時間があれば埼玉のサウナで会えませんか」と言われました。以前から会いたいねとは言っていましたが、彼女の住んでいるところはかなり遠いし、こういう時だし、なかなか実現するのは難しいのではないかと思っていました。だから突然の話に驚きました。驚きはしたんですが、何故かそのメールを読み終わってすぐに、私の指はスマホの上を動いていました。

「いいよ。埼玉ならやっぱり、草加健康センターだと思う」

偉そうでしょ。自分でもそう思います。それから待ち合わせ時間も場所も私が決めて、再び偉そうにメールしました。とうとう直ちゃんに会うのか。そう、彼女は直ちゃんと言います。彼女のインスタでの、青空みたいな笑顔を思い出しながら、私はその日を心待ちにしていました。

そして迎えた11月。 ある日曜日。

私は約束の1時間前に草加駅に着いていました。心の準備と、彼女にプレゼントする粘土の準備があったから。しかしなぜか彼女も、同じ時間に草加駅に着いていました(笑)

出会って30分で裸になるのだと覚悟していた私でしたが、どうやら1時間半後に延びたようです。草加駅に立つ人を、ドキドキしながら探す私。

いた。

後ろ姿だけ見て、すぐに彼女だとわかりました。何でかな。わかってしまったんです。でも後ろからいきなり声をかけて、もし違っていたら恥ずかしい。さらに本人だったとしても、インスタの投稿写真に加工修正があった場合、実際の顔が微妙に違っていて驚いてしまったら失礼になる。そこで私はそっと前に回り込んで、顔を確認することにしました。ただその距離が近すぎたのかすぐに目が合い、「サチコさん?」と聞かれてしまいました。

しまった。

かたい笑顔を返しながら、「そう」と頷く私。

私が半年間、インスタを通してお付き合いしてきた通りの、そのまんまの直ちゃんがそこにいました。

ラッコバス(草加健康センターまでの送迎バス)が来るまでの1時間、ちょっとお茶することにしました。改めて彼女の全身を見て「スタイルいいね」と言ってしまう私。完全に脱衣所で盗撮するタイプです。お茶しながらいろんなことを話しました。彼女は聞き上手で話し上手。つまり私には無いものを持っている方。しかも綺麗でスタイルがいい。つまり私には無いものを持っている方。さらに運動神経があって芸術的なことも得意。私は頭の中は体育会系で、体は文化系(つまり上下関係やルールを重んじる運動音痴)。

でも何でかな、直ちゃんに対して嫉妬とか、いつもの黒サチコは出てこないんです。はー、いい子だなと最初から最後までずっと思ってました。ほんとだってば。

そもそも私のフォロワーは8割が男性なんです。2割の女性のうち、インスタもnoteも見てくれている人はおそらくその10ぶんの1もいないと思います。そこからさらに全部のnoteを読んでくれている人は一桁もいない、と思う。その一桁のうち私に会いたいと言って、遠くから本当に会いに来てくれる人は・・・おそらく今のところ直ちゃん一人だと思います。

直ちゃんはわざわざお土産を買って来てくれました。そのお土産のチョイスを見て、センスの良い人だなぁと思いました。それなのにそのお土産を写真に残さないところが私のダメなところ。(ごめんね直ちゃん、美味しくいただきました)。さて、私もそろそろ出さなくちゃね。カフェで勿体つけながら、私は自作の紙粘土人形を取り出しました。ポールダンスを習っているという彼女に、「ポール直子」を作ってプレゼントすると前から約束していたのです。気に入ってもらえるか心配でしたが、それよりも心配だったのは粘土サウナーが骨折していないか、です。

それがこれ↓

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(直ちゃん撮影)

どこも折れていなくてほっとしました。ただ作っただけではつまらないので、ポールをシャワーにしてみました。壊れやすいので、針金でぐるぐる巻きにして手足を固定しました。さらにあれこれ余計なものをくっつけたせいでコレ、すんごく重いんです。彼女はこの後、ずっとこれを胸に抱いて壊さないように気をつけて家まで持ち帰ったそうです(申し訳ない)。

カフェで話に夢中になっていたら、あっという間にラッコバスの時間に。わかってはいたけれど、私は一つのことしかできない人間です。ここから最後まで、時間の管理は直ちゃんがしてくれました(笑)

停留所に現れたラッコバスの全体写真を撮り始める直ちゃん。初めてだもんね、わかるわかる・・・出しかけたスマホを笑顔でポケットに戻す私。バスの中はまあまあの混雑。日曜だもんね。バスの中でも二人でコソコソ喋りながら、遠足気分でSKCに向かいました。いつもの草加健康センターが、「直ちゃん、ようこそ!」と出迎えてくれました。

