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増える筋肉量と受け取る声の数

怒涛の日々だった。

年度末、代表がこんなツイートをしていた。本当にこんなことがあるんだという出来事が立て続けに起きた。

いくつか大きな寄付が打ち切りになったのはズシンときた。1月からつくっていた次年度の事業計画を、ひっくり返すように何度も何度も修正して、資金繰り表とにらめっこした。日々更新される情報にあわせて意思決定の軸を何度も何度もずらしていった。

一方で、相談量がものすごく増えた。10代に限らず、20、30、40代から。わたしの個人のSNSに、たくさんの相談が届く。「相談」というとちょっと違うかもしれない。ちょっとした「気持ちの欠片」をTwitterやインスタ上で受け取った。実生活上でも精神的にも切羽つまっている相談内容が多く、中身を読みながら時折手が震えた。こんなことがあるんだ、と思いながらスマホの画面を見て立ち尽くしたときもあった。ぜんぶコロナのせい っていうわけじゃない。ずっとまえから起きていた歪みが、ここにきてぐっと顔を出したようなかんじだった。

不思議と、心は落ち着いていた。最初はショックが大きかったが、その時の自分の精神の立て直し方は素早かったなあと思う。

変に落ち込むときも、変にアドレナリン出るときも、どちらも危ないなと思っていた。どこか冷静な自分がいた。自分から出るサインを見逃さないようにしながら、よく寝て、よく運動して、よく料理して、よく漫画を読んだ。しっかりお風呂に入って、プロテインやビタミン剤も増やした。好きなことに没頭しながらも、仕事に集中した。

その間も相談の量はどんどん増えていく。情報も刻一刻と変わっていった。

相談を受けても、コロナ以前より提示できる選択肢が少なくなっていた。これまで紹介できたところが紹介できない。学校も、フリースクールも、こども食堂も、子育てひろばも、次々に閉鎖されていた。必死で情報を集めて、いろんな人に電話した。公的な補助制度を紹介して、住宅確保給付金や休業手当の申請のサポートをしたり、ミニマムで開催しているこども食堂(お弁当配布のみだったがそれでも貴重だった)を紹介したりしながら過ごした。また、ネットスーパーでの在宅ワークや地域の求人も増えていたので、感染予防できる範囲での求人情報の選択肢を提示した。

出典がわからない根拠で書きつくされたあおり記事のリンクをたくさん貼って送ってくださる方も何人かいた。怖いし、不安なのだ。こんな記事を見たら、不安になってしまうだろう。いっぱい話を聞いていきながら、最後の最後に出典の確からしい情報をつたえると、「いや〜そうですよね!」とリプライがあって笑った。

地域内の保育士とマッチングしてくれるサービスも紹介した。これにはけっこう悩んだ。やっぱり、保育士さんを感染の危険に晒すのはどうなのだろう…と、躊躇してしまったのだ。でも、やっぱり預け先はいる。悲痛な親の声を聞きながら、ひとりで子育てするってほんとに無理ゲーで、このままじゃ死者を出してしまう、と改めて思った。自転車で通える範囲にいる保育士さんに短時間でも来てもらうのはありなんじゃないかと考えてキッズラインやアズママの紹介をするようになった。

いろんな背景をもった10代からの相談は、D×PのLINE相談を紹介した。バイトのシフトが減らされてしまい、来月の生活費に不安を持っている人や、家庭内に居場所がない思いをしているひともいた。

「ネットカフェが閉鎖されていくとこない」という話も増えた。一昨日、「住まいとくらし緊急サポートプロジェクトOSAKA」が生まれたので、今後はこちらのサイトを紹介しようと思う。無料で相談ができる場だ。

怒涛の相談量に、怒涛の仕事量だった。

「やばい」と思ったらすぐ運動したので、運動量がとにかく増えた。ストレスを感じるほど増える筋肉。あるサポーターさんに「筋トレしすぎてブルース・リーになってないか心配です」と連絡が来て笑ってしまった。こういうちょっとした声かけをしてくださる方々に、支えられているのだなと思う。

※筋トレのお供はこちらのYoutube2つでした。

いろんなひとが、それぞれに耐えていて、負担を強いられている。戦後、こんなにだれしもが困難に立たされているなんて、他になかったんじゃないかと思う。

でもなにより、コロナ以前から基盤のない人が大ダメージをくらっているようにわたしには見える。なんとか、夏になって、自分で自分の命を絶つひとがあらわれないように。しばらく筋肉量は増え続けそうだ。

サポートも嬉しいのですが、孤立しやすい若者(13-25歳)にむけて、セーフティネットと機会を届けている認定NPO法人D×P(ディーピー)に寄付していただけたら嬉しいです!寄付はこちらから↓ https://www.dreampossibility.com/supporter/