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(直ちゃん撮影。うまいから借りた)

が、しかし。

下足入れのロッカーにほとんど鍵が刺さっていない!「奇数の番号を取ると、上段のロッカーになるよ」と直ちゃんに偉そうに言った手前、奇数を見つけたい。でも奇数どころか空いているロッカーすらなかなか見つからない。もしかして激混み? ようやく空きを見つけて受付を済ませ、脱衣所へ。相変わらず私はリストバンドにある番号のロッカーが見つからず、ぐるぐるウロウロ。直ちゃんはとっくに脱ぎ始めてるのに。あーあ、今日は案内人のはずなのになぁ。まあ、これは私にしては軽度なミス。気にしません。

「サチコさん、バスタオル持って行きますか?」と聞かれて、「持っていかないよ。フェイスタオル一本。あ、ここは飲み物も持ち込めるよ」とあくまでもベテラン案内人を装い続けるサチコ。もちろん隠し撮りもせず、会って1時間半でお互い裸になりお風呂へ。髪と体を洗い、お風呂から入るかサウナから入るか考えた末、混まないうちにサウナに行こうということに。

さあ、行くよ。 灼熱のサ室へ。

慣れた手つきで(自分だけそう思っている)入り口のサウナマットを取り、上段へ。ディスタンスを保って直ちゃんも座ります。痛い痛い痛い。見ると直ちゃんも耐えている。直ちゃんに「私はもう水風呂に行くよ」と目と指で合図。直ちゃんもついて来ました。二人で汗を流してバイブラの水風呂へ。いつものように私はお腹を手で押さえて入ります。おまじないみたいなものです。こうしないと15度以下の水風呂は無理。1分もしないうちに出て、ととのい椅子へ。直ちゃんも続きます。

キタキタキタ

もう、どうしてここはこんなにグルグルするんだろう。ほとんど貧血だよ。ととのいラインをすぐに超えてしまうんです。もう少し手前でサウナを出た方がいいだろうと思うのに、もうちょっとと思うと行き過ぎてしまう。ととのう気持ち良さを超えて、椅子に座った途端に怖いくらい目が回ってくるんです。どうしよう。またやり過ぎた。直ちゃんはどうかな。

笑顔だ。

おいおい、初めてなのにイケるのね。強いのね。なんかお酒と似ている。教えたつもりが教えられ・・・。

外気浴の後、二人で水分を取ります。「サウナは他にもあるんですか」と直ちゃんに聞かれ、「なかったと思うけど」と答えながらお風呂へ。薬風呂だ!と入って行く直ちゃん。私は草加健康センターの薬風呂が苦手。濃ゆくて、体の柔らかいところがいつもヒリヒリするから。でも・・・今日は入ろうかな。直ちゃんの後に続いて恐る恐る入ります。あれ、今日は大丈夫そう。

直ちゃんはお湯の中から薬の入った麻袋を取り出して、自分の肩に置き、「サ道の原田泰造」と言って笑ってます。痛くないの?痛くないの?

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薬風呂を出た途端に、私の柔らかいところがやっぱりピリッピリし始めました。またやってしまった。ちょっと待っててとシャワーを体にかけまくるベテラン案内人。直ちゃんも私を見て掛け湯してたけど、そこは別にそういうルールじゃないから大丈夫よ。

そして二人が次に向かったのが、塩サウナ。え。塩・・・サウナ? SKCにサウナって二つもあったっけ。案内人、嘘をつきました。恥ずかしい。ただ「塩サウナ」と書いてあったけどその日は塩はなく、ミストサウナになっていました。しかも頻繁にオートロウリュ。低めの温度でじっくり蒸される。いつも素通りしてたけど、ここもいいなぁ。また直ちゃんに教えられました。

サウナを出入りする時や脱衣所でもそうだったけど、直ちゃんは誰かとすれ違う時や、目が合う時、自分から言葉が出る。すると相手も直ちゃんに言葉をかける。すごいわ・・・初対面なのに。あ、私もそうか(笑)。コミュニケーション能力が高いとはこういうことか。私は彼女に会ってから感心ばかりしています。

最後にもう一回90度のサウナに入りましたが、軽めのセットにしました。直ちゃんも「ここは1セットでも満足しますね」と言ってました。よかった。本当に良かった。さぁ、着替えて食堂へ。

「やっぱり、トマトサンラータンメンでしょ」

とベテラン案内人に戻った私に言われ、直ちゃんも注文。ビールで乾杯してからしっかり完食しました。なかなか減らない麺に直ちゃんも悪戦苦闘していましたが(笑)。

直ちゃんはずっと私の粘土やnoteのことを褒めてくれて、なかなか直接感想を聞く機会がない私は、自分がそういう風に見えているのかとすごく嬉しかったし、参考になりました。自分が嫌だったところも、直ちゃんには長所に見えているんだなぁ。ありがとう。草加健康センターのことも気に入ってもらえてよかった。埼玉ベテランサウナー、ベテラン案内人サチコとしては、最高だよ。思わず胸を張る私。・・・次の質問をされるまでは。

「サチコさん、いつからサウナを?」

「え? 今年から・・・だね」

「サチコさん、週に何回くらいサウナに?」

「1・・・かな」

「サチコさん、いつから粘土を?」

「今年から・・・」

私はやはり、初心者粘土サウナーでした。逆に直ちゃんからサウナ情報をたくさんもらいました(笑)。そしてまたまたラッコバスの時間をすっかり忘れ、直ちゃんに促されて立ち上がる私。家に帰ったら絶対フォロー外されるな。荷物を取りに脱衣所へ。

脱衣所ではおばちゃん達が大きな声で話してました。

「あの人、旦那の浮気の心配ばっかりしてんのよ。旦那、ブサイクなのに」

強烈です。いつものことだけど。直ちゃんを見たら笑ってたので、ホッとしました。

それから、こんなおばちゃんもいました。

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「あ〜」とか、「わ〜」とか言って抱き合ってる。久しぶりに会えたのかな。私も久しぶりにこんな光景を見ました。

さて、そろそろSKCとお別れです。直ちゃんともお別れの時間が迫って来ました。ラッコタオルをお揃いで買って会計を済ませ、草加駅行きのラッコバスへ。写真を全然撮ってあげなかったことに気がつき、ラッコバスのとなりに直ちゃんを立たせる私。自分のスマホを取り出して写してみたけど、真っ暗で誰かわからない。夜の撮影に弱すぎるiPhone6(涙)

最後まで私、カッコ悪くてごめんね。

ラッコバスは満員で隣同士では座れず、別々に座りました。補助席まで出るのを始めて見ました。バスを降りて草加駅まで歩く道すがら、ここの居酒屋が好きだとか、ここに行ったこともあるとか、私は饒舌でした。寂しさを感じ始めていたから。いえ、実はもうサンラータンメンを食べている頃から感じてました。楽しいとすぐに、それが終わる時のことを考えてしまうんです。そうしておかないと、本当にその時が来たとき辛いから。バカだなぁと思います。最後まで楽しまなくてどうする。それにまた会えばいい話です。

でも、

また会える、また会いましょう。そう言って会わずに終わった人もたくさんいます。待っていてはダメだと自分から誘ってみて、具体的な日にちが出てこない相手にがっかりしたことも。たとえ会えても、前の時とはどうも感じが違っていたり。楽しい時はいつも、今がその時なのです。

これから別の場所で人に会うという直ちゃんを、ホームまで見送りました。ちゃんとさよならを言う間も無く、急行電車がホームに入って来ました。急いで急いでと直ちゃんをせかす私。直ちゃんは電車に乗る前に私にお礼を言ってくれました。もう乗ってと言おうとする私に、直ちゃんが長い腕を伸ばして、私に右手を差し出しました。

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あ、・・・と思いました。

私も出そうかと迷っていたから。直ちゃんの右手を私も握りました。

コロナがあって人と距離を取ることが多くなって、でもそれでも思わず出してしまう右手がきっとあります。SKCで見たおばちゃん二人も同じ。私が最初に自分から右手を出すことに躊躇したのは、癖です。自分から握手を求めるときは大抵、もう会えないだろうなと思っている時だからです。せめて握手して、楽しかった時を覚えておこうと思ってしまうから。でも、こんな風に何も考えずに思わず出てしまう行動に、さよならの意味なんてないと思いました。直ちゃんとは必ず、また会います。会いたい人には必ず会います。

直ちゃんを乗せた電車が走り出しました。見えなくなるまで手を振りました。そのあとも何度も彼女はメールをくれました。自宅に戻ったらポール直子の脇の下から針金が出ていたそうです。軽傷でよかった(笑) 一緒に渡しておいた木工用ボンドでくっつけて、その上から肌色のアクリル絵の具を塗るように返信しました。直ちゃんのお家の白いベランダに、ポール直子がよく似合います。脇もしっかり治ってる!

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直ちゃんありがとう。私に会いに来てくれて、本当にありがとう。





サウナーになって初めて、本当の私を知っている友だちができました。


サウナのサチコ


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